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FF16をプレイし終えての感想と「ファイナルファンタジーらしさ」とは何か

はじめに

先日発売されたFF16。
プレイし終えたので感想を書いていこうと思う。
いい所もあれば悪い所もあるのでそのそれぞれを書く事にします。クリア済みなのでネタバレ記述有。その点ご了承ください。サブクエは全て消化済。

とその前にタイトルにもある内容について触れておきたい。


■「ファイナルファンタジーらしさ」とは何か

そんなもん個人によって思うものは違うでしょって話でごもっともなのだが、FF16は批判コメントやネガキャンも多い。その中で散見されるのが
「FFらしくない」
というもの。じゃあそれって何なのよ、というお話。

個人的には「ファイナルファンタジーらしさ」とは
1…クリスタルを軸にした世界観
2…召喚獣が出てくる
3…人間ドラマに重点を置いたストーリー
4…その時の技術の粋を集めたスクエニの美麗CG
この4つだと思っています。
3、4に関してはまぁ他のゲーム会社さんもやってとは思うけど、端的にFFって何?と言われると「クリスタルと召喚獣が出てくるゲーム」が個人的な定義になる。逆にそこさえ守っていればFFを名乗ってもいいんじゃない?ぐらいのゆるい定義。

たまーにATBじゃないなんて…という声も見受けられるけど、流石にFF13-2でさえ発売日は2011年で今もう2023年にそれはきついと思うし、逆に「このご時世に前時代的な古臭いシステムを採用するスクエニはナンセンスだHAHAHA」と海外メディアから叩かれそうである。

もちろんATBが悪いという訳ではなく「完全新作・最新のFF」には合わないんじゃないかという考え。ピクセルリマスターとかHD-2Dの新作であるならFF16のようなアクションではなくATBのほうがよりマッチすると思う。

これは普段から他の海外ゲや最近のゲームをしているかどうかでも捉え方は変わりそうだし、本当に人によって定義も違うので実際にプレイしてみた上で「こんなんFFちゃうわ~ついていけんわ~」となるならそれはそれで仕方ないかなという気もする。以前のものとは色々大きく変わっているのも事実だし。ただプレイしてみると歴代FFプレイヤーならニヤッとするような要素もあるので、そういう人こそ食わず嫌いではなくプレイしてほしい作品。

■FF16の良かった点

・やっぱり綺麗なグラフィック

全般的にやっぱり綺麗だし、ドミナントが力を引き出して目の色が変わって髪が光るところとかかっこいいしテンションあがる。風景とかも綺麗でこれ全編リアルタイムレンダってすげーなの一言。もうこれは流石スクエニ様でございますという感じ。あと個人的にフォントのバランスが良い。筑紫アンティーク大好き。

光の出し方が大変綺麗

・アクティブタイムロアがとても便利

こういった国と国の争い、戦争や領土系のお話って誰がどこの国だっけ?こいつ何だっけ?みたいなのに陥りがちなんですけど(プレイ期間を空けると尚更)その解説をいつでも見られる(ムービー中でも)この機能がむちゃくちゃ便利で助かった。あーこいつね、と思いだした上でストーリーを進められるので納得感がしっかり出る。しかも更新したらマークがつく。世界観の理解を深めるのに大変役に立った。
ゲーム全部は難しくてもスクエニのRPG全部に採用してもいいと思うぐらい。個人的には神機能。

・全体的に親切丁寧な設計

前述のアクティブタイムロアの項目にも書いたけど、ショップ等も更新されたら通知が出たりマークがついて「新しくなったよ」と教えてくれるのは大変便利。あとは事あるごとにtips出てきて「覚えておくと便利。」と教えてくれる。最近のゲームって割と投げっぱなしなものも多いので余計に親切に感じた。
クエストの行先に関してもここに向かえ、というのがわかりやすくて良い。そのまま直進したらなんだよ遠回りしないと行けないのかよ!という点が多かったのはちょっとストレスだったけども…(ミニマップ欲しかったな…)

