はじめての法人税確定申告!無料で一人でオンラインで!(2)使用ソフト
決算と法人税確定申告のための使用ソフト
とにかくなんとかして有料の会計ソフト、クラウド会計は使わずに無料でできないものか・・・というのがスタート地点でした。いくつかあたってみて検討した結果、最終的には一期目は以下の3つのソフトで全ての作業を終えることができました。
本来なら、(1)と(2)の間に、法人税を計算する過程が必要になります。ただ、私は1期目赤字で、法人税については均等割(別回で解説)のみで複雑な計算が必要なかったため、上記の3つで済みました。
おそらく2期目からは「全力法人税」という無料ソフトを(1)の次のステップで使うことになりそうです。
各ソフトでできること
(1)フリーウェイ経理Lite
e-Taxに取り込む決算データを作成するための会計ソフト、という位置づけになります。
●日々の仕訳
自動仕訳はできませんので、手入力になります。なので基本的な仕訳はできたほうがスムーズに進められます。このへんは無料ソフトなので仕方がないところでしょうか。
●一般社団法人の資本金?
困ったのは「資本金」にあたるものの仕訳です。一般社団法人で資本金ゼロです。そうは言っても、資金ゼロでは何も始められませんので、当然自己資金があって法人をスタートしています。それを仕訳上どう記載するかがわかりませんでした。
税務署に確認したところ、一般社団法人の場合は「一般正味財産」という記載でよいとのこと。
●貸借対照表/損益計算書
仕訳が自動集計されて、貸借対照表/損益計算書が確認できます。仕訳を間違っていなければここまではあまり大きな問題はないかと思います。
●e-Tax用のデータ作成
フリーウェイ経理Liteの決算データをe-Taxに取り込めるようにするために、「e-Tax財務諸表出力」という機能を使います。
ここでちょっと引っかかったのは「フリーウェイ経理科目名」と「e-Tax科目名」の不一致です。
例えば、フリーウェイ経理Liteでは「旅費交通費」としていたものの、e-Tax科目には全く同じ表記がないので、「e-Tax財務諸表出力」をしようとするとエラーとして指摘されます。でもこれくらいなら、e-tax科目の中から該当する「旅費及び交通費」という科目を選べば問題なく済みます。ほとんどはこうしたちょっとした表記の違いレベルのものです。
ところが上述の「一般正味財産」は私にとって慣れない勘定科目だったのでよくわからず、結局e-Tax科目としては「その他利益準備金」というものを当てはめました。ベストなのかそもそも間違っているのか、よくわかりません。税務署に確認したところ、「一般社団法人となっていれば、それでだいたい見ればわかりますので」というなんともアバウトなご回答。
▼フリーウェイ経理Liteの貸借対照表で使用した科目名とe-Tax科目名
▼フリーウェイ経理Liteの損益計算書で使用した科目名とe-Tax科目名
(2)e-Taxソフト
e-Taxソフトでは、所得税、法人税など国税に関わる申告手続きがオンラインで可能です。
(1)フリーウェイ経理Liteのe-Tax財務諸表出力機能で出力したXBRLという形式のデータを取り込むことができます。これがe-Tax内の「財務諸表(XBRK2.1)」になります。
最初は、それ以外も自動でいろいろやってくれるものと思っていましたが、法人名や住所などの基本データは入ってくれるものの、様々な提出書類へのデータは結局e-Tax内で入力していく部分が多いです。
私が最終的にe-Taxで提出した帳票は以下の13点です。
e-Tax内の作業が終了したら、「地方税申告共通項目エクスポート」という機能で、次のeLTAX用データを作成します。xml形式のファイルになりますので、それを次のPCdeskで取り込むことになります。
(3)PCdesk(DL版)(eLTAX対応ソフトウェア)
e-Taxが国税用なのに対して、eLTAX(エルタックス)は地方税用です。
法人都道府県民税、法人事業税、法人市町村民税など地方公共団体への申告手続きがオンラインで可能です。
eLTAX対応の無料ソフトウェアとして、PCdeskが提供されています。
私が今回PCdeskで作成した帳票は、
です。
e-Taxで作成したxmlファイルを取り込むと、法人名や住所などの情報は自動で入りましたが、赤字の金額や支払う法人税の金額は自分で入力です。
私は今回の1期目は赤字のため、支払う税金が法人都民税(法人住民税)の均等割だけだったので、あらかじめ金額がわかっていましたが、来期からはこの法人税の計算作業が加わります。
法人都民税の均等割については、1期目の方は特に注意するポイントがありますので別途記します。