自分の思考を操る②:思考の「型」ってなに?
思考の「型」=「思考の世界地図」を持とう
"自分の思考を操る①"で書いた記事は、
思考の過程で重要なことは「質問」と「型」と説明しました。
今回の記事では「型」について説明したいと思います。
リンク先の記事で説明しましたが、人は無意識に何かを考えるときに「質問」をしています。
「明日の予定はなんだっけ?」
「何時に出発すれば間に合うかな?」
「部活で何を自主練しようかな?」
「なぜ練習するのか?」
「ごはんは何を食べようかな?」
「ダイエットに良い食事はなんだろう?」
「みんなが喜ぶ楽しい企画ってなんだろう?」…
「質問」により思考の「焦点」を移動することができ、
脳内に「空白」を作ることができます。
「質問」は思考の移動先を示すので、思考のコンパスと呼べるかもしれません。
コンパスを使うには地図が必要です。
それが思考の「型」です。
私は思考する際、思考の世界地図(「型」)を持ち、思考のコンパス(「質問」)で自由に好きな場所へ移動するようなイメージを持っています。
「型破り」という言葉がありますが、
「型」を知らないと型破りにはなりません。
身近に型破りな考え方ができる人がいる場合、
その人オリジナルの「型」を持って思考しているか、
人と違うこと言いたいだけかではないかと思います。
初めからオリジナルの「型」を持つにはかなり難易度が高いですが、
世間一般に書籍では様々な「型」がたくさん紹介されているので、
真似てしまうのが一番簡単で速いです。
一方で、思考は目に見えないので、何も意識せずに考え始めると行先がよくわからなくなることがあります。
思考の「型」(世界地図)を使うことにより自分が今地図のどこにいるのか、どこに行きたいのかがわかるようになります。
つまり、自分が今何のために考えているのか、
何を考えればこの思考は完了するのか、がわかるようになります。
思考の「型」の例
私がよく使うのは、GROWモデル、論理的思考、演繹的思考、帰納的思考、仮説思考、2軸思考といった「型」です。
下記リンクから論理的思考と使い方を紹介をしているので、覗いてみてください。
中でもよく使うのはGROWモデルです。
今回はGROWモデルを紹介したいと思います。
GROWモデルって何?
GROWモデルはコーチングでよく使われるモデルですが、一人で思考を行う際にとても参考になります。
GROWモデルは、
Goal(ゴール、目的)
Reality(現状)Resource(リソース)
Options(選択肢)
Will(意志、選択)
の頭文字をとってGROWです。
思考の手順を下図に示します。
はじめに目標を設定します(①)。
次に目標に対しての自分の現状を把握し(②)、
ゴールと現状のギャップ(問題)があることを理解します(③)。
そのあとギャップを解消するために何をすべきか(課題)を洗い出し、
どんな行動をするか選択肢を複数出します(④)。
最後に、選択肢に優先順位をつけ、実際に行動に移します(⑤)。
①ゴール設定する
ゴール設定の際に大事なことは、ゴールできているときの状態を具体的にイメージすることです。
京セラ創始者の稲盛和夫さんも「現実になる姿が「カラー」で見えているか」たとえています。
ゴールを強く想い日々考え続けることで、実際に成し遂げたいことに手触りが生まれカラー写真のように思い描けるようになります。
逆に、ゴールのイメージがまったく湧かないのにゴール設定していくのは難しいことなのかもしれません。
イメージができていれば、自然とその状態になるように振る舞えるようになります。
例えば、スティーブジョブズのようにプレゼンをできるようになりたいゴール設定した際に、何度も何度もスティーブジョブズがプレゼンする動画を見れば、自分がどのようにプレゼンするのか立ち振る舞いをイメージすることができ、実際にプレゼンする際にイメージを自然と体現できるようになります。
実際に自分ができているイメージするということが重要です。
②③ 現状把握とGapの明確化
現状把握する際は、ゴール設定の際にイメージした姿に対して現状はどうか?と自分に問いかけると現状の自分が見えてきやすいです。
