おじいちゃん

多分私が生まれた頃から面倒をみていたと思います。でもなぜか父との仲が悪く遠慮がちでした。祖父はもともとかなりの大地主で、裕福だったそうです。都会にでて進学がしたい祖父は先祖から受け継いだ田畑を守らせたい親に負けてしまい、田舎に残ったそうです。そうしているうちに、投資にはまりおよそ10年にわたりほとんどの財産をなくしてしまいました。大きな屋敷は引っ張ってよその物になったそうです。進学校に通っていた長男は学校をやめ妻は心労から父が10歳ころには寝たきりになっていました。当時の生活はかなり陰惨なものになっていたと思います。それでも何とか勉強を頑張ったおかげで大手の会社に入社でき、家族を支えていたそうです。30歳前にして祖父の提案で母と結婚する事が出来ました。きっと自分の母親が心配だったのでしょう。

幼い頃は特によく遊んでもらいました。近くの公園で何時までも帰らない私を気長に見守ってくれました。転勤で東京に行くときはわざわざ見送りに来てくれ、私にお菓子をくれました。やっとの思いで着いた部屋でお菓子の包みを開けると赤い金魚のせんべいでした。じいちゃん、東京タワーはすごいよ一緒に登りたかったね。