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次男の野望

相変わらず母子同伴登校をしている。
ここ最近は、多少遅れることはあってもちゃんと学校に行くことに応じ、学校に着くと自分からドアを開けて車を降りる。
そして、正面玄関から校舎に入ることができるようになった。
…まあ、上履きを履く(上履き袋を持って家を出る)ことには抵抗するのだけど。

というわけで、今は親子で校内をスリッパで歩いている。

登校したら、教室には行かずに木工室へ行く。
木工室は、校舎の奥の端っこにあって、割と静かで次男のお気に入りの場所らしい。

木工室で、まずバランスボールで体を動かす。
次男にとって、このバランスボールを使った運動は心地よいらしく、きゃーきゃー喜んで声をあげながらボールごと弾んでいる。
いい感じに体力を使うのか、夜はあまり遅くまで起きず、9時半~10時までには眠りにつき、途中で目を覚ますことなく朝5時過ぎまで眠ってくれる。

おかげで良いサイクルができてきている気がする。

そのあとは、なぞり書き。
童謡や唱歌の歌詞をなぞり書きするのだが、たまに画数の多い難しい漢字がでてくると苦戦し、最近は嫌がってやらなくなった。
代わりに図形のなぞり書きや、番号順になぞると何かの絵ができるものにかわった。

そして作業学習でやっている裂き織り。

これらを予定通りこなすとだいたい1時間。
現在は学校の滞在時間が1時間だが、そのうち少しずつ延ばす予定だ。


この日は朝から調子よく登校準備ができて、機嫌よく車に乗って登校できた。
車の中で、次男は何回か「あくえりあしゅ」「ぽかりすえっと」と言っていたが、いつものCMで覚えた言葉を発しているだけだと思っていた。

バランスボールが終わり、なぞり書きをするよう促すと「イヤ」と拒否して再びバランスボールで跳ねていたが、すぐに飽きたようで床に伏せてしまった。

裂き織りの作業もやりたがらず、次男の雲行きが怪しくなったので、担任の判断で帰ることになった。

長い廊下を玄関に向かって歩いていると、次男が急に向きを変えて走り出した。向かった先は保健室。
暴れるのをなだめて保健室に入ると、次男は部屋の奥に備蓄として置いてあったアクエリアスを1本手に取ってラベルを剥がし、一気飲みした。
呆気に取られて次男を見守る大人たち。
飲んで満足したように見えたので、退室を促したが、廊下に出て2,3歩進んだ所で立ち止まり床に伏せた。
よく見ると体育着の短パンをずり下げている。

あ、これってもしや…

「保健室のベッドで寝たいのかもしれません」
担任に、状況から推理したことを話した。
「じゃあ、保健室に戻ろう」

保健室に戻ると、次男はまっすぐベッドに向かっていき、コロンと横になった。
「5分経ったら帰るからね」と、担任が枕元にタイムタイマーを置くと、「イラナイ」とはじき返された。

担任と私で、次男が起きる気になるまでの間、次男の一連の行動を確認しながら今後の策を話し合った。

あれ??そういえば、もしや…


前の週、次男は保健室に行って身体測定をした。
その時に備蓄のアクエリアスを見つけたが、「今は飲めないよ」と止められていた。
身体測定の後はベッドに入って寝ようともしていたが、「次男君は元気だから寝られないよ」と止められた。
そして、今朝の「あくえりあしゅ」


担任にこのこと↑ を話してみた。

次男は今日は絶対保健室のアクエリアスを飲んでベッドで寝てやると心に決めていたのかもしれない。
予兆はあったのだ。
ワードとして出していた。
私が気が付かなかっただけだ。
でも、誰がこの展開を予想できた?


今後、また同じようなことになるかもしれない ということを、担任とほかの先生にも情報共有してもらうことにして、次男がベッドから出てきたので保健室を出た。


翌日、また保健室に向かって走り出した。
保管場所を変えて以前の場所にはないアクエリアスを探し回り、冷蔵庫を開けて見つけ、また一気飲みした。

担任と相談して、学校で次男の分のアクエリアスを用意してもらうことになった。
もちろん代金は後でまとめて請求してもらって、こちらで払う。


学校での一連の活動の後のアクエリアスを、登校のモチベーションとするか、悪しき習慣とするかは、それぞれ考え方があると思う。
私達は、登校のモチベーションという位置づけにした。
行事や長期休みをきっかけにやめることになると期待しながら。

でも、これ、いつまで続く?

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ひやみん
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