問いは、おもちゃに似ています。
文字通り、toy、ではないでしょうか。

幼児は「おもちゃ」を与えられると
創造と想像の翼を広げます。
遊ぶ。それは変化への触媒となる。
大人は「問い」を与えられると
論理と感情の翼を広げます。
考える。それも変化への触媒となる。

「問い」をきまじめに考え過ぎる人は
論理で「のみ」追求していって、
「遊び」がなくなる危険性があります。
一方で「問い」をふざけて考え過ぎる人は
感情で「のみ」追求して「遊び」が過ぎ、
いつしか尊大、独善的になってしまう。

真摯に、かつ、気楽に、バランスよく
「問い」を考えてみてはいかがでしょう?

おもちゃ=トイがたくさんある場所に
身を置くことは、問いを身近に感じて
変化できるチャンスが多くなります。

そのような場所に身を置くためにも、
自分の問いはさらしたほうがいい。
もちろん真摯に、かつ気楽に…。
トイは自分一人だけではなくて、
他人とも遊ぶことができるのですから。

言わば「問いザらス」の精神!

SNSは「問いをさらす」には良いツール。
読者の皆様の「トイ」は何でしょう?

さて、前置きはこのくらいにして
本記事では「問い」について書きます。

トイ(toy)、すなわち
「おもちゃ」には構造がありますよね。
ここを押せばこう動く。
こう動かせば、ここが働く…。

同様に問い(question)にも構造がある。
よく言われるのは5W1H。
「What、Who、Where、When、Why、How」
「何」「誰」「どこ」「いつ」
「なぜ」「どうやって」ですね。

①「何」What + 誰・どこ・いつ
②「どうやって」How
③「なぜ」Why

この3つにまとめて考えていきます。

このうち①は、単発的な知識を聞く、問い。
名詞で答えやすいものです。

対して②は、複合的な知識を聞く、問い。
①の「何」などに比べて
名詞だけでは答えにくい。文章で答える。

例えば、
「徳川家康はどうやって江戸幕府をひらいた?」
この問いには名詞1つでは答えられない。

「関ヶ原の戦いに勝つなど実力をつけた」
「朝廷から征夷大将軍の位をもらった」
「幕府をつくる場所を江戸に定めた」

など、複合的に、文章でわかりやすく
相手に伝えることが必要になります。

①よりも考えたり答えたりするのが大変…。

③は、さらに大変になります。

「なぜ徳川家康は江戸幕府をひらいたのか?」
そう言われてもな…、と悩みますよね。
なぜ悩むのか?
それは「一言では説明できない」から。

なぜ、という問いには、
〇〇だから、という答えが必要です。
しかし、その〇〇だから、という答えが、
相手を納得させられるものになるかどうかは
答える人が「〇〇→〇〇」という、
筋道だった考えをして、かつ、
その筋道を「表現」しなければいけない…。


「徳川家康は、江戸が好きだったから!」
そんな感情的で推測的な答えだけでは、
とうてい聞き手は納得しないのです。

ここまでをまとめますと、

①「何」What → 答えるのが簡単
②「どうやって」How → 複雑
③「なぜ」Why → もっと複雑

では、と読者の皆様にここで
「問い」を投げかけてみましょう。
皆様は、日々のお仕事や生活の中で
①②③のどの問いをすることが多いですか?

…③は、少ないのではないか?
「なぜ〇〇をするんですか?」
そんな問いを日常的にしていますか?

これまで述べてきましたように、
③なぜ(Why)の問いは、難しい。
なんでも「なぜなぜ」と聞いていると、
時間ばかりがかかって、
業務に支障が出る。だからスルーしがち。


ですが、思考を組み立てさせて、
聞き手と答え手を成長させるのも、
③「なぜ」の問い、なんですよね。
明らかに①②よりも「高度な問い」です。

日々の忙しい中で、
私たちはついつい①②ばかりの問いをして、
スピーディーに物事を進めようとしています。

しかし、あまりにも
「単純な問い」ばかりで人生を過ごすことは、
例えて言えば
「赤ちゃんや幼児用のトイ」ばかりで
過ごすことと同じ
、ではないでしょうか?

すぐには答えの出ない③を意識した上で、
①②の問いを重ねて、答えを出していく…。
これが、教育現場のみならず
人生現場にも必要ではないか?

考えが深い人、仕事ができる人は、
この③「なぜ」をよく考え、自分なりの
暫定的な答えを持っていることが多い。

皆様の周りにいませんか、そんな人?
だからこそ①②もよく理解している。
決して①②だけの問いではない。

表現を変えれば、問いを構造化して、
「ポンポン」と問いを出せること。
これが大事だとも思うのです。

そうすれば「トイトイ」も
あがりやすいですからね!
ポンポン、だけに…。

(麻雀ネタを挟んですみません)。

…とはいうものの、
「why」「なぜ」という
問いをすることは難しいものです。

「なぜ」whyという問いは難しいのか?

それは「なぜ」という問いには
答え手がある種の
「法則」「構造的理解」「多角的な視点」
を持つ必要があるから。

その上で、聞き手がどう受け取るか、まで
推測をして答える必要がある。

一例を挙げましょう。

転職における面接で
「なぜあなたは前の職場を辞めたのですか?」
と聞かれたとします。どう答えますか?

「ムカつく上司がいたからです」

…包み隠さぬ素直な本心かもしれない。

ですが面接官はその答え「だけ」を聞くと、
「えっ、じゃあ、この人を採用したら、
俺もムカつかれるかもしれないな…」

と恐怖を感じるかもしれません。

「上司に納得できないことがあったからです。
なぜ納得できなかったかというと、
私が〇〇というポリシーを持っていますが、
上司は〇〇という指示を出してきて
それが〇〇だったからです」

こう答えていけば、面接官はただ
「ムカついたから」と答えられるよりも
まだ納得できる、かもしれない。
ふむ、この人は「なぜ」という問いを
構造的に捉え、考えて、自分なりの答えを
持っているんだな、と感じるかもしれない。

後者の答えは「嘘」ではありません。
構造的に考えて、
なぜ自分は上司にムカついたのか、
表面的でない裏の事情を述べています。

(もちろん、答え方には色々ありますが…)

最後に、まとめましょう。

本記事では「問い」について
「おもちゃ=トイ」の例などを挙げながら
色々と考えてきました。

安価な「チープな問い」だけだと
「なぜ」に答える力が失われます。

時には自省して「問いに問いを重ね」
羅列的でなく構造的に問いを考えることで
自分の価値を「高めていきたい」
そう私は思っています。
(とはいえ、日々のあれこれにまぎれて
なかなかできていないのですけれども)

…なぜそんなことを思うのか、ですって?

それは、チートイよりトイトイのほうが
高くあがりやすいからです。

おあとがよろしいようで。

(最後まで麻雀ネタのオチですみません。
もちろん、軽く手を回す時には
チートイ狙いもあり
ですよ!)

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