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DJ的視点で、夜の花見にぴったりの手作りプレイリストを作ろう【イベントレポート】

桜が咲き始め、お花見が楽しみになってきた3月24日(日)。「音楽のHITOKOMA -夜の花見-」と題して、プレイリストを作るイベントを行いました。

横浜と大阪の2会場を中継でつないで行った今回のイベントを、横浜の写真を中心にレポートします。

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イベントレポート(横浜)
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場所は横浜は日ノ出町。目の前に大岡川の桜を臨む、Tinys Yokohama Hinodechoで。

今回講師を務めていただいたのは、大阪・中津にある「ハワイレコード」の店長AKIRA KUBOさん。KUBOさんには、大阪会場である「ハワイレコード」から、横浜にもアドバイスを送っていただきました。

【イベントの流れ】
KUBOさんが事前に2曲課題曲を選び、「この2曲+当日一緒のグループになったメンバーが選んだ『夜の花見』で聴きたい曲」を組み替えてSpotify上でプレイリストを作る。

【課題曲】
・さくら/ケツメイシ
・アニエスベー/The Wisely Brothers

KUBOさんが課題曲としてこの2曲を選んだのは「国民的ヒット曲と、比較的マニアックな曲という対極同士の曲を同じプレイリストに並べることでヴァラエティーに富んだものになると思ったから」。

「イメージとしては対極同士ではありますが、この2曲は速さやビートの打ち方という捉え方では近しい曲同士なので、BPM(速さ)を揃えてつないでいくDJ的つなぎもできる余地は残しました」。

プレイリストを作るときのポイントは2つ

1つ目は、プレイリストのハイライト(核)となる曲を決めること。ハイライトを決め、それを中心に展開することで考えやすくなります。今回はハイライト曲を、最初もしくはラストに配置しました。

2つ目は、KUBOさんが「BPM(速さ)を揃えてつないでいくDJ的つなぎ」と語るように、曲の頭と終わりの意識です。できるだけ同じようなBPM、テンションの曲を続ける方がDJっぽくすんなり曲が繋がり、よりプレイリストらしくなります。

KUBOさんは「プレイリストの核となる曲に『さくら』を選んでもらうことを前提に考えていた」とのことでしたが、色んな人が集まると趣味は人それぞれ。

実際にはグループごとに個性がでました。

ハイライト曲を決めたら、いよいよ実際に聴き比べて順番を考えていきます。なかなか繋がらないときは、あえて曲を選び直すことも。

そしてグループ内でこだわり抜いた末に、ついに夜の花見にぴったりの手作りプレイリストが完成!

参加者の方に感想を聞いたところ、「上手く曲が繋がったときはとても快感でした!」「来週友だちと花見をするので実際に流してみようと思います」とのことでした!

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完成した手作りプレイリスト
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今回は横浜と大阪で、合計5グループの手作りプレイリストが完成しました。

KUBOさんも「夜の桜というテーマ。夜と桜どちらのテーマも満たす曲は少ないので意外と難しかったのでは?難しいテーマ設定だったのにも関わらず、各グループともテーマをうまく解釈しまとめることができて凄いと思いました」とのこと。

その完成したプレイリストを、KUBOさんのコメント付きでそれぞれ紹介します。

【東京 グループ1】

課題曲として国民的ヒット曲「さくら」を一曲こちらで選択しましたが、「春の歌」はそれよりも強い印象があり、プレイリストの核にしたいと思ったのでしょうか?意外と「サーカスナイト」だったのかもしれませんが。

選ばれた曲は、ビートの打ち方だけで考えるとどの曲も全く違います。DJとしてのセオリーだと「さくら」、「アニエスベー」、「まともがわからない」は同じ流れかなと思います。でも似た印象の曲が続くと印象がのっぺりしたものになります。DJってグルーピングしながらも、正反対にどうやっていびつにしていくか、両極端を行き来しながら考えるということなのかもしれません

話がそれました。このグループは、「春の歌」の次の曲をどれにするか?「きっとね」の配置位置をどこにするかがポイントだった気がします。完成したものは、印象が違う曲同士を見事な流れで違和感無く並べた良いプレイリストだと思います。

