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パン屋のメニューから食品ロスを考える

パン屋のメニューは何種類?

皆さんパン屋の商品数って何種類位あると思いますか?

大体店の大きさに寄りますがお客さんが取るタイプのお店なら40〜60種類位はあるんじゃないでしょうか。

意外と多くないですか?生地の大きさが違うだけ、具材が違うだけ、とか数の増やしやすいはありますが食事パン、調理パン、菓子パン、焼き菓子、ケーキやタルト、飲み物など数えていくと結構増えていくんですよ。

大きな店だと100種類以上なんて店もあります。

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パン屋はロスとの戦い

でパン屋の基本はお客さんを待つ方法なんですね。

そして作るのに時間がかかる。大体前日か2日前
から準備をする訳です。

なのでその日にパンがどれくらい売れるかはオープンしてみないと誰にも分からないんです。

もちろん、天気から気温、曜日、時間帯色んな要素があってデータを取って精度を上げていくんですけど風の強さ(風速8mを超えると外に出なくなる)や周辺のイベント(運動会やお祭りなど)
にも影響受けますし、晴れのち雨と雨のち晴れでも売り上げが違うんですね。

本当に百発百中なんて無理ゲーな訳です。

そしてその日に売れなかったパンはもう次の日は売れない訳です。(もちろん商品によって2日売りしてるお店もあるし値引きしてたり、昨日のですと書いてあるか、などその店の考え方次第ですが)

そしてこれが問題の1つだと思うんですが、昔からの考え方だと閉店まで商品を揃えなくちゃチャンスロスだ。って考え方があるんです。

閉店間際に商品無いのが続くとあの店は最後の方はないんだと思われて夕方に来なくなるんです。

デパートなんかは顕著で最後まで無いとデパート側から怒られるんですね。なので夕方思ったより売れると慌てて追加して閉店間際に焼きたて出すとかね、極端な例ですが。


そして残ったら棄てる。


少なくとももうこのやり方は今の時代ではやってはいけないと思うんですよ。

日本の食料廃棄は平成28年で643万トンで毎日10トントラック1700台分棄てているそうです。

世界の食料援助は320万トン位らしいのでその倍を無駄にしてるんですね。

そしてその中身は半分強がお店や工場から出たゴミでは半分弱は家庭から出た食品ロスだそうです。

家庭からは今回置いておいて(減らし方は沢山ネットに載ってます)店や工場の食品ロスを減らす方法を考えたいと思います。

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食品廃棄を出さない売り方

まず閉店間際まで商品を沢山残さない。その日に売り切れるだろう量を焼く。

それでも百発百中は無理なので、最近やっているお店はInstagramやfacebookで残ったら告知するんですね。ある程度のセットにして宅配で買ってもらったりするお店もあります。
とても合理的でいい案だと思います、ある程度の発信力がある店舗は有効です。


パンの種類を絞るのもあります。
広島の「ドリアン」というパン屋さんは自分で納得した材料で5種類位かな?しか置いてないんですね。

「捨てないパン屋」という本も出していてパンを何年も捨ててないそうです。


考え方がとても素敵でその為の方法も合理的で、なおかつ実践しているので説得力があります。

僕もそうしたいですが色んな種類を作るのは作ってる方も楽しいんですね。なので今回は一般的な種類でなるべくロスを出さない方法を考えます。

パン屋のお客さんのピークはお昼時です、店舗によっては夕方の所もありますが閉店時がピークはあんまり無いと思います。

んでデータがあるんだからお昼のピークで7割位売り切れる位でいいと思うんです。

むしろ閉店まで頑張って焼こうとすると、そこから発酵とったり手間と時間が増えて帰るのが遅くなります。

数字は良くなりますけどシワ寄せは現場の人間に来るんですね。

こうなると労働時間が長くなりスタッフが続きません。

でも出来るなら売りたいです。が売り上げは読めないのである程度対応出来るようにしたいです。

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食品廃棄を出さない作り方①
〜作り方〜

大体廃棄にならざる得ないパンは具材を包んだり、何かを塗ってあったり挟んだりしてるパンです。

生地だけのパンなら次に書きますが二次加工出来るんですね。

人気店はワザワザそのパンを作る為に多くパンを焼く事もあります。

なので具材が入ったパンなどは極力減らしプレーンなパンを焼いておく。

そして包んだりではなくカットして挟んだり塗ったりして出せるようにして売れたら追加する。

プレーンなパンは残っても二次加工出来るので最後までパンがある。

最後は注文受けてからでいいと思います。

流行りのコッペパン屋さんなんかの考え方はこれに近いと思います。ロスが出にくく、塗るだけなのでパンがあれば技術はあまりいりません。

クロックムッシュとかもこれなんですけど、こまめに作ると焼きたて食べてもらえるしお客さんも喜んでもらえて一石二鳥です。

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食品廃棄を出さない作り方②
〜2次加工の手法〜

パンは本当に二次加工の手法がいっぱいあります。

代表的なのでラスク、クロックムッシュ、フレンチトーストとかがありますね。

他にもクロワッサンオザマンド(クロワッサンをシロップに浸してアーモンドクリームを絞って焼く)だったりパン粉にして使う事も。

パン粉はカレーパンにつけたり、ハンバーグに混ぜたり、料理でとろみをつける事も出来ます。

どっかの国にパン生地にパン粉を混ぜるやり方があります。保湿力がアップするらしいです。

何より食べ物を無駄にしない素晴らしい文化だと思います。

お米も残ったらチャーハンにしたりリゾットにしたり活用するでしょ?一緒ですね。

余談で荒技ですけどあんぱんとかも二次加工に使う方法はあります。けど流石に調理パンは厳しいかな……。

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これからの思考法

今まで個人店からコンビニで売ってる大手の工場も経験しました。

別に中にいる人はワザとロスを出そうとしてる訳ではないんです。工場でも熱意を持って働いてる人もいい人も悪い人もどちらもいます。

なので大量生産を別に否定しませんけど、その仕組みが大きすぎて臨機応変には出来ないようになってます。(規格から材料、生産数など)

結果ロスが多くなる。実感としてロスが出すぎてそのうち感覚が麻痺します。


昔と今の状況は変わってきました。

本当は少しずつ変わってきてたんだけど、ちゃんとその問題と向き合えてなかっと思います。

いきなり無くしたり止める事は難しいです、一人だけの問題ではないので。

でも「まず知る」事で変わる事はあると思います。

1人1人は大きな力は無いけれど、みんなで少しずつ出来れば大きく変わる。

1人の100歩より100人の1歩。

人をジグソーパズルのピースに見立てて、1ピースでは意味は無いけれど沢山のピースが集まりパズルの完成(力を合わせて目標を成し遂げる)を願いお店の名前をcasse-tête(カステット。フランス語でパズル)と名付けました。

まだまだひよっこの僕が発信を続けていつか誰かに考えが変わったよって言ってもらえる事を願いながら、下手くそな文章で綴っていきたいと思います。

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