・世界観や人物の想いを掘り下げるサブクエ

世界観や背景を知る為のもの、と割り切ってみればとても良い。あぁこのベアラー刻印はこういう仕組みなのね、とかこの人はこういう過去があって今協力してくれてるのね、とか。メインで説明するタイミングはないけどより知りたいという人に向けての内容なので個人的には楽しめた。

ただ報酬で特に良いものがなかったり基本お使い単発といった感じだから、強い武器がもらえたりちょっとした短編ストーリーぐらいある連続クエストのボリューム!みたいなものを想像するとしょっぼ!となると思う。
ただ、結局はクライヴを取り巻く思念に関わってくるので世界観や心情を掘り下げるサブクエはやるととても思い入れが強くなったので◎。

トルガルちゃんかわいいね…

・大げさに盛り上げる音楽

褒めてるよ!
これでもかってぐらい大げさに盛り上がれーーー!て感じでテンションあげてくる。14のオケコンやらで「あーユーザーってこういうのが好きなのね」と理解したのかはわからないけど、大変良い。ガチャガチャとロックっぽい感じを混ぜなかったのも14と区別している感じがあって良かった。

・バグの少なさ

普通に進めてる限りこれといったバグに遭遇しない。どこかにひっかかって抜けられなくなったり、敵が無敵判定になって倒せなくなったりとかもない。
なんならフーゴ・クプカが増殖する、とか村のある地点で全裸のNPCがポップするなんていうバグのひとつでもあれば面白かったのだけどそういったものもなくてちょっと残念ではある。

・クライヴのキャラクリ

年を重ねるにつれてどんどんはちきれそうに成長していくデカパイの話ではない(いいよね……)
まず表情がいい。くしゃくしゃになったりとても優しい目をしたり。ほんと感情豊かで見入ってしまう。それに加え青年~担当声優の内田夕夜さんの演技。こども達と話しているときは本当に優しいトーンになったり、悲しい時や怒りをあらわにしている時など、表情と相まってクライヴという人物の真っ直ぐさや感情的な面が凄く伝わってくる。
歴代のFF主人公ポジってすかした仏頂面か、俺ってバカだからわかんねぇけどさぁ…みたいなお調子者が多い印象あるので、こういう泥臭い人情味のある主人公は大変良かった。

なんだよこの優しい目…

■FF16の良くなかった・ひっかかる点

・ストーリーで人が死に過ぎる

FF2オマージュかァ?と思うぐらいクライヴに関わる人間がバンバン死んでいく。テーマが「誰もが人として死ねる場所」「人が人として生きていける世界」だし割とあっさり人が死んじゃう世界観なのでリアルっちゃリアル。ただそういうビターなのが好きな人には大好物なんだろうけど、ここまで死なせる必要ある?というのが正直な所。

ドミナント達は仕方ないにしても、テオドールとか別にアカシアにまでする必要なかったじゃん…何か他の方法ででも姉弟それぞれの想いを知るぐらいでいいんじゃないのと思う(テオドールとのサブクエでSSいっぱい撮ったろ!と思ったら急に帰らぬ人になってしまって放心した人)

おかげでガブが出てくるたびに「おいやめろ、そんな死亡フラグ立ててどっかいくな」と思いながら気が気じゃなかったし、叔父さんとかもあれこれ死ぬな?みたいな見方になってしまった部分がある。なんならアルテマの拠点強襲で全員関係者死んでその思念を紡いで最後クライヴひとりで敵に立ち向かうんじゃね?と思ってたぐらい。

私も気合い入れて写真撮ろうと思ってました

・移動のストレス

まず街でのジャンプの低さ。外だともうちょっとジャンプできるじゃん、なんで階段の手すりも超えてくれないのよ。。
フィールドでも多少の段差は上り下りできるけど少し高めになると止まってしまう。この水辺渡ったらすぐそこ~て感じなのに渡れなくて回り道。
こういった点が小さなストレスとして常につきまとった。

