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【読書感想文】美容は自尊心の筋トレ/長田杏奈(自分を意識する)
美容にあまり縁のないまま人生半分ぐらいを生きて来たのですが、体中がメンテナンスをしないと追いつかない年齢となってきて面白半分で手に取ってみたこの本が良い意味で重かった。「はじめに」の
私は、女性が健全な自尊心を育むことができたら、世界はよりよく変わると本気で信じている。
という所でもう泣くかと思いました。アマゾンで読める前書きだけ読んでも少し元気になれるぐらいです。
もともと私は「美しいは正しい」という事は信じています。
子供が小さかった頃、子育てで何が善悪か判断基準がよく判らなくなっていた頃に養老孟司さんのこの言葉に出会いました。
例えば子供が「○○がしたい」とぐずっていたとする。お菓子が食べたいとかもっと遊びたいとかお風呂に入りたくないとか些細な事です。そこでなだめすかして(又は脅して)言う事をきかせるか、迎合して「今日は特別ね」としてしまうか。
子供の機嫌というのは疲れ具合や天候や気圧や時間帯やら、私の疲れ具合で変わりますし、同じ事でも毎回同じ判断という訳にもいかず、しかし子育ては判断の連続で、判断に疲れ切っている時がありました。
その時養老さんの「美しいは正しい」に出会って、ああ、これなら私にも直観的に判断できる、と思ったのです。この直観判断は人によってポイントが違うと思いますが、私はこの美的判断が判りやすくてとても楽でした。
それ以来悩んだら美しい方を選ぶようにしています。もちろん悩む間もなく醜い方を選ぶ時もあります。
こんなに美に信頼を置いている私ですが、こと「美容」となると及び腰でした。ふと鏡を見ると日焼け止めが鼻の頭に残っていたりするぐらいおざなり美容。
何だか「美容」というと美女かナルシストの特権のような偏見がありました。その思い込みを、そうではなくて美容は自分を大切にする事だよ、と長田さんがじっくり説得して下さいます。
この本を読んで、とりあえず丁寧に顔を洗い、スキンケアはハンドプッシュで、と思ったにもかかわらず、少し気を抜いていると顔を洗ったのも何か塗ったのも覚えていない時があります。
たいてい何か考え事をしていて、目の前の日常をおざなりにしているのです。TEDで聞いたのですが「人間の考えている事は9割以上前日と同じ事」だそうなので、たいした事を考えているわけでもなく、正に「モモ」に出てくる時間泥棒に時間を取られているわけですね。
気を付けていると私は日々時間泥棒に時間を取られているようで、お風呂でリンスをしたか覚えていなかったり、家の鍵を閉めたかどうか記憶になかったりします。先日誓ったスリッパ揃えもできていない時がある。
美容云々の前に、日々の目の前の事を気を付けてちゃんと行う訓練をしてゆこうと思いました。