日常と非日常
入院中の次男の洗濯物を受取り、着替えを渡すときに応対してくれた看護師さんに、いつも「次男の様子はどうですか?変わりないですか?」と聞くのだが、たいてい、「落ち着いていますよ」とか「いつもニコニコしていますよ」と返ってくる。
次男が病室にいて嫌な思いや逃げ出したい気持ちを持っているのではないようで安心しているが、じゃあ次男の中での病院の位置づけってどうなっているのだろう?
すぐに興奮状態になることや攻撃的になって自傷他害が増えたために始まった、医療保護入院の生活。
はじめは家族と離れて心細かっただろうが、看護師さん達に優しく接してもらって、落ち着いて過ごせるようになった。
次男が家族以外の大人に対して信頼することや安心して生活できるようになることは、以前から親の私たちが望んでいたことだ。
これといった持病のない次男より先に、私達両親がこの世を去ると考えると、次男が家族以外の大人を信頼して安心して生活するということが重要課題になる。
次男には長男というきょうだいがいるが、できるだけ長男には次男のことで負担をかけたくないというのもある。
長い入院生活の中で、次男にとっては病院が日常で自宅が非日常になりつつあるのでは…?と、最近思うようになった。
というのも、先月末の一時帰宅で、次男は終始ハイテンションで興奮しっぱなしだったのだ。
次男にとっては、
・テレビが自由に見られる!
・YouTubeが見られる!
・かーちゃんもとーちゃんもじーちゃんもいる!(にーちゃんもいることがある)
・ジュースが好きなだけ飲める!
・お菓子もある!
・だいすきならーめんもある!
と、夢のような環境なのだ。
ある意味アミューズメントパーク。
一時帰宅の間、「うひょー!」と家の敷地内を走り回り、「みみま!みみま!」と謎のダンスを踊り、おとなしくなったと思えばテレビで膝の痛いおばあちゃんが出ている通販番組を見ていたりYouTubeで童謡の動画を見ていたりして、ほぼ一睡もしなかった。
楽しすぎて眠るのを忘れていたのだろうか?
アミューズメントパークだし。
寝てる暇があったら今の環境を楽しんでいたい…という感じだったのだろうか?
次男の一時帰宅は、社会適応訓練と家庭復帰訓練の目的で行われている。
次男の中で自宅がアミューズメントパークという位置づけになってしまっていては、訓練の目的が果たせるかというと、できない気がする。
かといって、家にあるテレビをどこかに隠すというのは無理だし、食べ物に関しては、しまっておいても必ず探しあてられてしまうし、次男につきっきりであれもダメこれもダメと片っ端から取り上げてしまうのも違う気がする。
はてさて、どうしたものか…。