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心理学の歴史をX'masの日に【Ep16】

こんにちは、ひとかどさんです。
X'masの今日、わたしが配信したいのは…心理学の歴史です。
人の心を扱う心理学という「科学」の歴史を、ロマンチックなX'masに語ろうではありませんか。

心理学のルーツは哲学?〜人って、2000年前から「心」を考えている〜

心理学というと近年の学問に思えますが、そのルーツは哲学にあり、そういう意味では現代でいう「心理学」という「人の心を考える営み」は、実は2000年も昔の古代ギリシャの時代から存在していたのです。

現代人も、古代の人も、人間って根本は変わってないんだな〜と考えさせられます。いつの時代も、目には見えない「心」というものに人は興味を持つのかもしれませんね。

古代ギリシャにおける心理学の萌芽

ここは古代ギリシャ。
ソフィストという弁論術に長けた人たちが偉そうに人々に教えを授ける中、一人の変わり者がいました。その人物とは…「ソクラテス」。彼は、道ゆく人やソフィスト達に色々と質問して回っていました。

「勇気とは?」「幸せとは?」色んなことを、物知りと言われるソフィストに聞いてまわり、そしてある時気づくのです。

「あ、この人たち知ったかぶりしている」
「そうか、おれは、『知らないこと』を知っているのか」
そう、”無知の知”ですね。

これぞ、今でいう「哲学」の始まりです。
つまり、あることについて、「〇〇とは?」「なんで?」「どうして?」と考え、とことんまで問い続け、突き詰め、探求していく営み(=学問)です。これが、「知を愛する」という意味を持つ哲学(Philosophy)です。

そんなソクラテスの弟子が「プラトン」です。
彼は、「マインド」というものを脳とはまた違う器官として人間の中のどこかに「ある」と考えました。

さらに、プラトンの弟子「アリストテレス」は”万学の祖”と呼ばれています。
彼は、人の体の中には「心」があると考え、体というのは物質的で機械のようなものだと考えました。

これこそ「心理学」が言葉としては定義されないながらも、概念として生まれた瞬間だと思います。

なお、アリストテレスの考え方は、中世ヨーロッパにおいて、デカルトが「マインドが体をコントロールしている」と主張したように、脈々と受け継がれていくのです。

心理学の興りー初めて心理学者を名乗った男

時代は進み、ここは1879年ドイツー。
「ヴィルヘルム・ヴント」という一人の哲学者がいました。
彼は、人の「心」というものを、哲学から切り離して、「心理学」というサイエンス(科学)として探求する必要があるのではないかと考えました。
そして、初めて「心理学実験室」を作り、自分を「心理学者」と名乗ります

その後、ヨーロッパとアメリカの各地の大学に心理学科が設置され、心理学が学問として発展していったのです。

そう考えると、心理学って、2000年以上昔の古代ギリシャで芽生えたものの、学問として確立されたのは、ここ150年くらいのことで、やはり「まだ新しい学問」なんですよね。

人って「機械(マシーン)」?:行動心理学

初期の心理学は、「行動心理学」とも呼ばれる学派となります。
すなわち、人というのは外的刺激を受けて自動的に反応する、雑に言ってしまえば、「機械(マシーン)」のようなものだと考える学派です(まるで、ONのスイッチを押したら灯りがつき、OFFのスイッチを押したら灯りが消える照明のように)。

初期心理学は、「実験」して証明するアプローチをとっていることも特徴的です。
つまり、ある程度の数の人間(もしくはサルやラットなどの動物)をサンプルとして集めて、一定の傾向を知ろうというスタンスです(こういうやり方で真実を追求しようとする学問を”実証科学”と呼びます)。

「無意識」という領域:フロイトの精神分析

さて、学問というのは「批判」によって発展していきます。
ある既存の考え方に対して、「それって違うんじゃないの?本当はこうなんじゃないの?」と違う考え方をぶつけていくわけですね。

行動心理学に対してぶつけられた考え方が、「ジークムント・フロイト」が提唱した「無意識」という概念に代表される精神分析心理学です。

この学派では、人には「無意識」という領域があるから、ある外的刺激を受けたとしても人によって反応は異なるし、そもそも人間は「機械(マシーン)」ではない、という立場をとります。

そして、「無意識」の領域を、もっぱら「過去」に求め、その人の過去を紐解くことで、なぜこういう思考をするのか、精神的に分析するのです。

第三の心理学:人間性心理学

心理学という学問のさらなる発展は、人間性心理学という学派として生み出されます。
この学派は、1950年代から登場した比較的新しい学派であり、それまでの主流な心理学の思想を批判するものでした。

これは、人は機械ではないし、過去ばかり考えて分析するのではなく、「人間」の「確かな今」を捉えようとする心理学です。

「確かな今」とは何かといえば、それは「人が何に動機付けられるか」であり、「人はどんな欲求を持つか」ということです。簡単に言うなら、より人間的側面を重視した学派といえるでしょう。

つまり、人間性心理学では、人間の行動は、外的刺激を受けて自動的に反応するのではなく、何かに「動機づけられている」又は「何かをしたい」を出発点として考え、人間の動機や欲求を認識し、私たち人間は、自分で自分の進みたい道を選ぶものだと捉えるのです。

そして現代へ…

AI、ビッグデータ、仮想通貨…
日々技術が進歩し、目まぐるしく状況が変わる現代。
人の「心」は移ろいゆくものであり、時代に即した心理学者の探求は留まることを知りません。今回紹介した主な3つの学派以外にも、開発心理学認知心理学といったカテゴリーもあります。きっと今後も新たなカテゴリーが世の中に生まれてくることでしょう。

さて、今年の8月28日のnoteでの初めての投稿から4ヶ月が経とうとしています。参考までに、この4ヶ月間で配信した記事を、今回ご紹介した心理学の学派ごとに分類しましたので、よければ学派のイメージを感じてみてください。

行動心理学:Ep4学びのキャパ

精神分析:Ep2信念開発

人間性心理学:Ep12自己肯定感
人間性心理学:Ep14選択理論

開発心理学:Ep8人間開発8ステージ

認知心理学:Ep6経験モデル
認知心理学:Ep10非合理な信念

(奇数エピソードは各トピックを『ONE PIECE』『NARUTO』で考察する回)

年末のご挨拶

2022年はひとかどさんことわたしが、再び新たな一歩を踏み出せた感慨深い年になりました。いつも応援いただき、ありがとうございます。

より良い人生を送るため、人の「心」を理解し、よりよく生きたいと思うのが人間ならば、今年の聖夜は、心理学の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

では、メリークリスマス!そして、よいお年を!!

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