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【読書感想文】次の時代の旅のトレンド

インバウンド(海外からの観光客)で盛り上がっている昨今の日本の観光業。ところで、ハイエンドトラベルと呼ばれる、富裕層の旅に対する考え方が注目されているのはご存知でしょうか。

今回読んだ「グローバルエリートが目指すハイエンドトラベル」という本では、主に著者の知り合いの富裕層の方が出てきていますが、考え方自体は共感される方もいらっしゃるのでは。




本の要約

宇宙への旅が注目されている。
→その一方で、アーバン・キャビンが提唱しているのが、自分自身の内面と向き合い、未知の自分に出会う「うちなる宇宙への旅」。それは、既成概念から自分を解き放ち、眠っていた感覚、考え方、本当に求めているのは何か?などを発見することで、精神世界への旅も考えうる。
宇宙への旅も行き着くところは人類の意識を拡張し、新たな精神性を呼び起こすこと。


内面を旅する transformative travel(TT) が今後のトレンド


本の中で挙げられていた宿泊施設の例

インドネシア スンバ島「NIHIWATU SUMBA INDONESIA」

ハイエンドなリゾート運営が、社会の問題解決に貢献し、それがハイエンドトラベラーの意識を高め、さらなる社会こうけんを換気するTTの循環
nihiwatuを作るに際し、創設者は「人里離れた、スペシャルで、波のクオリティが世界トップの1つに入る場所」を条件に挙げていた。
創設者の旅の思い出から始まったこの施設は、ほかの場所の問題点や欠けているものを徹底的に洗い出し、自分だったらここをどう変える?と問いかけるプロセスを経て、自分が満足できるのをまとめあげた結果がnihiwatuだった。

例えば、対岸に安っぽいホテルができたりするような、ビジネスを破壊するようなリスクを回避するために、視界に入る全ての土地を買い上げて"崖"を作った。スタッフ総出でビーチを掃除し、浜辺に外部者が入ってきたら警察を呼ぶ努力を続けた結果、1km以内の住人以外は入ってこなくなった。


チェンマイのリゾート「The Dhara Dhevi」

ダラ・デビィは、そのほかの似たような外観の建物と異なり、「大小様々な宮殿があり、貴族の館や豪商の家、質素な家に農家がある。多様な人々の生活が感じられることが、空間をより生き生きと魅力的にしていると思う」

その後、「ダラ・デヴィ」に付随して30軒ほどのランナー式のホテルやゲストハウスがオープンした。「ランナー文化を復活させたいと思う。街中の多くのホテルが、ダラ・デビィの影響を受けて、彼らなりのランナースタイルを実現していることで、まちの景観が保たれている。」
大手外資系のホテうrは、南アフリカ産のヤシを植えてラグジュアリーな雰囲気を作っているが、それはその土地に属したものではない。私たちは皆地元のこの土地の風土にあったもの。だから安価だし維持費も大きく抑えられている。


日本の可能性

その地方の暮らしに根付いた文化が豊かな日本は、自分たちの特色、独自性をしっかりと洗い出し、選び抜いた魅力を活かして空間やサービスをハイセンスにデザインできれば、ダラ・デヴィのようなハイエンドデスティネーションを作り上げるポテンシャルが十分あるだろう。一方で、季節や世界からのアクセスのように、集客の足かせとなる要素が、経営にどれくらいの影響を与えるかどうかについては、十分に精査する必要がある。by 著者

"普段は入れない、貸切ができない"という自分たちだけで占有できること、そこに自分たち独自の余興や演出を加えられることが、ゲストに特注感、満足感を与える。(例:京都・二条城での貸切パーティー、47roninsのお祭りetc)
こうしたほかにないユニークな体験を、世界のハイエンドトラベラーが求めているのに対し、日本のMICE客はお金で買える最高の体験を求めているという違いがある。
by J-TEAMのホルト社長


ここからは私の感想です。

旅の目的地の探し方

50 BEST hotels 2024

2024年版の世界のベストホテル50選をみると、外資系の有名ホテルが並んでいるとは限りません。そして、例えばアメリカ、ヨーロッパなど欧州圏ばかりとも限りません。

リスト一覧はこちら

この50のホテルにランクインされるためには、The World's 50 Best Hotels Academyの投票で選ばれる必要があります。このアカデミーは、ホテル・旅行業界の国際的に経験豊富な専門家600人で構成され、男女比は50/50です。アカデミーは世界中の9つの地域に分かれており、各地域はアカデミー長によって率いられています。パネルの最低25%は毎年更新されるとのことです。

The Voting System


BEST Hotelsから旅先を探すことをご提案しましたが、ホテルのあり方も多種多様になりつつあります。そして、有名な観光地周辺に行かなくても、ポツンとある宿泊施設が人気なことも。

日常では味わえない体験を、皆求めつつある時代だと感じます。それが、例えば大手ホテルチェーンでなかったり。

そういえば、以前滋賀県の町家をリノベーションした宿に泊まりました。日本においては、すでに受け継がれてきたものを次の世代へ受け継いでいる宿、ただ古臭いのではなく、時代ごとに手入れ(リノベーション)されている宿が好まれているのかもしれませんね。


合わせて聴きたい

「SHIRO」が新たな宿泊施設をオープンしたことをご存知でしょうか。「メゾンシロ」をオープンするに当たってのこだわりが話されています。


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