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2022年3月の記事一覧
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書評_無駄な買い物をしないための思考プロセス__高卒自衛官が実現した_40代で資産2億円をつくる方法
著者は、高校卒業後に海上自衛隊に入隊した。何故自衛隊を就職先に選んだのかと言えば、衣食住がついてしっかり貯金が出来る。それと、仕事を通して様々な国を訪れたいという想いがあったからだった。 しかし、海上自衛隊の勤務は規則に縛られた環境下に置かれたものだった。確かに貯金も出来るし、海外にも行けたが、自分の時間が全く無い。 こんな生活に何の意味があるのか。 そして、結果的には46歳でアーリーリタイアしたのだが、その時、手元には億を超えた資産があった。 えー? 一体どうやって? と、いう本である。 その答えは、長年培った節約術と投資。 如何に節約するか。つまり無駄な支出を抑えることで、資産を増やす。それに加え、時間の無駄も無くすことでも自然に資産が増えるのだと言う。 本書では、この二つをどうやって実行してきたのかについて、その方法の数々を具体的に詳述するのである。 それらのノウハウを産んだのは、28年間勤務した海上自衛隊での毎日の経験も基になっているところが、これまたユニークだ。 自衛隊で養われた「無駄を省く精神」とは? 時間をお金に換える行動管理術とは? 買い物も、その対象に合わせて決済方法を工夫し、どうやって無駄なくお得に買うか。 また、様々なポイントを貯めることは、支出を減らし、貯金を増やす手助けをしてくれることになる。さて、如何にして1ポイントも漏らさず獲得するか。 今まで何げなく取り逃していたポイントをキッチリ取得する様になることで、お金の使い方だけでなく、時間の使い方も確実に変わっていく。 ポイントの取得制度などを細かく確認する癖をつける。常に情報を的確に理解し、漏れや抜けがない様に確認する姿勢が、その後の投資を行なう際にも生きてくると言うのだ。 読んでみると、その手法のあまりの細かさ、凄まじさにちょっとビックリするくらいだが、たかが1ポイントと思って、獲得の機会を幾つも見逃がしていれば、またそれが月間、年間に換算してみれば、どれほどの利益を損してしまうのかと説明されれば、そりゃナットクするしかない。 「使えるものは徹底的に利用するポイント活用術!」 その考え方は大いに学びべきだろうなぁ。 正直言うと、ここまでの徹底ぶりはちぃっとばかし難しいでしょうが、せめても、1ポイントだったら、まぁ・・・と、簡単に捨てちゃうのは止めにしようではないか。 極限まで無駄を省く節約術。 興味が湧いたら、是非本書を手に取ってみてください。 高卒自衛官が実現した 40代で資産2億円をつくる方法 作者:生方 正 発売日:2018年6月14日 メディア:単行本
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書評_あなたが使っているのは国語_それとも日本語__主語を抹殺した男_評伝三上章_
既成概念に囚われず合理的思考の持ち主である、日本語学者三上章の生涯を綴った本書。著者である金谷氏がカナダの大学で外国語として日本語を教えていた時、日本語に違和感を感じた。そしてそれは三上文法との出会いの始まりであった。 国際交流基金によると2003年外国人の日本語学習者は127カ国で235万6745人だった。学校教育の中で外国語として日本語を学習している者が対象であるので、実際はもっといる。これが2018年になると134カ国で385万1774人になるので、増え方から日本語が脚光を浴びているのがよくわかる。個人的には日本の宝であるアニメや漫画が大きく影響していると感じる。そんな海外での日本語学習者が増加している背景の中、実は日本人が習った日本語が偽りだったと言われたらどう思うだろうか。日本語の常識を覆す三上章の生き方を是非とも日本語を使う世界の人々に読んで欲しい。 三上章は晩年体調を崩して精神的にもおかしくなってしまう。その大きな理由として自分の論文が国語学界から全く相手にされなかった事である。暖簾に腕押し状態で生涯それは報われる事は無かった。SNS発信時代の現在に三上章が生きてるならば、違う人生だったろう。もしかすると義務教育の国語が「日本語」という名前に変わっていたかもしれない。 主語を抹殺した男/評伝三上章 作者:金谷 武洋 講談社