【詩】 HELLIG -迷える画家の話-
こんにちは!ひやま すなおです。ただ今アドカレをひとりで疾走中。
本日は2023年12月10日(日)掲載の記事になります。
clusterや漫画や?B'zや?あれやこれやについてなんか公開してます。25日まで毎日更新するので、よかったら覗いてみてね♪
今日は、先日12月8日(金)の記事で少しだけご紹介した「HELLIG(へリッグ)」という作品から、一編の詩をお送りします。
物語の元となった詩
バーチャル美術館「ひやま館 本館」内【HELLIG Shop】では、字幕付き無音アニメーションが放映中です。
今回ご紹介する詩は、その物語の元となった詩になります。
物語とは少し口調の違う「詩」のバージョンは、こちらが初公開となります。
登場人物
「HELLIG(へリッグ)」は、深い森の奥に暮らす魔法使いのへリッグと、その仲間たちの物語です。今回の登場人物はこちら。
短い詩に6枚の挿絵をつけました。それではお楽しみください。
HELLIG -迷える画家の話-
作・絵 ひやま すなお
おまえを大切にしてくれる場所で
おまえは初めて 生きることができる
森の中で へリッグが教えてくれたこと
「おまえを ないがしろにする場所で
おまえは本当に笑っていられるのか?
心から うれしいと言えるのか?」
へリッグは 少し乱暴な言葉づかいで
ぼくに 語りかける。
ぼくは どうして 絵をかいているのだろう。
「おまえは 愛を えがいているのだろう」
へリッグが言った。
へリッグは 大きなソファに 深く、沈むように座って
入れたての 熱いミルクを
とても幸せそうに 口にはこぶ。
「ほら、あいつを見てみろ」
部屋の丸い窓からのぞくと、静かに 波打つ湖の向こうを
ぼくらの友人が 大きなギターを ぽろん、ぽろんと鳴らしながら
濡れた草を踏みしめて 歩いているのが見えた。
ぼくと、へリッグと、歌うたいの彼は
ぼくらの住む森で『怠けもの』や、『へんじん』と呼ばれた。
ぼくらはただ それぞれ
宇宙と、世界と、生命の愛を
歌い、語り、えがいていた。
これからも きっと
へリッグは ぼくの前で、幸せそうに 熱いミルクを飲むし
ぼくは たくさん 途方もないことで、悩むし
歌うたいは ドロ道の草を踏みしめて、歌い歩くのだろう。
もうじき、星がのぼり
冷たい夜が ぼくらの森にやってくる。
ぼくは冷たい夜が来るのが 嫌だったけど
へリッグは 夕暮れを見て 笑っていた。
制作:2021年2月 ©︎ひやま すなおのイラスト工房
ご覧いただきありがとうございました!
いかがでしたでしょうか?心晴れない悩みも、友人との穏やかなひと時も、ただ共に冬の空に沈んでいく、そんな詩でした。
冒頭でご紹介した、この詩を元に制作したアニメーションは「ひやま館」のほか、YouTubeでも配信中です。
こちらはひやま本人の朗読付きになります。ひやまが真冬にひとり寒い風呂場で収音した朗読をお楽しみいただけます。投稿日はほぼ3年前のひやまの誕生日です。ハッピバースデー私。
また、こちらは2020年に同作品を漫画にしたものです。HPに掲載しています。
併せてお楽しみくださいませ!
最後までご覧いただきありがとうございました!
ではまた!
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