大豆の狭掛け
秋の名残りの暖かな陽光の下
立ち枯れてきた大豆を刈って
畦に仕立てた干し竿に挟掛け
炎天の夏、蔓ぼけた緑葉を
幾度も毟って花芽をつけて
ようやく実った愛しき豆鞘
一粒たりともこぼすまじと
大胆かつ繊細に鎌で刈って
麻紐で結いて豆束を拵える
干し竿に吊した豆束たちは
お日さまと乾風に晒されて
からんからんの乾いた豆へ
早春に仕込む吾家の味噌を
吾畠の大豆でという大願に
あともう少しあともう一歩
願わくばこの乾いた晴天が
あともう何日か
続いてくれますようにと
八百万の神様に願掛ける
吾畠の昼下がり
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