糸切ばさみ
私は手芸が得意です。母譲りのおかげで、彼女はプロの洋服の仕立て屋さんでした。毎日ミシンに向かってオーダーメイドの洋服を作っています。お店を出すのが彼女の夢でした。東京では有名なお店の仕事も任せてもらい、生き生きとしていました。私の服もほとんどが、彼女の手作りです。学校は私服でした。ある日薄ピンクのワンピースを着ていくと、男の子にいきなりすかしやがってと、からかわれえっとなりました。もっと綺麗な服もあったのですが、それはよそ行き着になってしまいみんなの前できることはありませんでした。セーターも毛糸を選んで編んでもらい値段はわかりませんが、何年も着ました。当時の流行だったのが、いろんな色で編んだモチーフつなぎのカーデガンが可愛くて私も、あんなのが欲しいなと思ってい母に頼んだのですが、仕事が忙しくてだめだと言われ諦めました。自分の子供のときは、とにかく子供服が高くてバーゲンでも何千円もしていました。そこで自分で縫う事に、いざ作ってみると面白いのです。解らない時は電話で母に聞き後は本で理解できました。ついでにセーターも編んであげました。だから写真には私の服を着た子供が沢山写っています。ある日ショッピングセンターに行くと片隅でおじさんが一生懸命小さなはさみを作っていました。
しばらく見ていると何時でも研いであげるから持っておいで、と言ってくれました。じゃこれください。2千円もしなかったと思います。おじさんの腕は天下一品だよ、20年以上たつけど切れ味は最高です。そしていまだに光っているよありがとうございます。