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【ネットワーク所属議員 リレーコラム④ 横須賀市議会議員 小幡沙央里】


●なぜ議員になったのか
 2013年、私の生まれ育った横須賀市の人口転出超過数が、全国でワースト1となりました。このニュースはかなりの衝撃をもって私に突き刺さりました。

 2008年、アメリカの大学で政治学を学んでいた私は、自分の地元の政治について知りたいとの思いから、夏休みに帰国した際に、横須賀市議会議員(当時)の方の下で、インターンシップをしました。そこが、「市議会議員」との初めての接点でした。

 市民の声を聴き、市政へと届ける。課題をあぶりだして、政策提言をしていく。自身の活動や想いを発信する・・・。市議会議員としてはたらくとはこういうことなのか、と色々な体験をする中で感じることができました。

 2009年に大学を卒業し、横須賀に戻ってきました。
そこで驚いたのは、同級生らの多くが、進学や就職を機に、横須賀を離れていたこと。

 そして2013年。冒頭にも書いた、横須賀市の人口転出超過数が全国でワースト1になったというニュースが飛び込んできました。

 私はその時「横須賀の未来を諦めたくない」と強く思い、2015年、横須賀市議会議員選挙への挑戦を決意しました。

 高校は市外、大学は国外へ出た私は、人に地元である「横須賀」を説明することが多く、自然と地元への強い愛着、熱い想いが湧いていたのです。

 横須賀がこんなまちになったらいいな・・・横須賀の未来をこうしていきたい!

 そんな想いを発信し、選挙に臨んだのが、2015年4月のことでした。

●ネットワークに参加した想い
 千葉市議の田畑直子議員にひとり親家庭支援のための地方議員ネットワークに誘われた際にまず惹かれたのは、「女性議員のネットワーク」だということ。

 私は一期目の任期中に出産しました。その際に否が応でも「自分は女性であること」を突き付けられ、「女性議員」(この言い方好きではないですが)としての自分を強く意識するようになっており、このネットワークに興味を持ちました。

 また、地方議員のネットワークが作れることも、魅力の一つでした。実際にネットワークの活動が始まると、皆さんの自治体の情報がリアルタイムでいただけたりして、大変参考になっています。

●この活動を通して、どのような社会にしていきたいか
 私は「ひとり親家庭」というのは必ずしも支援の対象ではないと思っています。

 ひとり親は、様々ある家族の形の一つです。

 ただ、ひとり親、特に母子家庭の世帯の相対的貧困率は50%を超えています。

 これは、様々な要因があると思います。

 結婚や出産を機に仕事を辞めてしまい、その後正規雇用されにくい、そもそも収入が少ない、養育費がもらえない、など。

 離婚や死別、未婚など、ひとり親になる理由はそれぞれだと思います。自分の選択の方もいれば、意図せずそうなってしまった方もいる。

 母子家庭世帯の貧困率の高さの裏には、
「男性が働き、女性が家事をする」という今では表立っては言われていないし、そういう考えをする人は少なくなってはきているけれど、確かにある性別役割分業意識が関係しているのではないかと思っています。

 結婚したら、男性側の姓を名乗り、男性が世帯主になり、男性が主で働き、女性は家事や育児をする・・・それを何の違和感もなく受け入れてきた社会が、女性の再就職での正規雇用や、昇進して収入を多く得ること、子どもを育てながら働くことを難しくしてきたのではないでしょうか。
(当たり前ながら男性側の姓を名乗ることや女性が家事育児をすることがダメなのではなく、ただその考えを押し付けられたり、「当たり前」とされることに強い違和感があるだけです。)

(父子家庭についてもジェンダーバイアスによるしんどさがあるかと思います。)

 また「新卒一括採用」が根強いことや、養育費を取り立てる法律がないこと、ワークライフバランスが軽視されがち、など、社会の仕組みによって生み出されているひとり親の「しんどさ」があるのではないかと思います。

 そうした「仕組み」によるしんどさは、変えていかねばなりません。

 私はこのネットワークの活動で、現に困っているひとり親家庭の「しんどさ」を解決する手助けをしながら、そもそもひとり親の「しんどさ」を生み出さないためにはどうしたら良いのか、というのを常に念頭に置きつつ、活動をしていきたいと思っています。

 ひとり親も、家族の形の一つ。

 「しんどさ」がなくなって、多様な形の家族が当たり前に暮らしていける世の中にしていきたいと思います。

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