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鰻獣 カバヤキング(城里町)


鰻獣ウナジュウ カバヤキング
身長:46メートル
体重:30010トン
生息地:城里町・那珂川
必殺技:秘伝のタレビーム、目釘ミサイル
弱点:梅干し

茨城県北西に位置し、関東きっての清流・那珂川を有する静かな街、城里町。その城里町の名物として那珂川の豊かな川の幸をPRしようと、新たな食のプロジェクトが始動した。那珂川で採れたアユ、そして天然のうなぎを使ったうな丼。店の前にはたちまち長蛇の列が並び、プロジェクトは大成功に思われた。
しかし人が増えると不届き者も増えるのが世の常である。うなぎ代をケチって、うなぎの焼ける香ばしい匂いをおかずに持参した白ご飯を食べる迷惑客が続出したのだ。家でやっているならまだいいが、店先に並んでやられるともはや営業妨害以外の何者でもない。店主はうなぎの匂い代を払えと激怒するが、迷惑客たちも財布をチャリンチャリンと鳴らし、匂いしか食ってないんだから代金は音で充分だろと負けていない。その時うなぎを焼く煙が街中からモクモクと那珂川に集まり、川の中から怪獣カバヤキングが出現した。せっかくの美味しいうなぎが醜い争いの原因となってしまった事に、心を痛めた那珂川の神が遣わしたのだ。カバヤキングの放つ芳醇なタレの香りに、その場にいた全員のお腹がグゥ~ッと鳴った。
「ケンカはよしましょう。腹が減るだけですよ」
「ですなあ。それよりみんなで仲良く、那珂川を味わいましょう」
店主は腕によりをかけてうなぎをふるまい、お客たちもきちんと代金を払った。そして仲直りした人々はホロルの湯に浸かっていつまでも笑い合ったのであった。



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