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[日米トップ選挙を見ていて思うこと]Japan is far better than the US !  ディベートごっこはもう止めよう!


日米同時進行のトップ選挙、具体的には自民党総裁選挙と米国大統領選挙を興味深くモニタリングしています。

私を含め、多くの方が持っているであろう印象として、「政治小国日本の政治は薄っぺらく、超大国米国の政治は重厚」があるかと思います。しかし、今回の総裁選と大統領選を見ている限り、印象は真逆です。

世界の憂鬱:トランプ大統領候補という存在

米大統領選は片側がトランプ氏と言う、言葉を選ばず言うと「変人」であるため、やむを得ない面がありますが、さる9月10日(日本時間11日)に行われた討論会はお粗末な罵り合いでした。何とかトランプ氏には今回を最後に去ってもらいたいものです。『トランプ大統領』は世界の悲劇以外の何物でもありません。

対するハリス氏がどれほどの人物なのか、トランプ氏との罵り合いからは読み取れませんでした。ある人に言わせると、ハリス氏の最大の売りは「トランプではないこと」とのこと。何とも凄い皮肉ですが、見事に真実を言い当てています。

悪夢のような選挙を通して、何とか女性初のハリス大統領が就任し、ひと時でも世界が希望に包まれることを願ってやみません。

ちなみに、さる9月10日の討論会はハリス氏が優勢だったと言われていますが、討論会前後の支持率はほとんど変動していません。ハリス陣営の成果は「ハリス氏が(バイデン氏と違って)失望を招かなかった」程度だったようです。討論会の内容が「罵り合い」でしたから、そこで優位に立ったところで、支持を伸ばすことには繋がらないのだと解釈できます。

2016年大統領選で、世論調査に反して、トランプ氏が勝利したように、米国大統領選の結果を予想することは非常に困難であるとのことです(参考:BBC)。従って、引き続き状況を注視してゆくことになります。

自民党総裁選:人材の厚みに驚き!

一方、自民党総裁選においては、これまでの出馬会見・制作発表会に加え、9月12日から本格的な論戦が始まっています。9人もの候補が立候補していることもあり、非常に興味深く観ています。

また、9人もの候補がいると誰がどんな考えなのか1候補約1時間~2時間もの記者会見を注視するのも大変なのですが、そこはchatGPTやclaudeといった便利なAIツールで要約文を作成し、短時間で各候補の考え方を把握できることができ、まさにAI革命を実感しています。

そこで驚いているのが、今回の総裁候補に期待をはるかに超える優れた人材が含まれていることです。もちろん、疑問を感じさせる候補も含まれておりますが、まずは素晴らしいと私が感銘する候補について一人、茂木候補について触れたいと思います。特に参考にしている動画「FNN討論会」を下に貼っておきます。

リーダーシップが光る茂木敏充候補

下に示した討論会の15:40のタイミングで、茂木候補は自分の政策「増税ゼロ」について、高市候補に意見を求めています。茂木候補が高市候補を選んだのは、高市候補が「増税ゼロ」政策に賛同すると読んだためと思われます。そうすることで、討論会の場で対立を浮き彫りにする場ではなく、仲間を作る場として利用しているものと私は解釈しました。

マスメディアは鋭い対立を際立たせ、視聴者の関心や感情を煽ろうとします。しかし、候補者らにとって、総裁選が終われば、同じ仲間同士であり、必要性が無い限り、ギスギスした雰囲気はで総裁選を進めるのは得策ではありません。

むしろ「増税ゼロ」案に対して批判的である可能性の有る候補をあらかじめ、けん制、「増税ゼロ」批判を封じ、誰が総裁になっても「増税ゼロ」が活かされる流れを作れば、茂木氏の立場は悪いものにはならないはずです。また、「増税ゼロ」はデフレ脱却への追い風にもなるわけで、ファインプレーです。

また度々議論を耳にする女系天皇のトピックについて、28:00のタイミングで、「悠仁親王殿下までの皇位継承は決まっています。そして悠仁殿下がご結婚される年齢になったときに議論を深めるべき問題だと思っています。」と課題を時系列に整理しています。

むやみに対立や感情を昂らせず、「今、本当に考えなければならない問題・課題」にフォーカスするよう誘導する茂木氏のリーダーシップは並みはずれて、輝きを放っていると思います。

一部候補に見られた感情的な振る舞い

私自身も対立を煽ったり、感情を昂らせたり、と言ったマスメディアの誘導が好きではありませんので、ここでは個人名を伏せて指摘します。とは言え、誰の事を言ってるのかは明らかですが。

ある候補は他候補の発言に対して露骨に不快感を呈していました。その「他候補」側にも配慮不足な面があったのかもしれませんが、日本のトップを決めるこのような場で感情を露わにするのは如何なものか?と強い疑問を持ちました。

昨今、「論破」などと言う言葉が頻繁に使われるようになり、欧米的な「ディベート」ごっこがテレビやネット番組の人気コンテンツになっています。私が経験した会社でももちろん、「協議」や「討議」というものは行われましたが、互いに感情を刺激したりされたりということは絶対に起きませんでした。

何故なら「協議」や「討議」は意見交換の場であり、持ち寄った異なる案を比較検討し、新たな案を創り上げる場であるという認識を共有しているからです。

分断を生まない建設的議論の徹底を!

選択的夫婦別姓についての賛否を問われ、6:55ころ、上川候補は「賛成か反対かという形で世の中を分断するような議論は避けるべきだ」と発言されています。

この上川氏の考え方も茂木氏の考え方と共通し、無駄な対立や感情の昂りは避けることが賢明である、という思想が根底にあると解釈しました。

茂木氏や上川氏、また他の多くの候補者はこのような建設的議論の作法を良くわきまえ、スマートに議論できる資質を備えていることに大いに感銘を受けています。

茂木氏も上川氏も米国で高度な教育を受けておりますので、このような建設的議論の作法こそが本場のディベートなのかもしれないと思っています。


今回の記事は以上です。

補足:
◇ イラストはDALL-E(chat-GPT)を利用し作成しています。

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