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ヒットの手がかり:罪悪感をなくす

今日もご覧いただきありがとうございます。
商品がヒットした要因を独自に分析、その中から一つを、”ヒットのヒント”として解説します。今日は「Qurra ぽけどらいさっと」を見ていきたいと思います。(画像引用元:https://3rrr-btob.jp/archives/items/3r-hcd02

ヒット商品がヒットした要因は様々あると思います。自分はこう考える、これは違うのでは?など意見がありましたら、ぜひコメントに残していただければと思います。皆様のコメントによって、より多角的な分析に繋がればと思います。

Qurra ぽけどらいさっとについて

10枚までの衣類に対応し、使わない時は折りたたんで収納ができる。
(画像引用元:https://3rrr.net/products/qurra-3r-hcd02?srsltid=AfmBOooloR89Nudn-7YwbAiC0GB6B71sdt-P3qUJV5ICE0c_9qwPH9yr)

「Qurra ぽけどらいさっと(以下ぽけどらいさっと)」は、小型家電やデジタル機器の企画・販売を行うスリーアール株式会社が販売する少量の衣類に特化した折りたたみ式の衣類乾燥機です。
2023年の5月から一般販売がされ、2024年12月1日放送のがっちりマンデーでは一芸家電として紹介、18,000台の出荷数量とのことでした。クラウドファンディングでの先行販売では569万円の売上を達成し、各メディアで取り上げられる機会も多い商品です。

罪悪感をなくす

「ぽけどらいさっと」の一番の特長は、少量の衣類乾燥が約1時間で乾くことです。製品ホームページを見ると子供用の体操服など「明日必要」というシーンを想定していることがわかります。
もし「ぽけどらいさっと」が自宅になかったとしても、乾燥機能がついている洗濯機があれば、このような場面でも対応が可能です。調べてみると、乾燥機がついている洗濯機を持っている人は約半数のようです。

乾燥機能のない洗濯機を使っている方が「ぽけどらいさっと」を購入しているのは、自然ですね。しかし、「ぽけどらいさっと」のレビューを見ていると、乾燥機能付き洗濯機を持っている人の中にもユーザーがいることがわかります。
なぜ、この人たちは洗濯機の乾燥機能ではなく、「ぽけどらいさっと」を使うのでしょうか。
この背景にあるのは、「もったいない」という感情だと思われます。少量の衣類、特に子供の服を1、2着乾かすような時に、わざわざ洗濯機の衣類乾燥機能のは、そこまでしなくても・・・と感じます。たとえ少量でも、洗濯槽の容量が大きいため時間が掛かり、つまりは電気代が掛かり・・・と考えると、手間もかかるし、結果的に「もったいない」という感情になります。

この「もったいない」をなくしているのが、今回の「ぽけどらいさっと」です。少量の衣類だけ入るスペースに暖かい空気を送ることで、時間も電気代も節約でき、少量の衣類乾燥でも罪悪感がないのが「ぽけどらいさっと」のベネフィットです。

販売面でのきづき

2023年に発売された「ぽけどらいさっと」ですが、現在のモデルは二代目の商品で、2021年発売の「Qurra ぽけどらい」が初代のモデルになります。二代目へのモデルチェンジでコンセプトはそのままに、収納時によりコンパクトになる構造や、長くすることでコートなどに対応した乾燥袋を採用することで、使い勝手を向上させています。

初代「Qurra ぽけどらい」乾燥袋と本体が一体のため収納状態でも大きい。
(画像引用元:https://3rrr.net/products/qurra-3r-hcd01?srsltid=AfmBOor-OmUD6lfwN7uSUIbeyAVAzsgnY1msIo5sTlaoTPV4DABGLYLy)


販売元のスリーアール株式会社では、自社のホームページや、ネット通販で商品を販売しており、レビューが多くついています。このレビューを製品のモデルチェンジに活用、量販店を通じて商品を販売するメーカーよりも小回りの利いた商品開発ができているのだと思います。
なお、調べていて驚いたのは、モデルチェンジで約4,000円価格が下がっていることです。商品が小さくなったことで、コストダウンもできているのでしょう。ユーザーの声も取り入れつつ、コストダウンまで行っている、素晴らしい製品開発の例だと思います。

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ヒット商品研究所
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