見出し画像

読書メモ 2024/10/31『ルドン 私自身へ』

“裸の女が、すぐ服を着るだろうという感じに描く画家は、知性の画家とはいえない。 
 知性的な画家は、見る人の心が安まるような裸婦を描く。裸でいることをかくそうともせず、そのままで、恥じらいもなく、エデンの園にいるように描くからである。
(中略)
 ところがマネの「草の上の食事」の中にいる裸婦は、しめった草の上に裸で坐る気持悪さを味わった後で、急いで服を着直す女だ。理想とは縁のない紳士たちがしゃべっているのに囲まれて。何をしゃべっているのか。品のない話にきまっている。”

『ルドン 私自身に』池辺一郎訳 みすず書房,  p.116より抜粋

 眠れなくて、図書館で借りてきたルドンのエッセイ集を読んでたら笑ってしまったのでここにメモ。

これは国立近代美術館で見た有元利夫《室内楽》の裸婦。大好きな絵。見入ってしまった。



 ルドンは先日国立西洋美術館で見た白黒の絵も良かったけれど、松本市美術館で見た(鹿児島市立美術館から貸し出されてた)《オフィーリア》が今まで見た中では一番好きだ。夢でしか見られないはずの色彩をそのままキャンバスに再現したような、生きた夢を額縁越しに覗き込んでいるような、とにかく綺麗な色の絵だった。

 ルドンの白黒じゃない絵をもっと見たいな…と思って今、検索してみたら、ちょうど展覧会やってるようだけど岐阜か。遠いなあ…。

(トップ画像は先日食べたおやつ。)