流石にクソ高い所から足踏み外して「YOU DIED(ドゥーン)」みたいなクライヴは見たくないけど…オープンワールドとまではいかなくても、もう少し行ける場所の自由度があっても楽しかったよなぁという感想。

あとクライヴの拠点の各場所へのアクセスの悪さ。ひえーサブクエが植物園のところに出たァ…これはミドの工房の…上????みたいな事が多々ある。まぁ隠れ家なんだからそんな便利なわけはないんだけども…

・発売前のメディアへの見せ方、宣伝

体験版が出る前に色々と動画が出てきたわけだけど、まぁ画面が暗かった訳で。もちろん動画にしたら余計そう見えるというのは仕方ないし、序盤で見せられる場所と言えばあのフェニックスゲートらへんのシーンだから仕方ないんだけど、もっと明るい場所もいっぱいあるのにここかぁ…となったのは事実。
まぁ逆に体験版が出て、プレイしてみたら案外そこまで暗くないと払拭できたのは良かったけど、体験版まで辿り着かなかった人はずっと画面が暗いゲームという認識を持ってしまった点は残念ポイント。

あとリクイドフレイム戦での回避ーモション動画。今となっては回避アクセを使っているからああなるってわかるけど、まぁその説明もないままずっとズサーと見せられるわけですよ。流石に買うつもりでいた自分も「これマ?」となってちょっと発売日に買うのを躊躇ったレベル。
とはいえこれはスクエニが出したものではなくてあのIGNJだからまぁお察しなんだけど大々的にまとめブログに取り上げられちゃうとね…

これにより「PVはよかったけど、実機ダメそうですね…」みたいな流れができてしまった部分はあるんじゃないかなと。実際にプレイしたらそうでもないとわかるんだけど、こういうのって事前チェックとかで止められないもんなんですかね…

・FF14プレイヤーへのファンサ

まず、自分はFF14プレイヤーである。今回のFF16にはFF14プレイヤーがニヤっとする小ネタが散りばめられている。ロウェナ商会やエッダというNPC、タイタン戦のBGM…とぱっと思いつくだけでもいくつか出てくる。
もちろんこれは開発からFF14プレイヤーへのファンサなんだろうけど、これって良い方向に転んでるのかな?というのが気になった点。

なんというか「個人でやってる飯屋や服屋でいい感じの店っぽいけど、店の前で店員と常連がずっとダベってる」みたいな空気になってないかなという。FF14アイコンの人たちがファンサネタでキャッキャしているのって今だとツイッター(もといX)のおすすめタブとかで流れてきたりするわけで、それを見た人が「あぁなんだFF14やってないと楽しめないネタなのね」みたいな感じを持たないかな?という風に感じた。
そんな心配もなく、そのネタをみた14プレイヤーが16を手に取るきっかけになる、みたいなポジティブな流れになっていれば良いけれど。

もちろん「ミスリル装備」「次元の狭間」「エンタープライズ」をはじめアルテマが「タイタン」を「ハイパ」と呼ぶFF3オマージュとか過去FFをプレイした人がニヤリとなる要素を盛り込むのはとても良いし、その延長線上ではあるんだけど現役でプレイしている人口が多い+FF14に関わるメンバーが数多く制作に携わっていると内輪ノリみたいに見えたりもするので、個人的には気になった点として挙げておきたい。

キマイラの氷結内側・雷外周みたいな14プレイヤーにはお馴染みのアレ

・サブクエの出るタイミング

世界の形が変わるなど街の人たちの心境の変化が訪れるタイミングでサブクエの追加がされるんだな、という感じなのだけれど最終章オリジンの前にアルテマを追い詰めるぞ…!という状況の中でむちゃくちゃいっぱいサブクエが出てくる。

