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ファンタスティックコント~初売りでにぎわう商店街編~

~ 初売りでにぎわう商店街編 ~
                     火山竜一
 

① ニュータイプの魚屋さん 

魚 屋「日本一新鮮なお魚を売る魚屋で~す」
お客様「魚が一匹も、置いてないじゃんんか」
魚 屋「注文を受けてから釣りに行くんです」 

② 変な眼鏡

お客様「この魚、変な眼鏡をかけてるね」
魚 屋「水中眼鏡です」 

③ 八百屋さんの白菜で百歳 

八百屋「新春、大売り出しで~す」
奥 様「この白菜、一つ、ちょうだい」
八百屋「これは、百歳まで生きれる白菜で~す」
奥 様「あら、どうしましょう。うちのおじいちゃん、百三歳なの」 

④ 回転の速い大安売り 

店 員「閉店大安売りで~す。お急ぎくださ~い」
お客様「初売りなのに、もう閉店かい」
店 員「次の開店は明日です。明日は開店大安売りをやりますよお」
お客様「どっちが安いの?」 

⑤ 待たせる花屋さん 

お客様「春夏秋冬の花が、全部そろっているね。みんな造花だ」
花 屋「ちゃんと、本物のお花をお送りしますよ」
お客様「夏の花はどうなるの」
花 屋「半年ほどお待ちください」 

⑥ ブランド品の相場 

お客様「使える時計はないの」
時計屋「ここにあるのは、値上がり期待のブランド品ばかりでございます」お客様「投資は関心ないね」
時計屋「時は金なりです」 

⑦ 新春。切り過ぎた美容師さん 

新人の美容師 「すみません。切りすぎました」
お客様    「どうしてくれるのよ。『肩ぐらい』って言ったでしょ」
新人の美容師 「お詫びの印に育毛剤を進呈します」
お客様    「いらないわよ。髪、返してちょうだい」
美容師    「ちょっと、お待ちを。今、集めます」 

⑧ シニア割引の資格 

理髪店で、お年寄りの散髪が終わりました。
理髪師「シニア割引の会員証をお持ちですか」
お客様「ない」
理髪師「運転免許証をお持ちですか」
お客様「ない」
理髪師「ほかに年齢を証明するものはありますか」
お客様「顔だ」 

⑨ 古本にも旬がある 

 俺は古本屋に入った。
 さがしていた本があった。
 ページは黄ばんで、アンダーラインが引かれていた。
――三千円か。高いな。やめた。
 俺は家に帰ってから後悔をした。
 次の日、また古本屋に寄った。
 本は売れちまった。
 古本屋の親父と目が合った。
 四週間後、古本屋に行くと、同じ本が入っていた。
 三万円だ。
 古本屋の親父が壁に紙を貼りだした。
『古本は 買いたい時が 旬の時』

 


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