「春の歌」で始まり、一曲で完結しそのムードを少し引きずりながら「アニエスベー」へ。それ以降も、曲の順番を一曲でも入れ替えたら成立しないのではないかと思うほど。特に「さくら」から「まともがわからない」への流れが気持ち良いです。

【横浜 グループ2】

ケツメイシ「さくら」のインパクトがかなり強いと思っていたのですが、コブクロの「桜」は更に強い。しかもこんなに強い曲を中心曲に選ばない所にこのグループのこだわりを感じます。

ケツメイシ、コブクロの曲。どちらもみんなが知ってる曲。大ネタの場合気をつけないといけないのは、連発して並べるとどこか気恥ずかしくなる場合があるということ

でもこのグループのプレイリストは流れとバランスがよく、コブクロの文句なしのメロディーの良さを引き立てながらも、洗練さも兼ね備えています

正反対の印象の曲を同じプレイリストの中に配置し、どの部品が欠けても入れ替わっても成立しないギリギリのバランスで成り立たせる。それがうまくいった時にプレイリストを作る快感を味わえるような気がします。

このグループは、「なんてったって春 」の次の曲を選ぶのが難しかったのではないでしょうか?他の曲と違いテクノっぽい音色と全体の沈んだ印象。シンセサイザー→ピアノ+琴の音色、マイナー調同士ということで、ケツメイシへの流れがはまってますね。

【大阪 グループA】

「夜の桜」がテーマであれば、確かに坂本冬美のこの曲は外せませんね(笑)。でも普通はコレ選ばない。そこをあえて選び果敢に挑戦した事で良いプレイリストができたと思います。

また次の曲として「疾走する閃光」を思いついた時点でこのプレイリストは完成したようなもの。「夜桜お七」の続きのようなイントロと楽曲のテンションも近い事が相性の良さの理由ですかね。ピアノつながりで「さくら」に展開させ、同時に少しテンション抑えめの流れに変えることで、以降の曲への橋渡し役にもなっています。

「夜桜お七」から「さくら」までがひとかたまり。「さくら」の終わり部分余韻がさみしく感じ、そこから「CURLES」につながりさらに展開していく。無理ない流れがあり、面白くも心地良いプレイリストだと思います。

【大阪 グループB】

お手本のようなプレイリスト。正反対の印象の「恋は桃色」と「ワタリドリ」をイントロとアウトロのような扱いにし、ドラムの打ち方が近い「あこがれ」と「アニエスベー」をひとつのかたまりにして、その間を橋渡しするような曲を見事に配置し、違う印象の曲同士なのに流れをつくりながら違和感なくまとめています。サスガです。

他のグループもそうですが、例えば「空はまるで」とか、「あこがれ」とか直接テーマと合致しなくても曲調が春らしいというような曲の選び方が良いです。どこか春のムードがありますよね。

【大阪 グループC】

「卒業」、「WHITE MORNING」、「SING-LA」の三曲は、課題曲である「さくら」や「アニエスベー」と楽曲の印象が違うのでプレイリストをまとめるのが大変だったのではないでしょうか?難しい選曲のなかいい感じでまとめて凄いと感心します。

困難な中、前半二曲をひとかたまりに、「卒業」、「WHITE MORNIG」、「SING-LA」を展開しながらひとかたまりにし、「さくら」で橋渡しにして完成させたという感じでしょうか。でも、苦労した分ヴァラエティーに富んだおもしろい仕上がりになったと思います。

「さくら」の後に「卒業」を聴くと「さくら」は80年代曲のムードを取り入れてるようにも聴こえますね(卒業自体は90年代ですが80年の続きのような印象)。

また、音響系やエレクトロニカっぽいムードのある「WHITE MORNIG」が前曲「卒業」のシンセの音色からか、なんとなく流れがつながり、そのエレクトロニカっぽいムードで「SING-LA」につながってる流れがおもしろかったです。

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フォトレポート(大阪)
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また近々イベントを開催しようと現在新たに企画中です!気になった方は、ぜひHITOKOMAのnoteアカウントをフォローしてください!

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edited by yuki.sagan
大阪出身、東京在住。HITOKOMA主催・noteの編集。普段はwebメディアの運営。原体験は大学祭実行委員会。フェス、舞台、流星群などライブ感、非日常感のあるものが好き。スガシカオ、長澤知之、二階堂ふみのファン。

all Yokohama photo by Kazuki Okado/Okapi

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