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User と Learner の視点で捉える英語の授業 始めました


小学校・中学校・高校の英語の先生のための英語の先生 Melody です。
先生方、毎日お疲れ様です♡ 子どもたちの笑顔は先生方のおかげです!

 英語の授業では、生徒は「学習者(Learner)」としての側面と「使用者(User)」としての側面を持っています。Learner の視点では、単語を覚えたり、文法を理解したりすることを通して、言語の構造を分析的に学びます。一方、User の視点では、英語を実際に使い、共感や驚きを伴う経験を通して、言葉の意味やコミュニケーションの重要性を学びます。今回は、この二つの側面を踏まえた私の授業実践について説明します。


【 Learner の視点: Focus on Learning 】

 Learner としての視点では、英語を「学ぶ」ことが中心となります。ここでは、次のような要素を重視しています。

  • Focus on learning: 単語や文法を体系的に学び、知識を蓄積すること。

  • Focus on language: 言語そのものの構造に注目し、文法規則や発音の規則性を理解すること。

  • Analytic mode: 分析的に言語を捉え、正確な文を作ることを目指すこと。

この視点に立ち、授業では次のような学習活動を実践しています。

  • 文法ドリルや単語テストの実施

  • リーディング教材を用いた精読

  • リスニングのオーバーラッピングやシャドーイング


【 User の視点: Focus on Using 】

 User の視点では、英語を「使う」ことに焦点を当て、言語が持つ意味や感情的な要素を大切にします。具体的には、次のような要素が含まれます。

  • Focus on using: 言語を実際に使用し、状況に応じた適切な表現を身につけること。

  • Focus on meaning/communication: 言語の形式よりも意味や意図の伝達を優先すること。

  • Experiential mode: 言語を体験的に学び、実生活での活用を通じて習得すること。

この視点に立ち、授業では以下のような実践をしています。

  • 教科書本文の内容を深く読み、感想を共有するディスカッション

  • 実際の会話を想定したロールプレイやスキット型学習

  • Show and Tell など、プレゼンテーションを通じた表現活動


【 生徒が User として英語を学ぶことのメリットとは 】

 生徒が User として英語を学ぶ際、その学びは思考・判断・表現の力を高める機会にもなります。

  • 思考の深化: 言語を使って自分の考えを整理し、他者と意見を交換することで、論理的思考力や批判的思考力が育まれます。

  • 判断力の養成: 状況に応じた適切な表現を選ぶことで、コミュニケーションの場面での柔軟な判断力を養います。

  • 表現力の向上: 自分の意見や感情を英語で効果的に伝えることで、より豊かな表現力が身につきます。

また、英語の使用が実生活と結びつくことで、学びがより実践的なものになります。

  • 異文化理解の促進: 英語を使って異なる文化の人々と交流することで、多様な価値観を学びます。

  • グローバル社会での対応力: 国際的な場面で自信を持ってコミュニケーションを取る対応力が身につきます。


【 授業での具体例 】

「英語で自己紹介をする」という活動の例です。

  • Learnerの視点では、「自己紹介の表現(My name is…, I am from…)」を学び、正しい文法で文章を書けるようにします。

  • Userの視点では、学んだ表現を実際に使い、クラスメートと自己紹介をし合いながら、相手の言葉に反応する練習をします。

このように、「学ぶ」と「使う」をバランスよく取り入れることで、生徒の英語力をより実践的に育てるようにしています。


【 User視点とLearner視点:文法 vs コミュニケーション論争 】

 英語教育では、「文法をしっかり学ぶべきか、それとも積極的に使うことを優先すべきか」という議論が長年続いてきました。しかし、どちらか一方に偏るのではなく、バランスを取ることこそが本質的に重要です。なぜなら、文法を完璧に理解していても、それを会話で使えなければ意味がありませんし、流暢に話せても誤った文法を使い続けると、正確なコミュニケーションが難しくなるからです。

 ここで役立つのが、"Learn by doing"(実践を通して学ぶ) という考え方です。知識としての英語を学ぶだけでなく、それを実際の場面で使いながら習得することで、より自然な言語運用能力が身につきます。特に Userの視点を取り入れること で、教師は「この単語はどのような状況で使うのか」「この表現はどんな目的で使われるのか」といった実践的な使い方を意識した指導が可能になります。生徒にとっても、学んだ表現が実社会でどのように役立つのかを理解しやすくなり、単なる暗記ではなく、目的意識を持った学習ができるようになります。

 日々の授業では、文法の基礎をしっかりと押さえつつ、それを実際のコミュニケーションの中で使えるようにする工夫が必要です。例えば、新しく学んだ表現を使ったアクティビティを取り入れたり、ロールプレイやプロジェクト型学習(PBL)を活用したりすることで、生徒が「実際に使える英語」を身につける機会を増やすことができます。こうした学びを通じて、生徒は単なる「学習者(Learner)」から「使用者(User)」へと成長し、英語をより主体的に活用できるようになります。


【 まとめ 】

 英語教育では、Learner(学習者)User(使用者) の視点を意識することが、バランスの取れた指導の鍵と言えるでしょう。英語を「学ぶこと」と「使うこと」を両立させ、生徒が自信を持って英語を活用できるようになる。そんな授業づくりを、これからも大切にしていきたいですね。


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1人でも多くの先生方と子どもたちに、英語の楽しさ、人生の素晴らしさが届きますように!最後までお読みいただきありがとうございました!

Thank you so much for reading! I hope to see you again soon! Bye for now!

【英語の先生のためのひとことEnglish】

“Education is a social process; education is growth; education is not preparation for life but is life itself.”  
「教育とは社会的プロセスであり、教育とは成長であり、教育とは人生の準備ではなく、人生そのものである。」  ー  John Dewey


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