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あらゆるオープンデータを駆使して開発した「防災INSIGHT」

僕のシビックテックの始まりは、2015年のことです。防災アプリをメインに開発することを決意し、その代表作が「防災INSIGHT」です。

今日は、防災INSIGHTについて、語らせてもらいます。


きっかけは東日本大震災

2011年3月、東日本大震災が起こりました。

当時、僕は愛知県にいました。大学の卒業研究が終わり、単位も全て取得し、残すは卒業式のみという頃。社会人になる1ヶ月前のことでした。

せっかくの最後の春休み。思う存分、遊ぼう!

そう思っていました。

「何だ?この横揺れは…」

愛知県では、長周期地震動という、緩やかな、そして、大きな横揺れが来ていました。

「どこかで、大地震が起きたのか…」

テレビをつけてみると、大きな地震と共に押し寄せる大津波の映像が流れていました。

「こんな大地震が日本で起こるのか…」

当時の自分には、なす術もなく、テレビの前で立ち尽くしていました。

社会人になる1ヶ月前。

「社会に出てから、自分に "できること" を考えていきなさい。」

そう言われているような気がしていました。

初めて手にしたスマートフォン

社会人1〜2年目の頃。まだ、ガラケーが主流でした。

スティーブ・ジョブズの有名な言葉
「アップルが電話を再発明する」

日本でも、iPhoneが普及し始めます。

中でも、iPhoneシリーズの中で初めて4Gが搭載されたのが「iPhone5」でした。

4Gのネットワークにも興味が湧き、ガラケーから乗り換えることで割引で手に入るとのことで、携帯ショップで購入しました。

「すごい…」

こんな素晴らしいハードウェア作れる人がいるんだ!と感動したことを覚えています。

iOS内で様々なアプリケーションを利用するうちに、

「自分もこんなアプリが作ってみたい!」

そう思うようになりました。

どのプログラミング言語にするか?

エンジニアの方なら誰もが最初に考えることです。

大学時代は、Fortranによるシミュレーションや、大学のバスケサークルのウェブサイトの開発をやっていました。

色々触ってみました。Java、C言語、C#、Visual Basic…

どれも自分の中でしっくりくるものがありませんでした。

「どうしよう…?」

どの言語にするか、1年ほど、悩みました。

自治体では、ゴミチェッカーなどのWEBアプリケーションが公開されていた頃でした。

「へぇ、WEBアプリかぁ」

興味が湧き、調べてみることに…

なるほど「JavaScript」か…

大学時代にウェブサイトを開発した経験から、HTMLやJavaScriptには抵抗がなく、楽しんで作っていました。

この道で進んでみるか!

決めた瞬間でした。

オープンデータとの出会い

みなさんは、オープンデータをご存知でしょうか?

オープンデータ
商用・非商用を問わず、自由に2次利用(加工・再配布)できるデータをオープンデータと言います。国や自治体の公共データや民間が公開しているデータもあります。

国では、オープンデータを続々と公開していました。

防災に関する情報は、行政でも公開しやすかったのだと思います。とても豊富にありました。

「そうか!」

閃きました。

「よしっ、防災アプリを作ろう!」

東日本大震災 × iPhone5との出会い × オープンデータ

この3つが重なり合い、防災アプリを開発することに決めました。

どんな防災アプリにしよう?

スマートフォンが普及し始めた頃、防災アプリはまだ、手に取るほどしか、なかったと思います。

一つのテーマが「その時、どうする?」

災害が起きた時、必ずしも家にいるとは限りません。職場や旅先、お出かけのデパート、映画館…あらゆる場所で災害にあった場合、どのように行動すべきか、シミュレーションできる機能があったら良いな。

防災INSIGHTのサブテーマになっています。

せっかく作るんだから、防災に関する知識(災害の種類、避難場所、気象、ハザードマップ etc)を全て網羅する防災アプリを作ろう!

そう決めました!

使用したオープンデータ

実際に僕が防災INSIGHTを開発する上で、使用したオープンデータです。

・消防庁:わたしの防災サバイバル手帳、チャレンジ!防災48、防災マニュアル
・国土地理院:地理院タイル、指定緊急避難場所データ、ハザードマップポータルサイト
・内閣府:平成26年版 防災白書、平成28年版 防災白書、高齢社会白書(平成25年版)
・厚生労働省:災害医療
・気象庁:雨雲レーダー(WEBスクレイピングにて利用)

防災INSIGHT

あらゆる行政機関のデータを用いました。情報の偏りがないように、心がけました。

2017年6月、アプリをリリースしました。

コンテストに応募!

せっかく開発したアプリだし、色んな人に使ってもらいたい!

どうやって広めていこう?

大会に出ると知名度が上がるのではないか?

そう思いまして、コンテストに応募することにしました。

2017年 国土地理院主催の防災アプリ審査委員会にて、防災アプリ賞を受賞しました!

学生時代以来となる表彰。自信になりました!

その後、アーバンデータチャレンジ2020でも、オープンガバメント推進協議会銀賞を受賞させていただくこととなります。

どんどんバージョンアップさせていく

もっとこういうこと出来たら良いな!
こういう情報も必要だ!
へぇ、こんなAPIがあるんだ!

完全にアプリ開発にはまった(笑)、齋藤仁志さんは、続々とバージョンアップさせていきました。

詳しくは更新情報をお読みください。

2024年2月現在、Ver5.7を公開しています。

アプリのインストール方法

僕のWEBアプリは、PWAを搭載しているので、WEBブラウザの「ホーム画面に追加」から、簡単にインストールできます。

インストール方法

最後に…

いかがだったでしょうか?

防災アプリに対する思いをNoteに投稿してみました。

シビックテックを始めて最初の6年間ほどは、防災アプリをひたすら開発していましたので、今振り返ると本当に、濃い6年間だったなと思います。

これからも、大事にしていきたいと思っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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