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2022年11月の記事一覧
書評__贈与のバトンを繋ごう___世界は贈与でできている
著者の近内悠太さんは、教育者•哲学研究者で、本書がデビュー著作。難しい哲学を、分かりやすく万人に理解できるように説き、文章だけで伝える著者の筆力に感服。暖かい気持ちになれます。 誰もがヒーローになれるが、アンサング•ヒーロー(評価されることも褒められることもなく、人知れず社会の災厄を取り除く陰の功労者。 歌われざる英雄)を目指すことが望ましい。 •贈与を与える側は 押し付けない。こっそり与える。 •贈与を与えられる側は想像力を持つ。 (世界が均衡を保っているのは、また、自分が生きていられるのは、誰かから贈与を与えられているからだと) つまり、贈与に大事なのは“想像力“。 自分は“すでに“贈与を受け取っており、贈与のバトンを次へと繋げたいと思った。空気を吸って吐くように、 人知れず、ナチュラルに。 山口周 推しの自分。山口周 や落合陽一の著書が好きな方にはおすすめです。 世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学 (NewsPicksパブリッシング) 作者:近内悠太 発売日:2020年3月13日 ニューズピックス
書評_リーダーシップ_交渉術の教科書__キングダム
今になって初めて『キングダム』を読んだ。評者は、流行り物を敬遠するところがあり、これまで読んでいなかったが、先週から読み始め現在46巻。非常に学びの多い漫画だ。 本作は中華統一の物語である。主人公の信は下僕出身、偶然後の始皇帝こと、政と出会い物語はスタートする。信の夢は大将軍、政の夢は中華の統一。彼らの夢を叶えるストーリーだ。 冒頭で、本作には学びが多いと書いたが、歴史だけでなく、リーダーシップについて学ぶことが非常に多い。 例えば、歩兵は徴兵により集めることが多い、つまり戦いに関しては素人だ。素人同士の戦いでとにかく重要なのは士気である。隊長の一言で、兵は奮い立ち戦況がひっくり返る場面がいくつかある。大将軍である王騎が歩兵の前に現れ、一言いう。 「全軍前進」 大将軍の一言で、歩兵の士気が高まり戦況が変わる。これがリーダーシップか。 他にも、王である政が国を守るために自ら戦に出向くシーン。王が出てくることで、街の老人、女、子供みんなが兵士となる。 もちろん他にも、とにかく戦略で戦をするもの、残虐な行為で相手の士気を下げるもの、色々なタイプの隊長が現れ、非常に勉強になる。 評者も普段部下を持ち仕事をしているが、士気の重要性、また、王と王の交渉術などからは学びになることが多い。作品としてももちろん面白いがリーダーシップ、交渉術として見るのも面白い。 キングダム 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) 作者:原泰久 集英社