教育制度を変えたい
今の教育制度はもともとは従順な国民を作るために作られたなんて信じられるでしょうか。
しかし本当の話です。
ドイツの前身であるプロイセンで、優秀であり、なおかつ従順な国民を作るために考えられたそうです。
教育はするのですが、
まずは教科を細分化し、大きな概念を理解しにくくします。
本来は物理も数学も同じ概念上にあるのにです。
そして、チャイムが鳴ったら有無を言わさず次の教科へ進ませる。
授業以上のことや危険思想を考えないように、絶え間なく中断させているのです。
下手に探求する心を持たさない。
しかし、もし学びの楽しさ、意味を感じる事を目的とした教育方法なら、世界は変わるかもしれません。
実際、そのヒントとなる教育をした方がいらっしゃいます。
公立校の滑り止めだった灘校を、東大合格率日本一へ導いた教師、
橋本武先生です。
この灘校は6年一貫同一教師制のため、先生は同じ生徒を6年間ずっと教えることができました。
だから橋本先生は最初の3年間は教科書は使わず、「銀の匙(さじ)」という薄い文庫本だけで授業をされたそうです。
3年間で、たった文庫本1冊。
普通、こんなことできますか。
父兄の目や世間の目が怖くてできないですよね。
でも橋本先生はやりました。
子供達に自分から学ぶことの楽しさ、自分で考え、授業以上のことを吸収できる人になってもらうため。
授業は、というと、脱線、脱線、また脱線。
2週間で1ページしか進まないことなんて当たり前でした。
でもそれが本来の学びなんですよね。
「下線部①はどこを指しますか?」
のような「心」を教科書の枠に閉じ込める教育ではなく、心を広げ探求していく教育なのです。
しかし、親にはそんなこと分かりません。
本当に我が子もそんな先生に預けていいのか、と心配していたそうです。
ところがその親御さんたちの先生を見る目も、だんだん変わってくるんですよね。
そして、6年後、橋本先生の教育法が正しいことは証明されました。
無名校がダントツの日本一になったのです。
公立を落ちてしょんぼりしていた我が子が、その橋本流の授業を受けたら、勉強が楽しくなって、気付けば東大合格してたなんて、まさに伝説の先生、伝説の授業ですよね。
権力に従順な人は育たないかもしれませんが、この教育法は日本を変える気がします。
少なくとも私は受けたかった。
今の教育制度のもと、日本の大学生の授業以外の自習時間はアメリカの大学生の4分の1以下だそうです。
何のために勉強するのかわからなくなり、苦行になっているのですね。
私はそうなりました。
勉強の意味や楽しさを見失うくらいなら、思い切って教育法を変えた方が子供達にとっていいのではないかと思っています。