年が明けてすぐに父の危篤の知らせが入った。今年のお正月は実家に帰れないと思っていたが、父に会うために帰ることになった。病室で横になっている父はもう意識がはっきりとしていない状況で、私はとにかく思っていることをひたすら話した。
私は若い頃父に反発し、父を避けていた時期があり、私の反抗期が終わったのは私が41歳の頃だっだと思う(今51歳)。
本当に父の素晴らしさがわかり、愛されてきたことをしっかりとわかった41歳の時から、私の人生は変わりはじめたと思う。
父に話した。
私はお父さんのおかげで美人に生まれ、夫と結婚できた。お父さんのおかげでイケメンで聡明な子どもに恵まれたんよ。ねー。それと、お父さんの娘だから、できる!と信じられて、英検1級を目指してこれたんよ。とか、謎の自己肯定感高い発言をしまくったあと、お父さんのところに生まれてきたことに満足なんよーと話した。
父はこちらのほうに視線を向けてにこーっとしたように思えた。
父と会った次の日に家に戻ったが、数日後に父は亡くなり、通夜と葬儀のためにまた実家に帰った。通夜と葬儀に息子も参列することができた。
葬儀では、私はこの先も父から受け継いだものを生かして楽しみまくってやるぞと心に誓い、一度も泣くことはなかった。そして息子に、私のお葬式でも、ニコニコして、私から受け継いだものを生かして楽しみまくることが私への愛だからねと話した。泣くなんて失礼よ、とも思った。
最近へこむことがあったけれど、父の愛を思うと、それは大したことではないかもしれないと思う。誰になんと言われようと、理解してくれている人達がまわりにはいるし、父は亡くなったことで、完全にすぐそばにいる人になったと思う。
私が生きている限り、別れはないのかもしれない。