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冬蜘蛛の行方
眩しい青空が広がる初冬の昼下り
吾畠で出会った長黄金蜘蛛
どこぞに架けた巣網を離れて
防虫網の上をとぼとぼとゆく
やがて来る厳しい寒さの前に
大きく膨む腹の子たちを託す
暖かな日なたの草陰を探して
歩き慣れない畠土の上をゆく
この地球の片隅で繰り返される
儚くも厳かな生命の営みの尊さに
なんの手出しもできはせぬが
せめて野良の手を止め祈りを捧ぐ
草萌ゆる来春の麗かな昼下り
キラキラと輝く見事な方円の巣網を
誇らしげに張ったあなたの子らに
ここで再び出会えることを信じて
蜘蛛の仲間は野菜を虫から守ってくれる益虫なので、畠で見かけると「よろしくね」と声をかけます。この日出会ったナガコガネグモは冬を迎える前に、カマキリと同じような卵嚢を草陰などに産みつけて世代を繋ぐそうです。いつもは立派な蜘蛛の巣の真ん中にドーンとしてるのに、どうして地面に降りて来たんだろうと思ったら、そういうことだったんですね。生命の営み、尊いなぁ。