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毎日が運動会!?~日々、全力少年の憂鬱

人生初の運動会。
息子にとってそれは去年だった。幼稚園の生活もようやく慣れた夏休み明け、その練習は突如始まった。運動会が何なのか分からないまま、走ったり踊ったり、楽しいけれど…暑いし、眩しいし、そして何より遊ぶ時間が足りないし、いろいろ覚えることが多くて分からない…。
こんなの嫌だ!!と言わんばかりに幼稚園に行きたくないとごねて、体調を崩したり、時に休んだりしながら、なんとか当日を迎え、ようやっと本番。親子競技の時に「もう帰りたい」と泣きながら抱きついてきたものの、炎天下の中、脱落することなくやり切った。メダルをゲットし上機嫌。運動会自体は楽しいものと認識されたよう。
私自身は運動会、必要?と思っているので、正直、この時期は息子にかかるストレスを考えると憂鬱。けれど、一生懸命、頑張っている息子の姿を見れるのは嬉しい。という矛盾を抱えながらの日々になるので、正直、疲れます。今年はコロナで中止かと思っていたのですが、規模縮小で実施が決定。

というわけで、息子に運動会があることを伝えました。
そして幼稚園の先生にも、彼の様々な特性をお伝えすることに。
まず、暑いのが苦手。眩しいのが苦手。地面の照り返しも眩しく、動けなくなります。おそらく、他の子より倍ぐらい暑かったり眩しかったりするはず。
けれど、走ったり、踊ったりするのは大好き。だから、全力で練習するので、猛烈に疲れてしまう。などなど、少しでも園の生活を快適にと思う親心をよそに
息子は運動会がどんなものか知っているのでどうやら今年は余裕でやる気満々。

そう、息子はこの一年で随分、成長していたのです。
泣かずに、せっせと練習に励む毎日。規模縮小で、覚えることややることが少なくなくなったおかげで負担が減ったのと、暑すぎて、こまめな休憩がマストになったことで息子だけ別に休むとか特別なことをしなくても済んでいるという要因が大きいのですが、
息子にとって幼稚園はお友達と遊ぶ場所。だから、行事や予定で、自分が考えていた遊び時間より短いと、不満なんです。少しでも遊ぶ時間を確保する。これが息子の園生活には欠かせません。
しかし、今年は練習でとられる遊び時間を増やす秘策を彼は自分で思いついたのです。
たまたま朝一で幼稚園に行かなければならない用事があったので、早く行った日の帰り道のことです。明日から早く行く宣言をしたのです。早く行くとお友達がみんな揃う前に遊べる!!と発見したのです。
今は運動会の練習だから、たくさん遊べないね。残念だねと、共感は示していたのですが、幼稚園で遊ぶ時間を多くする方法に関してはお手上げだったので、息子自ら考えられたことは驚きでもあり、しょうがないとあきらめていた自分を猛省。
そんな感じで、今年は順調に進んでいた運動会の練習。

「お母さん、今日、運動会だったんだよ!」とテンション高めで帰ってくる息子。えっ?はっ?なわたし。
「いやいや、今日は練習よ」「違うって、運動会やったんだよ」「全部の練習をしたんだね」「頑張ったよ!」という具合にかみ合わないまま、その話はいつの間にか終了。
次の日はいささか不機嫌そうに「今日も運動会だった…」と一言。翌日は行き渋り。理由を聞くと「運動会が終わったのにまだ運動会がある」

大人は当たり前のように月日や時間の概念を駆使して日々生きています。
けれど、子供はそんなに分かっていません。大人の皆さん、ご存じですか?
子供の明日はどこまでいっても明日のままの時もあります。1時間前だろうが3年前だろうが昨日ということもあります。あと10日と言われても、〇月〇日に運動会があると言われても、実はよく分かってません。
口では昨日とか明日と言っていても、それは大人が言っているからで、本当に理解しているかは子供によってまちまちです。
息子にとって、昨日は今より昔のことです。1時間前だろうが10年前だろうが昨日と言います。そして一日の終わりは眠ることです。眠るから朝が来て次の日が始まる。だから、あと何回寝れば運動会があるのかを伝えておかなければいけませんでした。

とにかく今を生きている息子。目の前のことにいつでも全力投球。手の抜き方を知りません。練習だろうが本番だろうが関係ないのです。特に、本番みたいにやる練習なんてものは、もはや本番。それは頑張ってしまいます。
そう、わたしに運動会だったと報告した彼はその日、やり切ったのです。もう、燃え尽きたのです。なのに、終わらない運動会。どこまで頑張ればいいのか、いつまで運動会なのか、分からない…
息子にとってはその状況が怖かったのでしょう。
終わらない運動会…わたしだって恐怖です。疲れてしまいます。

ごめよ。息子。
いろいろと君のことを知ったつもりでいたのだけれど、今の君の心模様を感じることを忘れていたね。怖かったね。不安だったね。

息子が頑張った運動会は実は練習だったこと、本当の運動会の日はカレンダーを見ながら、日にちを数えて、あと何回寝るか数えて、納得してもらい、翌日、先生にも報告。みんなで運動会までどれくらいか数えてもらい、「練習」ということも強調してもらうことに。

運動会までどれくらいか分かればあとは練習を頑張るのみです。
いつもより少し速く走れたことなど話してくれたり、年長さんのダンスまで覚えて家で披露してくれたりと、最近は調子よく練習に集中できているようです。

運動会がいつかときくと「あと○回寝たらだよ」と返ってきます。
全力少年の終わらない運動会の呪いは解けたようです。

運動会は今月末。

運動会、好きな人も嫌いな人も、理由はみんなそれぞれで、できることもそれぞれ。
好きならたくさん頑張ればいい。
どうしても嫌なら無理しなくてもいい。
休むという選択をする勇気もメダルもの。

頑張るあなたへエールよ届け!

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羊
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