ムラサキシジミ
冬木立のたっぷりした枯葉の上
点滅するむらさき色を見つけた
遠目にもはっきりと見える光に
吸い寄せられるように近づくと
日向ぼっこするムラサキシジミ
緩やかなリズムで翅を動かして
閉じれば枯葉にすんと溶け込み
開けば紫水晶のように光り輝く
鬼と炒り豆と太巻きが季節を分けて
名ばかりの春が立った翌日
南岸低気圧が連れてきた雪が
あたり一面を真っ白に染めても
彼はじっと待っているだろう
枯葉の毛布にすっぽりと埋まって
春の暖かな光が森を包み込み
生命の輝きがそこかしこに満ちて
ともにハーモニーを奏でるその時を
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