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のんびりオウムガイとせっかちアンモナイト【生き物からのラブレター#34】

わたしって、自分が思っているよりもずっとずっとせっかちだったんだな〜というお話。

こどものために図書館でたまたま借りてきて読みました。

オウムガイアンモナイトの歴史や生態などをやさしく解説してくれる絵本です。

それはそれで学べる素晴らしい絵本。

ですがこの絵本、つまり何が言いたいのかというと

  • オウムガイはのんびり屋だけどのんびりと生き延びた

  • アンモナイトはあっという間に繁栄して、あっという間に絶滅した

  • 人間も急ぎすぎじゃないですか?

ということです。

オウムガイやアンモナイトについての解説が大部分を占めるので、息子は読んでるうちにスヤスヤと寝てしまったのですが。。。最後まで読んだ私はハッとしました。

せっかちアンモナイト、これ私のことだ〜と。

というのも、来春4月から小学生になる息子に対して最近イライラしっぱなし。ガマンできずについつい口を出してしまうことが多かったからです。

このごろの息子は、遊具で遊びたいのに他の子が遊んでいるので入っていけずモジモジしていたり。歯医者さんで先生に質問されても何も答えられなかったり。家でも気に入らないことがあると、泣くかう〜う〜唸るだけで理由を教えてくれないのでお手上げ状態でした。

なんでみんなの輪に入っていけないんだろう。なんで他人とコミュニケーションとれないんだろう。なんで言いたいこと言えないんだろう。

もうすぐ小学生なのにこんなんでどうするの?と私の不安はピークに達していました。

そのことを保育園の先生に相談したところ、

「ママの不安が伝わってるんじゃない?小学生になるんだから、このぐらいのレールには乗っかっといてよ!というプレッシャーを感じてるんじゃない?」

と言われました。

子供の成長のタイミングは人それぞれ。そんなことは分かっていたはずなのに。
もうすぐ小学生ってだけで、周りの子と同じレベルにしなくては!と焦って迫っていました。

これってアンモナイトは1ヶ月で産まれるんだから、本来は1年かけて孵化するオウムガイにお前も1ヶ月で出てこい!と無茶振りしているのと同じだと思うのです。

待ってみよう。息子が息子のペースで成長していくのを見守るだけにしよう。

そう決めてから行った歯医者の日。

先生「前にこれやったの覚えてる?」

息子「・・・」

息子「・・・」

私「覚えてるよね!」←と言うのをガマンした。

息子「・・・」

息子「覚えてる・・・」

それからはポツポツと答えられることは答えるようになりました。観察していると、先生のお話はよく聞いているし、ちゃんとコミュニケーションとれています。

あぁ、私ってどれだけせっかちだったんだろう。どれだけ息子の可能性を潰してきてしまったのだろうと絶望しました。

生き物にはそれぞれの特性やペースがあります。それらはどれが優れていて、どれが劣っているというような優劣はありません。

せっかちアンモナイトさんも劣っていたから絶滅したわけではありません。でものんびり屋だとバカにしていたオウムガイはオウムガイであったから生き残れた。

息子が息子であれるように。
私が私であれるように。

のんびり構えて、“待つ”余裕を持てたらいいなと思ったのでした。


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