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地方議員向け勉強会第二回を実施しました。


研修1は、「非常時等の子どもの預け先を確保するために自治体が取り組むべきこと 」を当ネットワーク発起人でもある昭島市議会議員 ゆざまさ子 がスピーカーとしてお伝えしました。
当ネットワークが昨年行ったアンケート調査では、新型コロナによりひとり親家庭の方々より、自身が罹患した場合など、子どもの預け先の不安が多く寄せられました。さらに、平時でも、緊急時の子供の預け先に常に不安を抱えている現状があります。
本年 1 月に立川みらい(ひとり親当事者の団体)が行った調査では、「近くに預け先がない」と答えたひとり親が47.2%に上ることがわかりまりました。
 多くの自治体では、ひとり親家庭も対象となる緊急時の預け先はいくつかありますが、必要な家庭に情報が届いてないことも当ネットワークのアンケート調査で30%近くあったため、しっかりと周知を行っていくことは重要です。
今回は、特にひとり親家庭の利用率が高い宿泊を伴う子供の預け先ということで、子育て支援短期事業のショートステイについて説明しました。
〇児童養護施設等に預けるショートステイ
自治体が実施機関(委託可能)で国、都道府県、市区町村でそれぞれ1/3負担している。R2~国ではひとり親家庭への優先的な利用を進め利用単価を減免する際の補助加算。
昭島市の H30 年度~R2 年度の利用者のデータによりひとり親家庭の利用者が多く、更に利用ニーズに合った国のひとり親への利用料減免措置、対象年齢、利用日数などを改善が必要。
〇 里親ショートステイ
里親の全国の委託率の低さを元に家庭の事情で養育が困難になった家庭への選択肢の一つとして家庭的養育の重要性と兵庫県明石市の事例を紹介。 ひとり親家庭は常に病気入院など自身が何かあった時のことを常に不安の中、生活をしています。国も、家庭的養育の中で育つよう、里親登録を推進している。まずは地域で短期間で預けられる里親ショートステイを行うことで養育家庭へのステップアップとしても大変期待ができる事業。
〇 ショートステイ協力家庭
東京都中野区の事例をご紹介。地域の家庭で子どもが短期の宿泊を伴う預け先として期待ができる。ファミリーサポートの研修を受けた方もショートステイ協力会員として登録可能。里親ショートステイよりも、少しハードルが低く子どもの宿泊を伴う短期
預け先の拡充として各自治体に展開されることを期待。
研修2は「住宅確保支援の現状と課題、自治体で取り組むべきこと」として豊島区議会議員の川瀬さなえよりお伝えしました。
 ひとり親の当事者として、住宅確保に苦労した経験を踏まえ、
地域のひとり親(母子世帯)へのヒアリングなど、現状から見える「都市型、居住支援」の実態を報告、法改正などにより、自治体が取り組める施策の情報を提供しました。
 豊島区内では、2LDKの間取りの家賃相場が20万円前後。
シングルマザーが部屋を探す際に望む間取りとして、2DK、2LDKを希望する方が多いですが、年間収入が全国平均200万円の母子世帯にとって、豊島区での現状は、親子2人、親と子ども2人でも、1DK,1LDKの間取りで、家賃が8~9万円台の家に住む世帯が多いのが実態です。都営、区営、福祉住宅は、豊島区は、数が少なく、倍率が高いので、多くのひとり親世帯は、家賃が固く手狭な民間住宅に住むしかない状況でもあります。
 地方や郊外に引っ越すことは、住み慣れた地域を離れ、子どもを転校させたり、新たな土地での再就職や雇用があるか?
勤めている職場までの通勤時間や定期代などの経済的負担、など
知らない土地で親子で暮らすことは精神的負担が大きく、住み慣れた土地で、厳しい状況の中でも生活を維持している母子世帯が多いです。
 豊島区は、23区で最も空き家率が高いため、その空き家を解消し、活用していく方法として、●地域貢献型空き家利活用、●セーフティネット住宅、●居住支援バンクがありますが、どれも登録物件数は増えておらず、せっかくの支援制度であっても進んでいない状況です。中でも、これからのひとり親世帯の住宅支援施策として期待したいのが、ひとり親世帯向けシェアハウスです。
令和3年4月より、シェアハウスのセーフティネット住宅の基準が「ひとり親世帯向けシェアハウス」にも適用されるよう改定されました。専用居室に親と子の2名など、複数人が入居するシェアハウスは、セーフティネット住宅の登録を受けられなかったのですが、新たな基準が設けられ、ひとり親世帯が入居するシェアハウスも認められるようになりました。ひとり親世帯の居住支援として、シェアハウスという形に、シングルマザーの社会的自立としても可能性を感じており、生活の基盤が築けるまでの短期間であっても、だれかと支えあいながら、誰かに見守られながらの生活ができるシェアハウスは全国的に広まっていってほしいところです。
 セーフティネット住宅が抱える課題と、自治体の役目としては、①登録件数を増やす、②入居者さんとのマッチング体制を整える、③家賃低廉化の予算をつける、ことです。
 家賃の低廉化を実施することで、オーナーさんにも入居者さんにも双方にメリットとなりますが、自治体が家賃低廉化への予算を組まなければならず、その予算を組んでいる自治体は少ない。
豊島区は令和3年度より、これまで住宅課が行っていた、居住支援事業や住み替えサポート事業などを福祉総務課へ移管し、住宅問題を連携を持ちながら事業を進めていくことになりました。
住宅の相談は、福祉部局にも関連することが多くあったので、窓口に相談に来る方にとっては、安心につながる体制です。
国の今年度予算に、地方公共団体において、住まいを含む総合相談窓口を設置する等、住宅・福祉の連携によるモデル的な体制を整備、することに補助がつくので、ぜひ、これについては、各自治体の状況を確認しながら、予算を獲得してほしいと考えます。
ひとり親世帯に限らす、住宅にお困りの方々が、自治体窓口で振り回されることのないよう、ワンストップで相談ができる窓口の設置が必要と伝えました。
 参加者からは制度の施行状況などについて質問が。どちらも自治体によって取り組み状況に差がある事業であり、特性に合わせた展開が必要ですので、参加された地方議員の方が、各自治体の状況と課題を把握したうえで、政策提言してもらえることを期待します。
 ひとり親世帯は子育てと仕事の両立、悩みやトラブルもひとりで責任をもって育てており社会から孤立しがちな状況下で、安心して生活ができるためには、地域で子どもを気にかけてくれる人、ひとり親のお母さんを気にかけてくれる人がいることで、
安心した暮らしができるとの状況もお伝えし、今後も複合的な課題を抱えるひとり親家庭支援を進めていくことを参加議員とともに確認できた勉強会でした。

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