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zine『単語あつめ旅 ドイツで過ごした4週間』web版

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ドイツのシュトゥットガルト、フランクフルト、ベルリン、そして南チロル地方をまわった旅の中で、見たこと聞いたことをまとめた、単語帳のような、エッセイのような、日記のような、はたまた…
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HauptBahnhof [はふとばんほふ]

HauptBahnhofは中央駅〈Central Station〉と訳される。ドイツ語は意味がまとまっているなら単語と単語の間は空白なしでつなげて書くが、これを分解するとHauptが〈Head〉、Bahnhofが〈Train Station〉にあたる。駅の表示などでは短縮してHbfと書かれている。 シュトゥットガルトでもベルリンでもフランクフルトでもHauptBahnhofと名のつく駅はひとつだけ。各都市の起点となる駅が調べずとも誰にでもわかるのはありがたい。またどこの駅に

隣の駅は青く見える/Woche 1 Mittwoch 27.02.2019 - Dienstag 05.03.2019

海外の駅ではしばしばその国の土地柄がよく現れている出来事に遭遇するので、旅に出たら駅を観察することにしている。 2018年に行った台湾では、改札を通る方法として日本と同様のICカードが主流だったが、現金で切符を購入する人に与えられるのは紙ではなく、ICチップが埋め込まれたコイン型のプラスチック片だったことが印象に残っている。紙片より失くしづらそうだし、紙のゴミは出ないし、回収して何度でも使えるのは合理的だなと感心させられた。 ところ変わってフランクフルト中央駅では、至ると

登場人物

私 筆者。32年の人生でヨーロッパ旅行は初。これまでドイツ語を習った経験もなし。 T氏 夫。同じくヨーロッパは初めて。本書の装丁・イラストは一緒に旅したT氏によるもの。 ゆうちゃん 私と夫の共通の友人。2018年よりドイツのシュトゥットガルト在住。南チロルとベルリンは3人で旅行した。海外勤務が長いので英語ぺらぺら。私がゆうちゃんのこと大好きで、登場率が高いけど温かい目で見てくださいませ。 I氏 ゆうちゃんの職場の相棒兼上司。私たちがゆうちゃんの家に泊まれるように大きなエ

はじめに

これまでの人生で足を運んだことのある海外は、ニュージーランド、韓国、サイパン、台湾、そしてドイツ。どの国もひと月以下の滞在だったけれど、短いながらも旅の間に人々の生活を見たり、行動を真似してみたりして気づいたことがある。 それは毎日使う言葉や使う道具、接する人、そして生活リズムや食べるものの習慣が、ひとりの人間の考え方や行動を左右し、その人をつくっているということ。 だから旅を通して普段の生活と違う習慣が存在することを知ると、自分に合うもの・こと・ひとって、こっちだったの