足りていないことに目を向けると同時に今どれくらいできているか?という観点も大事です。
できていないことばかりに目を向けるとできていないイメージが膨れ上がってしまい、モチベーションが低下してしまいます。
ゴールに向かってこれだけできていると自分を褒めてあげることも現状を把握するうえでは重要です。
例えば、受験で○○高校に合格するためには全教科が偏差値55必要とします。
現状、ある受験者は国語だけ偏差値50のため偏差値が5届きません。
国語のどの問題が解けていないか聞いてみると、古文漢文の点数がとれていないことがわかりました。
さらに調べると古文漢文の点数を10点あげることができれば偏差値55に到達することがわかりました。
ここまで来れば行動の選択肢を考える次のステップに進めそうです。
この場面では、古文漢文が不得意と認識しながら、勉強するに至らなかった行動を阻害するものを把握することも重要です。
よくテスト前に部屋の掃除をしたくなってしまうのは、普段掃除するのは苦痛なのですが、テスト勉強の方がもっと苦痛であるためです。
人は苦痛を避けたがる性質と快感を得たがる性質があるため、勉強しなくなることでどのような苦痛を味わうことになるのか、もしくは勉強することでどのような快感が得られるのかを認識する必要があります。
この「苦痛」と「快感」の原理については別の記事で詳細を書きたいと思います。
引き続きGROWモデルの説明をしていきます。
④Gapを埋めるための行動の選択肢を洗い出す
ここまででGapが明確になってきましたので、どのようにしたらGapが埋まるのか行動の選択肢を複数出していきます。
現状把握で具体例として扱ったある受験生の例えで続けて説明したいと思います。
ある受験生は、古文漢文の点数をあと10点上げる必要があります。
古文漢文のどの問題ができていないか調べる必要がありそうです(選択肢1)。
また、できていない問題を勉強するための教材も調べる必要がありそうです(選択肢2)。
調べる際にネット検索するか、使用できる人に聞くかも決められそうです(選択肢3)。
これまで行動に移せなかった理由に対しての対策も考えた方がよさそうです(選択肢4)。
このように行動のリストを作っていきます。
行動の選択肢を出す際の質問を下記に記載しておきます。
⑤優先順位を決め、行動する
④で挙げた行動リストに優先順位と期日を設定します。
ここで最も重要なことは、これをいつまでにやりきると自分で誓う(決断する)ことです。
「明日は良い日になるといいな」と思うことと「明日は今日よりも良いにしよう!」と決断することは明確に差があります。
思っていても変わらないのです。
決断して、自分に誓うことで行動に移し、継続できる確率が上がります。
根性論のように感じますが、言葉により脳をコントロールすることは、行動を起こす上で非常に重要です。
目標を達成するには苦痛を伴うことの方が多いです。
その苦痛をどのように対処し、目標達成のために行動に移せるかが、目標達成する人とできない人の差になってきます。
テスト勉強をしなければならないのに、部屋の掃除をしたくなるといった例も同じです。テスト勉強するのは苦痛なので、勉強の苦痛よりも小さい苦痛の掃除をするわけです。
ここで詳細は説明しませんが、別記事で詳細を書きたいと思います。
⑤のフェーズでは選択肢に優先順位をつけ、実際に行動に移していきます。
下記の質問リストを参考に実際にやってみてください。
まとめ
この記事では、思考の「型」(世界地図)を持つことで、どのように思考すれば良いかGROWモデルを紹介しながら説明してきました。
普段みなさんがなんとなく考えているフローと近しいなと感じたのではないでしょうか。
なんとなく感じていることを明確に意識して思考すると明確に思考の質が変わってきますので、ぜひGROWモデルを意識しながら普段の思考を楽しんでいただければと思います。
この記事がみなさんの参考になっていれば幸いです。
記事に対する質問や疑問、意見などございましたらお気軽にコメントをお願いします。
ありがとうございました。