ご機嫌伺い
まるで酷暑の一週間は間違いでしたというように
戻ってきた梅雨空が水蒸気をたっぷりと溜め込んで
重力に負けた雨粒から順々に地上へと循環させる
慌ててしつらえた日除けの簾は
そのまま雨だれ避けに役目を代えて
数珠つなぎの水滴を遊ばせている
その簾にちょんと止まって
こちらを覗き込むのは庭の常連の山雀
わたしの機嫌を伺いながら
食堂の開店はまだですかと小さく地鳴き
気まぐれで粗野な今年の夏に翻弄されて
野菜もわたしもお疲れ気味の朝だったけど
きみの無邪気さに元気をもらえたよ
ありがとさん
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