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書を読んで、旅へ出よう #3

こんにちは。
ひるねこBOOKSの小張です。

梅雨が明け、いきなり夏本番という感じの暑さですね。
コロナ禍にも関わらずなぜかオリンピックが開催される事もあり、
皆さんも例年より家で過ごす時間が増えるのではないでしょうか。

ハイキングの代わりに積読の高い山に挑むも良し、
海や川ではなく新たな本の世界へ泳ぎ出すのも良しです。


前回は北欧を知るためのオススメ本を紹介しました。
今月は「北欧篇パート2」としまして、北欧に暮らす人々の考えや内面に迫るような本を取り上げてみました。ぜひご一読ください。

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☆『フィンランドの幸せメソッド SISU(シス)』(方丈社)

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「シス」とは、フィンランドの人々のあいだに古くから受け継がれる特別な精神力、いわば「フィンランド魂」のこと。

厳しい状況で発揮されるしなやかな精神性、困難に立ち向かう勇敢さ、忍耐などを指します。そんな「折れない心」は、日々の健やかな心身に宿るとされています。

フィンランド生まれのライター・編集者である著者は、カナダで育ち、そこでキャリアを積みました。
順調な仕事、満足のいく生活、社交界での華やかな出来事。
何不自由の無い日々を送っていたはずの彼女は、実は常に不安に苛まれていました。
痩せたい、キレイになりたい、お金持ちになりたいー。

うつ病と診断されたことに動揺し、失恋や愛する人の死、さらにはひどい食生活や運動不足などもあいまって、彼女はボロボロの状態になっていました。

ある時、自分のルーツであるフィンランドで暮らし、働くことを思いつきます。
ぴったりの仕事を見つけ、移り住んだ北欧の国。
そこで生活するうちに、彼女は「シス」の概念に出会い、自分を取り戻していきました。

「どこで暮らし、どう生きていようと、誰しもが日々の中で困難に直面します。そんな時、あと少しの勇気、強い心があれば、私たちはもっとしなやかに、人生を生きていけるのではないでしょうか」

本書では、サウナ・アイススイミング・森林浴、シンプルなエクササイズ・食事法・暮らし方などを通じて、「シス」を育む実践的方法を紹介。

「心と身体を強くする」シンプルメソッド。
それは一体どのようなものなのでしょうか。


☆『マッティは今日も憂鬱』(方丈社)

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上記と同じく柳澤はるかさんの翻訳で、こちらは少し変わりダネ。

マッティは典型的なフィンランド人。
静けさと平穏、そしてパーソナル・スペースをなにより大切にしています。

シャイで人見知りなフィンランド人は、どこか日本人と似ています。
でもそんなステレオタイプで語られることも、もしかしたら憂鬱なのかも?

試食したい。だけど店員さんと会話したくない。
さっき会ったご近所さんとまた会う。
バスの座席で隣に座った人が話しかけてくる。

思わず「あるある」と頷いてしまう場面が続きます。

同シリーズの『マッティ、旅に出る。やっぱり今日も憂鬱』、『フィンランドの不思議なことわざ』も人気です。


☆『デンマーク幸福研究所が教える「幸せ」の定義』(晶文社)

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フィンランドと並び、「世界一幸せな国」常連のデンマーク。
日本でも数年前に「ヒュッゲ」という言葉が流行ったので、耳にした方も多いかもしれませんね。

主観に過ぎない「幸福」を、どうやったら測れるのでしょうか?
遺伝子や年齢は幸福度に影響するのでしょうか?

著者は、「幸福研究所」という名のシンクタンクのCEO。

・『ヒュッゲ 365日「シンプルな幸せ」のつくり方』
・『リュッケ 人生を豊かにする「6つの宝物」』
などの著書が相次いでベストセラーになるなど、「デンマーク=幸せの国」を支える第一人者とも言えます。
そんな彼が、哲学や生物学、社会学などの様々な観点から、その「幸福」の仕組みを解き明かします。

「ヒュッゲ」とはまた違ったアプローチで、より具体的に迫った1冊。

「幸せ」って、何でしょう?


☆『北欧の幸せな社会のつくり方』(かもがわ出版)

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北欧各国の選挙は、まるでお祭りのよう。

候補者がコーヒー片手に市民と語り合うのは普通のこと(コーヒーさえ用意できない政党は「勝つ気がない」と言われるほど)。
「有権者」ではない小さな子どもも、はたまた他党の支持者であっても、皆ごく自然に選挙スタンドに立ち寄り、おしゃべりをしたり、お茶を飲んでいきます。

カラフルな選挙グッズが配られるかと思えば、スタッフは皆にこにこと笑顔で、市長は気さくにチェスをする。
大学キャンパスの選挙活動も盛り上がり、投票所となる学校にはカフェが開かれる。

「政治」や「政治家」といった存在が、私たちには考えられないほど身近なところにある北欧各国。

「自分の一票が確かに社会を変える」という意識を多くの国民が持っています。

だからこそ当然のこととして若者がデモを行い、声を上げる。
それが未来へ繋がると信じているからです。

「世界幸福度ランキング」で常に上位を占める北欧勢。
それは自分たちの力で社会を作り上げていること、その実感があるからに他なりません。

コロナ禍において、あらゆる問題が明るみに出た日本。
ここから学べることが数多くありそうです。


ひるねこトラベル、今回はここまで。
次回はどこに旅しましょうか。

暑い日々が続きますので、体調を崩さないようにお気をつけ下さいね。


この記事を書いた人
小張隆(書店店主)
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