「小説の面白さ」から読み取る小説の楽しみ方

ビジネス書や参考書ばかり読んでいるとやはり変わった味のものが欲しくなります。
私の場合はそれがゲームや漫画なのですが、ふと小説ってなかなか手が出ないな。と思ったのがこの短編に出会ったきっかけです。

小説の面白さってなんだろうなと検索をかけたら出てきたのがこちら。

太宰治「小説の面白さ」
https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/1604_18107.html

1102文字という短さで共感・反感・思考を生み出せるのはやはり小説家だな、と感動させられました。
私の文章は足元にも及んでいないということを痛感しました。

原稿用紙3枚に満たない文章の中に太宰治の苦悩と小説との向き合い方が書かれています。

小説は難しく読むものではなくあくまで娯楽である。
何も得られなかったとしても「ふうん」で済ませられるものが小説なのである。
これが専門書やビジネス書との違いであり、人それぞれに感じるものがあるのだから評論するものではないのだと。
小説家がどんだけ長い時間をかけて書いたとしても、読む側がそれを受け取る必要もなく、おもんばかる必要もない。

太宰治の考え方を私はこのように受け取りました。
肩肘を張らずに、気楽に読めば楽しめるのだということです。


ただ、教育者目線からみた時にここは勘違いして欲しくないなという点がひとつありまして。

「読後感を卓を叩いて論じ合うと云うような性質のものではないのであります。」とありますが、これは論じる必要がないと言っているのではなく、
卓を叩く=相手を説き伏せるような議論をするようなものではないということです。

子供の成長や本を読む楽しさを持ってもらう上では、どこが楽しかったのかや、その感想を話していることに傾聴し、認めて互いに意見を交換するということ自体はとても大事です。

共通の話題をもって意見交換をする、話し合うというのは非常に言語能力を育む上では大切です。

これは小説に限ったことではありませんが、小説には漫画やゲーム、テレビではできない想像する力を育てる重要な役割があります。

ぜひ、お子様がいらっしゃるご家庭では、小説を読んで感じたことを共有していく機会を持ってもらいたいと思います。

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比卯絽(ひうろ)
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