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ゴルフのグリップを見直す

 ミスショット連発。
 コースで練習場で、クラブが振れてない。
 ボールは自由奔放に飛び散って、ご主人様のいうことを聞かない。
 なんと練習場で、右手の親指が、破れてしまいました。
 どうしてなんだよう。仕事よりも悩んで、ゴルフでメンタルが、やばくなったりして。
 プロのレッスンを受けたり、ゴルフの本を買い込んで読みこんだりして、
考える限りの努力をする。
 頭の先から足の先までフォームを改造して、ついでに中古クラブも買いました。あとは「飛んで曲がらないボールはないのかなあ」と独り言。
 私の行き着いた練習法は、クラブを持たないこと。
 手だけで素振りすることでした。
 両手を合わせて、やってみましょう。『空素振り』ですね。今作った造語です。  
 その時、神の閃きが。
「そうだ、グリップだ。グリップだけは、まだ変えていないじゃないか」
『空素振り』をしてわかることは、両手の一体感です。
 この素振りで、振りにくいと感じたグリップは、自分にとって課題があるのかもしれません。
「ゴルフはグリップに始まり、グリップに終わる」
 そこで、ついにグリップの見直しに着手しました。

1 グリップは大丈夫か?

 ゴルフのグリップの作り方は、三種類あります。
 両手を離す「ベースボールグリップ」、右手の小指を左手の人差し指にのせる「オーバーラッピンググリップ」、右手の小指と左手の人差し指を引っ掛ける「インターロッキンググリップ」の三つですね。
 一長一短がありますが、体力など、それぞれの方の事情で、一番合うグリップを選択するべきでしょう。
 ただ、ゴルフを始めたころに教わるのは、多くの方が二番目の「オーバーラッピンググリップ」ではないでしょうか。
 私もそうでした。
 ところが、最近、練習場で2時間打ち放題だと、右手の親指の皮が必ず破れてしまいます。痛いのなんの。
 バンドエイドを張っても、すぐ破れます。2時間打ち放題をやるたびに、その後は指の治療のために1か月間練習の中止を繰り返す。
 いったい、なんのための打ち放題なのか。
 こればまずいな。
 というわけで、いつものように、原因究明に乗り出しました。

2  『空素振り』でわかること 

 クラブを持たないで振る『空素振り』でわかることは、「インターロッキンググリップ」のメリットです。クラブを、右手の小指と左手の人差し指で引っ掛けて握るグリップです。
『空素振り』のスィング中、両手とクラブはしっかりつながり、ゆるまぬフォームとなりました。
 「オーバーラッピンググリップ」だと、『空素振り』のスィングで両手の指がずれてしまいます。ずれを防ごうと、少し腕に力が入ります。右手が強いと、左手と喧嘩してしまう場合もあります。
 では、「ベースボールグリップ」はというと、力むと左右独自の動きでずれが生じて、とても振りにですね。

3 神の視点での判断を

 その人に会ったグリップは、キャリア・体格・体力・運動神経・感受性・生活習慣・左右の手の器用さなどの違いにより、個人差があります。
 どのグリップが、ご本人に合っているかは、ご本人にしかわかりません。神の視点でのご判断が必要です。
 結果として、ナイスショットがでて、本人が気持ちよく振れて、体に故障がでないことを基準に判断するしかないでしょう。
 少なくとも、クラブがすっぽ抜けないこと。ご主人様を残して、クラブが飛んで行かないことは、最低条件ですね。
 ゴルフ場で、ときどきアナウンスがありますよね。
「え~、お客様に、お願い申し上げます。ただいま、お客様のクラブが飛んでしまいました。皆さま、練習の中断をお願いいたします」
 静まり返ったゴルフ練習場で、持ち主がまわりに恥ずかしそうに頭を下げながら、小走りにクラブを取りに走っていきます。
 クラブがまっすぐ飛んでいたら、それはそれでナイスショットかな。でも、左右のネットに突っ込んでいたら、かなり恥ずかしいですね。
 脱線しました。すみません。

