ひとり親家庭出身の地方議員から学ぶひとり親支援 勉強会 開催
行政のひとり親家庭支援は、こども視点・対象の支援が十分とはいえないことから、ひとり親家庭出身の地方議員から、こども視点の行政支援の課題や必要な支援を学ぶことを目的として、開催しました。
私たちも、ひとり親当事者であるものの、親の立場としての想いが先行してしまうため、自分の子どもも含め、子ども達の気持ちを理解していく必要があります。
スピーカーは
たなもと晃行 山梨県大月市議、伊藤健太 北海道登別市議、
東友美 東京都町田市議、河合りな 東京都中野区議の4人にお願いしました。
●ひとり親家庭で育った経験
(親との関係・良かったこと・大変だったこと・家庭を支えくれた存在・こどもとして感じていたこと)
●行政支援について(課題、効果があったこと、親・こどもそれぞれに対して、さらに支援をするとしたらなにが必要か)
●ひとり親ネット議員に伝えたいこと(ひとり親として・地方議員としての私たちに)
●共同親権・面会交流について、こどもの立場からどう考えるか?
をお聞きしました。
ひとりひとり、ご自身の子供時代を紐解くように、感情も含めて、丁寧に話してくださいました。
4人のお話から
〇信頼できる、頼れる大人の存在が必要なこと
(地域の人をはじめ、学生の学習ボランティアや里親の活用を発展させることなども)
〇子どもはSOSを声には出せない。
(SNS有効。学校の関わりをどう考えるか。行政にはつながれない)
〇ハード面よりソフト面
〇子ども食堂のように対象を区切らない、こどもの居場所の必要性
〇子どもがさみしくならず、家庭が孤立しないための家庭の在り方
(シェアハウスを発展した形態として、母子家庭のシニア大家の下宿がある)
〇高校生になるとアルバイトで学費を稼ぐ、進路の幅が狭まることへの心理的・時間的制約への対応
〇夫婦関係が悪化することによる子育てへの影響や家庭環境との関連
〇家庭環境による自己肯定感の低さをどうするか
(反抗できない・親に迷惑をかけられない・自立したい・人生の選択肢が狭まる)
〇親には給付をすることで、子どもと向き合う時間を提供してほしい
〇親を介護するヤングケアラー・親を若年で看取ること
〇子ども時代の家事負担
〇離婚成立していない家庭の支援をどうするか
〇親も自分の時間を持つことを心がけ、心のゆとりを
〇地方議員は相談しても大丈夫な存在であることの周知を
〇共同親権・面会交流、親二人の考えや思いだけで判断すべきではなく、子供の意見をどう尊重していくか、取り入れていくのか。養育費確保支援を進める必要性
を考えました。
ひとり親家庭には、それぞれ異なる背景があります。
そのなかで共通しているのは、親も子も、ひとり親家庭であることを社会や地域でオープンにするような環境ではないため、家庭内で問題を解決しようとし、孤立しがちであり、親も子も、心の内や悩みは、家庭内外を問わず、誰かに打ち明けないということです。
親は、こどもを家庭内で抱えてしまわず、普段から様々な大人や団体とつながれるよう、心がける必要があると感じました。
世帯主の支援は、行政の役割も大きいですが、子どもへの支援は、行政ではできないことも多く、どう地域で人を信じられることのできる環境を作り上げていくかということに尽きるように思いました。そのような地域を作るために、当事者であり、政策を作る立場である議員として、何をすべきか考える大切な機会となりました。
4人の方々には貴重なお話を頂き、本当に感謝です。貴重なお時間と示唆に富むお話をありがとうございました。