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【研究クラウドファンディング】京都大学研究生、原さんへインタビュー「お金よりもかけがえのない仲間」

みなさんこんにちは!じんぺーです。

今日は、度々お伝えしている研究クラウドファンディングに関するインタビュー記事です。研究クラウドファンディングとは、academistと呼ばれるプラットフォーム上で行われている(その名の通りですが)研究資金を獲得するためのクラウドファンディングのことです。

これまで、2名のacademistに挑戦している大学院生へインタビューを行ってきました。

実は、その後、ぼく自身もacademistに挑戦することになったのですが、やはりやってみて、そのおもしろさに気づくことが多く、もっと多くの人に知って頂けたらと思っていました。

ミミズ研究者?京都大学原さんへのインタビュー

そんなわけで、第3回目の今回は、一緒にacademistクラファンに取り組む原さんへのインタビュー記事となります。

「ミミズ学徒」という気になる言葉が…

原さんは、理系・文系問わず、様々な手法を組み合わせつつ「ミミズ」の研究をしておられる方です。なぜミミズ?と思われる方は原さんのクラウドファンディングページを覗いて欲しいのですが、少し抜粋すると、

お腹を満たす食材も、心安らぐ景観も、生物多様性が高いからこそ得られる生態系サービスのひとつです。生物多様性の高さは、私たちだけではなく、生きものたちが生きていくために必要なものです。そこで、私はミミズの素晴らしさに気づき感動しました。

とのことなのです。自然界で、多様性の鑑的な存在であり、世界中にあまねく広がっているだけでなく、紀元前の哲学者から現代のポケモンまで愛され続けているミミズに、豊かな暮らしのヒントがあると、ぼくは、そういう風に解釈しています(そして、納得しています!)。

ぜひ、気になった方は、支援も検討してくださいね!
では、原さんへのインタビューに行ってみよ!

↑こちらから当日のアーカイブも聴けます!

Q1 研究生って?

じんぺー(以下じん):研究内容の話ではないですが、原さんの今のお立場って「研究生」ということですよね。これってどういうお立場になるんですか?

はら:まず、今は、大学院で師事したい教員と研究活動の準備をするという名目で、学生という甘い蜜を吸っている状況です笑 京都大学というネームを借りつつ、取らないといけない授業や縛りもなく、いい立場だなあと思っています。80年続けたいくらい笑 ただ、代償として、学位が取れないというのがあるので、春から正規に大学院に入ることになりました。

じん:おお、それはおめでとうございます!

Q2 若手研究者のお金事情を教えてください!

じん:早速生々しいお話ですが、若手研究者のお金事情について聞いていきたいです。主な収入源、支出、研究費など、差し支えない範囲で教えて頂けますか?

はら:大前提として、多くの大学院生、そして研究生がお金に困っていると思います。バイトをしたり、奨学金を借りたり…ただ、私個人としては、例外的に、そんなに困っていないかなあと思います。実家が太いのが強い。ただ、今後、在野で研究したいと思っているので、マネジメントしていくことを考えると、何も収益がない状態でやっていくのは得策ではないと思っています。

じん:収入はどこから得ていますか?

はら:安定収入と呼んでいいかは分からないけど笑、このクラウドファンディングがあるのと、有給のインターンを行っています。あとは、定期的に入ってくるものではないですが、たまにどかっと入ってくるものとして、研究ピッチコンテストとか、講演会、ラジオ出演などがあります。クラファンをして1番大きい収入源が実はここで、クラファン後に知ってもらった方からゲスト出演などの依頼が来るようになりました!

じん:ええ、それめちゃくちゃすごいですね!

Q3 なぜクラウドファンディングに挑戦しようと思ったのですか?

じん:次の質問ですが、なぜクラウドファンディングに挑戦しようと思ったかについて、経済的理由を分厚めにお話して頂けますか?

はら:めっちゃ申し訳ないのですが、経済的理由ゼロなんですよね…笑

じん:ええ、そうなんですね!?

はら:クラウドファンディングを1つ挑戦にしたいと思っています。少し生々しい話になるのですが、私、実は学部2年の時に、研究費を引っ張ってきたことがあるんですよ。先生方が取っているような感じで、です。

じん:すごい…

はら:で、やっていて、これがすごくしんどかったんですよ。何が楽しくて、自分の研究の「社会的意義」とか「学術的意義」を書かないといけないんだと。共同研究も大変だし、使用用途も限られているし……というのがあり、これだったらクラファンの方がいいじゃないか!となったわけです。あとは、academistの運営の方と繋がりがきっかけとなって、始めることになりましたね。

じん:はじめる前から運営の方と繋がっていたんですね?

