命令の思想は脆弱である-「心理的リアクタンス」について#84
タイトルは若手哲学者•教育学者の苫野一徳氏の言葉。
すごく難解なヘーゲル哲学をわかりやすく説明してくれていて、タイトルはその中で出てきた言葉です。
子供を見ててわかるんですが、
人間て、基本的には、、
「他者からの命令には従いたくない」
本質を持っている感じがします。
2.3歳の子供なんて、まさに本能で生きてると思うんですが、「ご飯食べなさい」「早く来なさい」とか言うと「イヤー」ってなるわけです。😫
そして、ひとしきり遊んだりして納得すると
「ごはん食べるぅー」「行くぅ」ってなります。
これは、何でも子供に限ったわけではなく、
これは「心理的リアクタンス」という心理学でいう「認知バイアス」で説明できるということを若宮和男さんや尾石晴さんのVoicyで知りました。
心理的リアクタンスとは命令には従いたくない、指図されたくない人間が元来持つ「あまのじゃく性」について解いたものです。
これは心理学者のブルームが提唱した結構メジャーな説で後世の実験でこのようなものもあります。
これって何となくわかるね。
人間は「こうせえ」「ああせえ」と言われると「うるせえ」となるわけです。
管理する側(親、教師、上司)は相手を自分の思い通りに動かすために、「命令」「禁止」をします。
しかし、これが管理される側としては冒頭でも述べた通り人間の持つ「他人の命令には従いたくない」本質が働くわけです。
ヘーゲルは命令をして、相手を従わせようとすることを「徳の騎士」と言う言葉で忠告します。
、、しかし管理する側も人間。
相手の内発的動機や自主性に任せていたら潰れてしまうこともあります。
これが子育てや教育の難しいところですね。
澤円さんのVoicyでも命令口調や「べき」と言う言葉を使うと排他的になり対立軸になりやすくなる、と話されていました。
ちなみに晴さんの放送では「今やろうと思ったのに!!」は「やる」という方向性は同じなのに、
「今すぐやるべき」と行動を制限されたために働く心理的リアクタンスだと言っていました。
ナメられたりスポイルされて規律が乱れるのかどうかは相手との関係性が土台によるのでしょうが、人間は基本的には命令には従いたくない、ということを前提に考えた方が、物事はうまく運びそうです。
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