仕事と育児の両立について、ワーキングマザー9年目に思うこと。
先日、大学時代の友達から子育てに関する相談のLINEをもらった。
12月で1歳になる娘ちゃんの保育園の申し込みに関して、旦那さんと意見が合わずに揉めているとのこと。
最大まで育休を延長して(なんなら退職して幼稚園入園まで)、家で育児をしたい友達と、早めに保育園に入れたほうが良いと主張する旦那さん。
聞けば、旦那さんは保育士で、保育士目線での早期入園の良さや希望園への入園のしやすさなどを考慮して1歳での入園を勧めてきているようで、その意見にもしっかりと根拠がある。
友達は優しく穏やかな性格だし、旦那さんも普段は温厚な方らしいのだが、この話だけはどうしてもヒートアップしてしまい、うまく話し合いが出来ないそうで「先輩ママの話を聞きたくて」とわたしにLINEをくれた。
我が家の子どもたちは現在8歳と6歳。
すっかり大きくなってきて、保育園に預け始めた時のことなんて忘れかけていたのだが、これをきっかけに思い出しながら、そしてあの頃わたしは何を考えていたのだろうと振り返りながら、友達に返事をした。
その内容をここにも残しておこうと思う。
ワーキングマザーと一言で言ってもいろいろ
まずわたしは、自分と友達の考え方の違いに驚いた。
わたしが第一子である息子を産んだときは、とにかく早く仕事に復帰したかった。息子をかわいいと思う気持ちはあったものの、どちらかというと「この命を守らなければいけない」という重圧のほうが大きかったのだろう。
薄情な母親だと思われるかもしれないが、二人きりの時間が長く感じて、二人でいるのに孤独で、眠れない夜が怖くて、早く保育園に預けることで他の人と育児を共有したかった。(夫はこの頃仕事で帰りが遅く、基本育休中のわたしがワンオペで息子を見ていた。)
そんな状態で、かつ1歳児になってからの入園は難しいと役所で言われたこともあり、11月半ばに出産してすぐに次年度の保育園の申し込みをして、4月には生後4ヶ月の息子を保育園の0歳児クラスに入園させて仕事復帰した。
なので、友達の「できる限り家で育児をしたい!離れるのは寂しい!」という気持ちを聞いて「そんなことってあるのか……」と驚いた。そして率直に、素晴らしいなと思った。
何のために働いているんだっけ?
そんな経緯で、自分の希望で育休を早々に切り上げて仕事復帰したにも関わらず、復帰後の悩みは尽きなかった。
覚悟はしていたが、いわゆる「保育園の洗礼」。
0〜1歳の頃は特に、よく感染症にかかって休んだ。
もちろん子どもが病気になれば家庭を優先して仕事を休むのだが、大体は急な休みになるので、中途半端になっている仕事や当日のアポイントを他の人に託し、上司や同僚への申し訳ない気持ちと焦る気持ち。
同時に、熱が上がったり下がったりすぐには完治しない子どもの状況に、仕事に対する焦りから「なんなん?早く治ってよ……」と苛立ちすら覚えてしまう、身勝手な自分へのやるせなさ。
仕事も育児も中途半端で、会社にも子どもにも申し訳ない。
会社のためにも子どものためにもなっていない。
わたし、なんのために働いてるんだっけ?
そんな気持ちを抱えながら仕事をしていた。
ワーキングマザーとしての諦めと度胸
そんな感じで、一度目の育休からの復帰は、仕事と育児の両立の難しさに翻弄され、ネガティブな感情を抱えている期間が長かった。
復帰後1年半ほど経過したときに二人目の子どもを妊娠し、今度は一年間の産育休を取得後、二児の母として復帰した。
子どもが二人になって、大変さは2倍どころか体感5倍くらいになっていたが、一度目の経験があったのでメンタルは強かった。
子どもがいたら、予期せぬ体調不良は当たり前。明日会社に来られる保証なんかない。ひょっとしたら、1時間後には保育園から呼び出されて帰らないといけないかもしれない。
常にその心構えを持って、自分だけの仕事は作らない。周りとの情報共有を欠かさない。自分の努力ではどうにもならない子どもの急な体調不良や怪我は防げぬものと諦めて、無駄に自分を責めない。周囲にはお詫びの上で助けてもらう。その代わり、働ける時間は全力で他の人の仕事もサポートする。
徐々に、ワーキングマザーとしての身のこなし方を覚えていった。
わたしは自分のために働いている
一度目の育休復帰後、会社にも子どもにも申し訳ない気持ちを抱きながら「なんのために働いているんだろう」と悩み考えていたが、おそらく答えは簡単。
わたしは自分のために働いている。
働いて、一瞬でも人の役に立っている自分が好きで、少ないながらも自分の力でお金を稼げていることに誇りを持っていて、今の会社で一緒に働く人が好きで、この会社を辞めたくなかった。全ては自分のため。
仕事にも育児にも全力で没頭できない状態であっても、幸い会社からは必要とされ続けているし、子どもたちも心身ともに健康で元気だ。
この状態が続く限り、わたしは自分のために働き続けたい。
やめ時は決めておく
一方で、家族(これは子どもだけではなく、夫も含め)が心身ともに健康でいられなくなったら仕事はサッパリやめる、とも決めている。
朝から夕方まで起きている時間の大半を離れて過ごしていて、接する時間は短いが、異変には気づけるように家族の表情や言動に目を向けることは大切にしてきた。
今後子どもたちが大きくなっても、自分の中でのこのルールは変わらないと思う。
長時間保育は子どもの成長に良くないだとか、3歳までは母親と過ごすべきだとか、母乳だミルクだとか、抱っこのだっこのしすぎはよくないだとか、巷にはいろいろな説がありそれらを力説する人がいるが、親も子も個性ある人間。
万人に当てはまる説なんかないのだから、目の前にいる家族の表情や言葉、そして自分の心を信じて、この先の行動を決めていくことが大切なのだ。
外野がなんと言おうとも、自分と家族が健康で楽しく過ごせることだけを考えて、そのために全力を尽くしていこう。
と、友達に伝えながら、自分にも改めて言い聞かせた。
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