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私の人生に影響を与えた映画たち   ③マイ・フレンド・フォーエバー The Cure (1995)

私は映画が好きすぎてアメリカに留学しましたが、そんな私の人生のターニングポイント、または、私を支えてくれた映画を紹介したいと思います。

エイズの少年と孤独な少年の物語

監督:ピーター・ホルトン Peter Horton
主演:ブラッド・レンフロ Brad Renfro

以前、私は子供の頃Roadshowという映画雑誌を購読していたと書きましたが、その雑誌で一目ぼれしたのが、この映画に出ているブラッド・レンフロです。そして、彼の映画をレンタルショップで探して見つけたのがこの映画です。

ブラッド・レンフロが演じるのは、母親と二人暮らしで、隣に越してきた少年のせいで学校でいじめられている少年、エリック。なぜその少年のせいでいじめられたかと言うと、その子がエイズに感染していたから。今でこそ、完治はしないにしても、薬で対処できる病気ですが、当時はまだ治療薬がなく、感染すれば死に直結し、また、同性愛者に多い病気だったため、エイズに対して激しい差別がありました。この少年、デクスターは輸血が原因で感染しました。比較的新しい病気で、この病気に対して知識がなかったエリックは、空気感染すると思い、最初はデクスターと交流することはなかったのですが、ある日庭で遊んでいるときに、塀越しに会話をし、空気感染しないことを知ったエリックは、デクスターと交流を深めます。

エリックの母親は、今でいうネグレクトに近い状態でした。いつも孤独だったエリックにとって、デクスターの存在は日に日に大きくなり、何とか、彼の病気を治せないかと治療薬を探す冒険を始めます。

母の愛

先ほどエリックの母親はネグレクトしていると書きましたが、そんな彼女と対照的なのが、デクスターの母。彼女もまたシングルマザーなのですが、息子がエイズという、母親としては絶望的な状況でも、息子の前では、ユーモアを忘れず、常に愛情たっぷりに息子を育てています。

彼女に関して、印象的なシーンがあります。エリックは、デクスターの家で一緒に夕飯を食べるのですが、その日の夜、忘れ物に気付き、デクスターの家に行くと、いつも明るい母親が暗闇で一人で泣いていました。自分の子供が大人になる前に死んでしまう。そんな現実を一人で受け止め、それでも前を向き、息子のために一日一日を生きる彼女の姿に母の強さを感じました。

一方、エリックの母は、常に仕事があるため、家にいる時間はわずか。離婚の傷が癒えず、息子の前で、夫の不倫相手の話をしたり、デクスターをあからさまに差別したりと、息子のエリックと向き合うことを避けています。
そんな対照的な2人がラストで、エリックをめぐってあるやり取りをするのですが、このシーンは毎回泣いてしまいます。(何十回もこの映画を見ていますが、このシーンは本当に嗚咽が出るくらい泣いちゃいます。)

見るたびに新しい感動

この映画に出会ったとき、私はまだ小学生でした。まだ、エイズのことをよく知らなかったのですが、美しく悲しい友情物語に深く感動して、何回も何回も見ました。そしてエイズについて調べ、エイズがテーマの映画も見るようになりました。私の妹もこの映画が大好きで、よく2人で一緒に見ました。思い出の映画です。

最初は2人の友情に感動し、何回か見るうちに、母親の愛情に感動し、と、見るたびに新たな感動がありました。この映画に出会って、同じ映画を何回も見る癖がついたかもしれません。



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