はら:私は、「クラウドファンディング」という仕組みがすごく好きで、いろいろなものに支援してきました。academistのプラットフォーム上でいくつか支援をしたことがあり、その繋がりで声を掛けてもらったところがあります。

Q4 支援してくれる人はどんな人たちですか?

じん:それで実際にクラウドファンディングを今行っているわけですが、支援してくださるのはどんな方々ですか?

はら:顔が見える人が7~8割で、見えない人が2~3割という感じです。ただ、顔が見えない2~3割の人たちを知らないというわけではなくて、Twitterとかでよく絡んでくださる人達なんですよね。古くからの繋がりで支援してもらっているというよりも今も交流のある人たちからの支援がほとんどです。全然知りません、という人は、1人いるかいないかです。

じん:直接お願いに回ったりしましたか?

はら:めちゃくちゃやっています。1000人は確実に声を掛けていると思います。が、それが支援に繋がったのは、1人か2人です……ほとんどの人が既読・未読無視で、その他が「がんばっているね~」という感じです。支援は難しくても、情報拡散して欲しいとお願いしてもそれをやってくれたのが、10人にも満たなかったです。とてもしょげました…逆に今支援してくださっている人たちは、自発的に支援してくださった人たちですね。だからこそ、この人たちが「かけがえのない仲間」って言えるんですよね。

じん:この比率は心折れますね…原さんの周りの方が、あまり「クラウドファンディング」というものになじみがなかったのでしょうか?

はら:それは間違いなくあると思いますね。例えば、自分の家族は現金主義で、クレジットカードという言葉だけでシャットアウトされたりします笑 あとは、私が、「研究者」というよりも「ミミズだったらなんでもやります」と言って活動しているので、研究という小難しいものを避けている人がけっこういそうです。

Q5 クラウドファンディングをリリースしてから変わったことはありますか?

じん:クラファンはじめて、3、4か月経つと思うのですが、何か変わったことはありますか?

はら:これ、2つ言う予定だったんですけど、1つは既に言っちゃってました。「かけがえのない仲間(チーム)」ってやつです。もう1つは、これまでほんっとうに色んな人たちに支えられてきたんだなということを実感できたことです。今まで、自分ができていなかったことをフォローしてくださる方がたくさん居たんだと。クラウドファンディングって、自分と支援してくださる人(かもしれない人)しか居ないじゃないですか。間に誰もいない。いなくなって初めて、間で調整してくれていた人の存在を感じました。そんな人への感謝の気持ちがあります。

じん:素敵なお話…

Q6 お金に困っているような学生に伝えたいことはありますか?

じん:最後に、お金に困っている学生に何か伝えたいことはありますか?

はら:ここで助成金やクラファンなどの金策を言うことは簡単なのですが、たぶんそういうことは、vol. 1とvol. 2の記事でも多く触れられていたと思うんですよ。でも、私が伝えたいのは、そういう具体的な手段ではなくて、心持ちの方です。私は、お金にはそこまで困っていなかったかもしれないけど、対人関係や勉強そのものが苦手だったりしました。逆にお金に困っているけど、そういうのが得意な人もいる。

じん:うんうん。

はら:そういう凸凹ってたくさんあると思うんです。お金がないっていうのもその凹のうちの1つだと思うので、そこで投げ出さずに、自分で何かを掴み取りに行って欲しいなと思います。この櫃割さんのnoteにたどり着くのもその1つかもしれません。「お前が京大なんて」と言われたこともありましたが、今こうやって、研究を積み重ねて来れたのも諦めずにやってきたからだと、思っています。だから、(これを読んでいるくらいだから大丈夫と思うけど)諦めずに頑張って欲しいなというのが1番伝えたいですね!

じん:説得力がえぐいです…原さん、ありがとうございました!

おわりに

今回は、一緒にacademistクラウドファンディングに挑戦している原さんへのインタビューをお届けしました。少し経済的なヒント、といういつものテイストとは違うかもしれませんが、全学生に伝えたいメッセージがたしかにそこにはありました。

そんな原さんのクラウドファンディングはまだまだ始まったところですので、ぜひ支援をよろしくお願いします!

また、来週2023年2月27日(月)には、原さんもぼくも登壇するacademistのイベントがありますので、ぜひご参加を頂ければと思います。研究やクラウドファンディングについて、もっと知って頂けると思います!

東京近くの大学院生、研究者の方はぜひ会場へ、それ以外の方は、オンラインへお願いします~!それでは!

このnoteではこの記事のように、お金がないながら、学ぶ続けるためにじんぺーが考え抜いた数々の方法をご紹介していきます。
より多くの学生に手触り感のある生活術と希望をお届けできたらと思っておりますので、ぜひフォローをよろしくお願いします!

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