4 「グリップ」が原因のわけ

 私がミスショットの原因を「グリップ」に求めたのは、特にインパクトで右手が暴れていると感じたからなのです。
 なぜ右手の親指の皮が破れるのか。
 右手でヘッドを意識的に閉じる動きが、右手の力みを生んでいると感じました。力んで閉じてダフると、右手の親指とクラブのずれで、皮膚がペロッとなってしまうのではないか。
 私はついに長年親しんだ左手の人差し指と右手の小指を乗せる「オーバーラッピンググリップ」から、左手の人差し指と右手の小指をクロスして連結する「インターロッキンググリップ」に変更してみました。
 別にタイガーウッズ、ジャックニクラウス、石川遼(最近グリップを変えたらしいですけど)の真似をしたわけではありません。そうだ、松山英樹選手も
「インターロッキンググリップ」だ。
 『空素振り』でいい感じのグリップを見つけて、クラブを握れは、両手の一体感のあるスィングを期待できますよね。きっと。

5 「インターロッキンググリップ」のメリット

 このグリップ変更は、すぐに慣れました。
 『空素振り』も順調です。庭でのクラブの素振りも良し。練習場でも違和感はありませんでした。
 「インターロッキンググリップ」の主なメリットを並べてみます。
① 両手の一体感。
② 右手の余計な動きを、左手が抑える。
③ 右手の力みを、左手の人差し指が感知する。
④ そして、右手の親指の皮が剥がれなくなった。
 ではデメリットは何か。
① 巷でいうところの指が痛くなるという現象は、今のところないですね。
 そんなに練習していないからかもしれませんが、力んで振って、ダフルと痛くなるかもしれません。でも、まさに力み防止のためのグリップなので、修正はできます。
② 人により、このグリップは、右手を殺し過ぎと感じるかもしれません。
 「右手のスィング」という理論もあるくらいですから。
 私は、むしろ逆に、右手を左手で押さえることで、かえって右手を生かせると感じました。
 グリップ変更で、次のような右手の考察を得ました。

6 右手の効用

 私は、左手は方向性、右手は飛距離を生むと思っています。
 昔、職場のソフトボール大会で、三打席連続本塁打を打ったことがあります。すべてセンターオーバー。後の懇親会での賞はありませんでした。
 打席では、王貞治選手のように両手の指を脱力して、離し気味にしました。特に右手です。
 一本足で構えた王選手の写真を見たときに、人差し指と小指を離し、特に上の手を脱力してスィングしているのが分かったからなのです。
 右手は、意識でコントロールしなければ、インパクトで無意識の反応で仕事をします。ボールとヘッドが衝突するショックに、反射的に右手はスナップを利かすのです。右手がボールの一点を、捉えるわけです。
 野球はピッチャーのタイミングでボールが高速で来るので、右手の動きを意識する余裕はありません。インパクトで意識的に右手を操作するのは無理ですね。
 ところが、ゴルフは止まっているボールがあり、自分のペースでスィングできるために、すべてが意識下に入りやすいのです。
 ミスショットをすると、悔しくてインパクトを何とかしたくなります。
 右手で意識的に細工しようとすると、クラブヘッドが高速のためにインパクトのタイミングがずれて、結果も大外れとなるわけです。
 右手を暴れないように抑えたうえで、無意識に任せるべきなのです。
「インターロッキンググリップ」は、右手を殺しているようで、右手を無意識的に生かせるようにする。
 つまり、インパクトでのみ、無意識に右手を反応させやすいグリップではないかと感じた次第です。

7 結論 

 ミスショットが止まらない方。
 ありとあらゆる工夫をしても、スィングがしっくりこない、ボールが飛び散る、私の右手の親指が破れたように、体に異常な反応がある方。
 もし今まで「インターロッキンググリップ」にしたことがないのなら、グリップの見直しをしてはいかがでしょうか。
 ボールの飛球線が、素直になるかもしれません。
 青空に、白球が吸い込まれていくかもしれません。
 インパクトのあの快感が、復活するかもしれません。
 では、ナイスショットを。仕事中、ゴルフで悩まぬように。


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