もちろん内容としては隠れ家やマダムなどクライヴに協力してくれた人たちの想いや繋がりを感じさせるものなので良いものなのだけど、これこのタイミングで一気に出すか?というが本音。
マダムや石の剣のものはもっと前でも良いだろうし、ヴィヴィアンの「外間の書契」の内容はもう少し前に判明しても良かったんじゃなかろうか。アカシアの群れが増えてきているのはその前からだし。
隠れ家メンツの「最後の戦いの前だから~」みたいなもの以外は分散してても良かったかなという感想。

■エンディングの考察

ラスボス・エンディングについても色々言われているけどパンチはいいとして999999の数字は要らなかったんじゃないかな…あとは特にこれといった不満もなし。

・完全蘇生魔法レイズを使用してクライヴ左手石化、生存?
→これまでガンガン魔法使ってきて石化の兆候すらなかったけど(まずこれが異常。つよい)流石にアルテマの力の影響で左手が石化。
ジュシュアとか体半分ぐらい石化して動いてるんだから左手だけで死ぬとは考えづらい。教会で石化して死んでたベアラーは顔まで灰色だったはず。
ジョシュアもレイズで復活かな。

・ジョシュア名義のファイナルファンタジーの著者
これもクライヴが書いたんじゃないかなーと。ハルポクラテスから物書きになって欲しいとペンを託されてるというのがひとつ。クライヴ=シドという大罪人の名前で出せるものでもないのでいわゆる偽名なんじゃないかと。とはいえジョシュアも語り部として~と爺に言われているので案外連名なのかもしれない。

なので自分は兄弟共に生存派です。
てかミスリルとかアルテマとか過去FFオマージュしてんだからどっかに金の針とか落ちてないんか?ロウェナ商会さん?

■総括

・ファイナルファンタジーとしてよくできている

大作ということで、よくエルデンリングやティアキンと比べられるけれどそれと比べると「ゲームをしている感」は少ない。
エルデンリングは死にゲーだしほんとどこでも行けるし縛りプレイもできる。配信を見ていてもうっかり死やナイスプレイなど自分でプレイしたものとはまた別の景色やドラマがある(配信見るの楽しかった)

ティアキンもまた自分で出来ることが多い。
ゾナウギアで色んなものをクリエイトできるし、「こんな無駄な装置つくる労力www」て感じで見ていても面白い。
実際のプレイモショートカットしようとして登山したり別ルート行ったり、答えが1つじゃないので見てもプレイしても楽しい。

ではFF16はどうか。
残念ながら上記の2つのゲームと比べると1本道でありバトルでのスキル選びぐらいしか自由度もない。ムービーを見ている時間も長く、配信で見てしまうと満足してしまうかもしれない。そういう点では「最新のゲーム体験を楽しみたいプレイヤー」には物足りなく感じてしまうかもしれない。サブクエ消化しないとかだと尚更、世界観の理解もだけどボリューム不足に感じるだろう。

ただ「ファイナルファンタジーの新作を待っていた層」にとっては十分楽しめるものになっているんじゃないかなと感じた。事実自分は楽しめて、こうしてわざわざ長文を書くに至っている訳で。
もちろん、手放しで100点ではないけれどこのクオリティでゲームをしっかり作っていってくれるのであればスクエニにはまだまだ期待できるかなと。
FF16、遊べて良かったです。

-余談-

もしもDLC出すならこの後の話というより、他のドミナントでプレイできる「違う動きを楽しめる」ものが欲しいなー(ディオンとか)
あとは名前だけ出てたリヴァイアサン。案外「黒にまみれた世界を浄化する母なる海の力」とかで敵にも味方にもできる気はするけれど…

・追記(2023/08/03)

サブクエを全部やるようなお人よししか見つけられない宝=クライヴ生存フラグみたいなの見てなるほどなーと。確かにサブクエやってる人とそうでない人とでエンディングの解釈は分かれそう。問題はその言葉が出るミドの「果てなき夢」もサブクエってことなんだけど…


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