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【読書感想文】転職が当たり前の今だから、読んでほしい本
先日亡くなった、経済の専門家・山崎元さんの著書「一生、同じ会社で働きますか」という本の読書感想文です。
転職が当たり前になった昨今ですが、この本では山崎さんの経験を通じて、軸を持った働き方をすることを勧めていらっしゃいます。
SNSでよく見かけるのが「○○の職種が未経験だけど転職できるだろうか」「40歳半ばで初めて就職活動をしているが、無事転職できるだろうか」といった、無計画でこの人は転職活動をしている(あるいは転職をした)と疑問を抱かざるを得ない投稿です。実際はどこまで本当のことかは分かりませんが、今回紹介する本を読んで、転職活動をする前、している最中の方にぜひ考えてほしいです。
この本をお勧めしたい人
転職活動をしたいと漠然と思っている人
転職活動をしている最中の人
本の内容
価値のある人材とは
職業人としての人材価値を決定づけるものは「実績で説得力を持って語れる仕事の能力」
無駄な仕事かどうかを判別するには
・有効な時間の判定基準 (基準1) 直接お金を稼いでいる時間 (基準2) 物事を決断するために必要な調査の時間 (基準3) 自分にスキル(職業上の知識や技術)が身についている時間 (基準4) それ自体が娯楽のように楽しい時間
とりあえず、以上の基準に該当する時間は有効であり、いずれにも該当しない場合、その時間は無駄だと考えることにしよう。これは時間の無駄だと思ったら、たとえば会議でも、付き合い残業でも、「その場からいなくなること」を最初に考えよう。待ち時間や冗漫な会議の時間には、勝手に1人で勉強をすると良い。
転職は35歳までが限界か
30歳代前半で自分の能力が伸びてみると、先輩よりも自分の方が仕事ができるという状況に直面することがある。30歳でビジネスパーソンとしての能力が完成するということは、その時点で同期生との能力差も決定的に開いているということを意味する。ビジネスマンとして完全に大人になる30代前半には、気づいてみると、器としての会社、正確にいえば会社が自分に与えてくれる仕事の環境が、自分に合っていないことを強く感じる機会が多い。
転職する場合にもしない場合にも、 35歳くらいまでに単純に他人の指示の下に使われる仕事ではなく「自分にはこの仕事ができる」という仕事を確立することができると理想的だ。
このような理由で、著者は35歳までが転職の限界だとする説に賛成している。
転職の捉え方
一つ目は「仕事を覚えるための転職」だ。
最初の転職は、はじめに勤めた会社が面白くなくなったから転職したものだったが、結果的にお金の運用(職種としては「ファンドマネジャー」)という自分の職を選び、その仕事を覚えたことに意味のあった転職だった。
正当化出来る転職の二つ目は「仕事の場を得るための転職」だ。より大きな仕事がしたい、別の人間関係の中で働きたい、経済的な報酬を改善したいといった動機で職場を変える転職がこれに当たる。
三つ目の転職は、「ライフスタイルを変えるための転職」だ。仕事を複数持ったり、仕事の自由度を拡大したり、家族との時間をより多く持ちたいといった理由で職場を変えたりするような転職がこれに該当する。
あとがきの章に載っていた、山崎さんの経歴年譜は見ていてとても面白かったです。様々な職場でお勤めの経験があり、それぞれの職場でご自身が今振り返って意味のある仕事だったかも合わせて書いてあります。
ここからは、私がこの本を読んだ感想です。
自分のキャリアを棚卸しする
この作業は大事だと思います。
著者の山崎さんは、"35歳までが転職限界説"に対して賛成の立場でした。私も35歳という線を設けずとも、若いうちから様々な経験を積んだ方がお得であると考えています。
ただ、単に興味があるからやってみるのではなく、目的を持ってキャリアを積んでいくことの大切さを改めて皆さんに伝えたいと思っています。
なぜなら、私は転職活動を3回ほど今までしてきたのですが、様々な企業さんと面接をしてきて、自分の軸を伝えた上で"御社で~という仕事をしたいです"という伝え方をした方が、伝わり方が違うなと感じたからです。(面接の選考状況がガラッと変わってきます。)
自分が今までどんな仕事をしてきて、どんな経験を得て、どんなことを評価されているのかを明確にするのです。
じゃあどんなキャリアを描いたらいいのか。
よく言われるのは、自分が興味を持っていることを仕事にする。ですが、私はそれは仕事になったらラッキーくらいに考えた方が、精神的に辛くないと考えます。
私がオススメしたいのは、他人に褒められることからキャリアを考えることです。
私の場合、もともとデザイン会社ではなく、事業会社で自社の商品やサービスをより良く魅せるために、Webデザイナーというスキルを身に付ける目的でWebデザイナーになりたいと思っていました。それは、学生時代からデザインのセンスを周りから評価されていたからです。
しかし、その自分のプライドは入社してすぐ砕かれました。上には上がいる。この人たちと闘うのか…と同僚の先輩たちを見て思ったわけです。
そして異動のタイミングが来たので、それをチャンスと捉え、デザインができるという武器を前面に出すのではなく、マーケティングのスキルを磨いていくことを目指すことにしたのです。
これが自分の興味関心に繋がりましたし、同僚の中でちゃんとスキルとして磨いている人が周りにいなかったので、"マーケティングを知っている人"として同僚から評価を得られるようになってきました。
ただ、私自身マーケティングを学ぶ上で、当時の職場では物足りなさを感じていました。もう少しマーケティングの学びを生かせる実践的な職場を求め、今に至ります。
35歳は締切日と捉える
35歳までに転職というのは、あくまで1つの線引きだと考えるとよいでしょう。M-1の優勝を目指す芸人たちに出場資格が与えられているのと同じです。
今の年齢から35歳までにどれくらいの期間があり、どんなスキルを磨いていきたいのか。視点を変えて、周りから今の自分はどう見られているのか。どこを評価されているのか。
それを書き出してみることを強くお勧めします。
ほかSNSでも、ぜひ繋がりましょう!
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