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「渇きの果てに」 神田 裕

荒野。何もない荒野。
もうずいぶん彷徨っている。
水が欲しい。とにかく水が欲しい。
そこにあるのは、ひからびた本が一冊。
なんで、こんなとこにに落ちてるんだ?
こんなもん、クソの役にも立たない。
水をくれ。
でもそれを拾い、読んでみる。
頭はその文章を飲むのか??
渇きは癒されない。ますます渇く。
どこにあるんだ、街は。この本のあった街は。
あてどもなく歩く。
人が恋しい。人に会いたい。
そして、水をたらふく飲み、飯を腹いっぱい食うんだ!

街だ!街を探せ!
本を読むために生きるんだ。
街があれば、本をたらふく読める。
本のある街へ行こう。

しかし、たどりついたその街に本はあるのか?

渇きの果てに、本を飲むように読みたい。


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