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「マンガは消費財でなく耐久財を目指すべき」は本当なのか?(2025年2月8日の日記)
生活
昼に起きたのに昼寝してしまい無為な一日。日の出ているうちに秋葉原へ散歩に行き、書店やブックオフを巡って論考に使う資料探し。カレー。アニメを見ているうちに深夜2時。
マンガは耐久財を目指すべきなのか?
大場渉・森薫・入江亜季『マンガの原理』を読む。著者がかなり強い構造主義的立場をとっており、映画理論や先人の提唱した技法なども参照しながら本当にひたすら形式・文法のことを学んでいく。漫画読者にとってはマンガを形式面から批評できるようになって嬉しい。一人称が俺で口語調なので講義録のような印象。
ところで序章では漫画に技術が必要な理由が述べられている。職業漫画家としてすっと食べていくためにはインパクト重視の消費財的な漫画よりも地味だが耐久性がある作品を作るべきであり、そのためには技術が大切だという立場をとっている。確かに寿命が長くてずっと愛される作品を作れたら作家としても嬉しいだろうし、長期的にも安定した収入になるとは思う。芸術志向であったり新人作家の育成の場でもあったりする月刊誌を手掛けてきた著者らしい立場だと思う(一方でお金を稼ぐならインパクトで攻めるほうがよいのではないか、インパクトは週刊誌の方が向いているとも言っている)。
しかし紙の雑誌が衰退し始めてデジタルシフトが進み、ウェブ系やスマホ漫画が存在感を増してきた昨今において、月刊誌の新人育成機能がどのくらい機能し続けるのか不安を覚えなくもない。漫画サイトでは雑誌のように載っている連載すべてを掲載順に全て読むということがなく、広告とそのインパクトで注目を奪い合うことになる。1巻を十分に売らないと2巻で打ち切られるような状況で生計を立てることを迫られている新人漫画家のなかで、バズやインパクトを志向せず耐久財的な作品を目指す選択肢がとれる人は必ずしも多くないのではと思う。また長く愛される作品を志向するということで紙の本を前提としたテクニックを述べているように見えるが、前述のようにいま漫画家として頭角を現すにはウェブ(=スマホ)での勝負が求められがちに思われ、それらにおいては画面サイズや見開きが使いづらいなどの制約も課されるため必ずしも同じテクニックにならない可能性がある。この過酷な生態系の中で、耐久性がある漫画こそよいものだと主張することは結構難しいのではないかとどうしても思ってしまった。
きょうのカレー
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きょうの秋葉原
秋葉原リバティー4号店の裏のビルの隙間に花房稲荷神社という神社があると聞いたので見に行く。意外な場所にあるのにお供え物もあり参拝客もいた。
きょう観たアニメの感想
スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 5話(再放送)感想
このところ異常に凶悪な異世界アニメばっかり見てるから成敗ではなく和解を選ぶこの作品の基本方針が本当にうれしいよ。みんなかわいいし本当にいい人達揃いで……
Sランクモンスターの《ベヒーモス》だけど、猫と間違われてエルフ娘の騎士として暮らしてます 6話感想
盾を叩いて敵を挑発するシーンとか、ゲーム風のスキルやステータスの要素に頼りすぎないで地に足付けてファンタジーやっててファンタジー部分だけで見るとかなり面白いんだけど、信じられないほど下品なエロ要素がノルマで入ってて頭がおかしくなる!!!!
ババンババンバンバンパイア 5話感想
因縁のバンパイアハンターとの対決かと思ったらBLになるのバカおもろい。ラブってあらゆる理屈や因果を超えて作用させても成立するジョーカーみたいなカードで、これでシリアスな話をぶった切ってちゃぶ台返しするギャグにしちゃったのってジョーカーの正しい切り方だなと思った。
俺だけレベルアップな件 Season 2 18話感想
作画が凄いけど全然話にノレなかった今までと違って、敵の格を示して劣勢を作りヒーローとして水篠が登場、敵ボスと交互に攻めの手を指しながら上回って圧倒していく流れの組み立てがかなり上手い。今までの何これ感が嘘みたいなレベルで作画とバトル展開がきれいにマッチしたベスト回だった。
青の祓魔師 終夜篇 6話感想
奥村燐の出自の秘密がついに明かされる回。ただ不幸な話を筆が乗りすぎてる状態で書いてないか?という不満があった今までのシリーズと違って、出自の秘密とそれに対してショックを受ける燐、そのうえで雪男とどう対峙するかのフックもあり、不幸ポルノになってない面白さがあり満足。ベテランの実力派キャストの演技も豪華。
沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる 6話感想
沖縄ローカルネタを使うことで不自然さを薄めつつ勘違いラブコメをやれていて良い。お盆の集まり、ギャグタッチだけど合間に挟まる夏のエモーション。沖縄のすごい台風を使って2人きりラブコメ展開へ舵を切るのも中盤で変化球が欲しかったから嬉しい。アニメが上手い。
メダリスト 6話感想
いのりが夢に向かって進んだ今までのストーリーで見落とされていたかのような、司先生サイドの生活と現実に切り込む重さ。運転席の加護と助手席の司、ふだんコーチをしている司が導かれる逆の構図。重めの話題からラストの優勝を喜ぶシーンの動きの嬉しさで締めるカタルシス。
それにしてもメダリストのキャラって子供でも言葉や表情からすごくはっきりした自我や意欲が感じられて、子供であっても主体性を信じてる人の描写だなって感じがする。アニメでもその部分を強調するような芯のある演技。
魔法つかいプリキュア!! ~MIRAI DAYS~ 5話感想
子供から大人になって感じる周囲の目線の変化(=リアリティラインの上がり方)、自立した生活の大変さ、親の老いを受け入れるということ。当時を見ていた世代へ宛てた続編っぽいと思う。
ストーリーも謎に迫ってきてて面白いんだけどもっと浅い時間でシャキッとした状態でみてちゃんと味わいたいよ……