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本記事では、百年前を振り返ってみます!

日本では「甲子」の年に当たりました。
「甲・乙・丙…」の十干と、
「ね・うし・とら」などの十二支、
これを組み合わせて、六十通り!

「甲」は十干の最初で、
「子」も十二子の最初。
六十年に一回やってくる
縁起の良い年でした。

そこで、1924年にできた新球場に
この「甲子」の名が当てられます。
ご存知『阪神甲子園球場』です。

日本の政治においては、
一月七日に「清浦圭吾」
内閣総理大臣に就任しました。
貴族院勢力を背景にした政治家です。
「貴族院の怪物」とも呼ばれた
水野直(みずのなおし)が、
その裏では暗躍しました。

…ただ、長続きはしなかった。

「第二次護憲運動」が起きて、
六月、半年後に早くも倒閣されてしまう。
その後にできたのが、加藤高明内閣。
翌年に「普通選挙法」が成立します。

他にも、後の昭和天皇ご成婚、
上野公園・動物園が東京市に下賜、
明治神宮外苑競技場が竣工、
日本初のウイスキーの蒸留所も完成…など
現代にもつながっていく出来事が
起きた年でした。
(その百年後にはユーチューバーの
ヒカキンさんがご成婚の報告をしましたね!)

世界に、目を向けてみましょう。

1914年に始まった第一次世界大戦が
起きてから十年後の1924年。
戦後、世界の様相は、戦前からは
だいぶ変わってきていました。

1917年、ロシア革命が起こり
ソヴィエト連邦が成立。
1924年にサンクトペテルブルクが
「レニングラード」へと改称される。
「モンゴル人民共和国」ができる。
中国では革命の父の孫文が
「第一次国共合作」を行いました。

大英帝国ことイギリスでは、
1923年の総選挙の結果で、
第一党は保守党、第二党は労働党、
第三党は自由党となり、いずれも
議席の過半数を得られませんでした。
翌1924年、二位と三位が手を結び、
マクドナルドという労働党の党首が
政権を手にする。

(自由党のチャーチルは
この連立に反対して離党します)

彼はいわゆるカリスマ政治家で
「マクドナルド劇場」を展開!
英国は、ソ連との国交を樹立する。

その頃、インド帝国では、
ガンディーという南ア帰りの弁護士が
独立に向けて活動をしていた。
彼もまたインドのカリスマとなります。

ちなみに日本は1922年まで
「シベリア出兵」を行っており、
ソ連との国交樹立は1925年の
「日ソ基本条約」まで待つことになります。

一方この年、イタリアでは
ファシスト党が総選挙で勝利。
ドイツでは、ミュンヘン一揆の失敗で
投獄されていたヒトラーが出所する…。
「第二次世界大戦」の萌芽が
出てきた年でもあった。

当時は、それとはわかりませんでしたが。

アメリカ合衆国はいわゆる
「狂騒(狂乱)の二十年代」
真っただ中です。
一次戦後の独り勝ち状態!

自動車王ヘンリー・フォードは
ひたすら自動車を世の中に送り出す。
ラジオは大衆のためのメディアとなる。
映画もたくさん作られました。
ジャズ奏者、ルイ・アームストロングは
1924年にニューヨークに出て大人気に。
大量生産・大量消費、大衆社会と新しい娯楽…。

富める者、貧しい者、是正しようとする者、
ますます富を追い求めていく者…。
新しい娯楽、新しい世界像、
思惑と野心と不安が混ぜこぜになっていた。

それが1924年の世界だった、と言えましょう。

…さて、その百年後の2024年は?

大きな野心に燃え、従来の秩序を変えようと
影響を及ぼしている国や人がいます。
ガンディーが独立の象徴となったインドは、
今や中国を抜き、人口世界一に。
アフリカ、アジア、ラテンアメリカなどの
以前は欧米列強の植民地だった国々も、
その国の歴史と地理を活かして
強みを発揮しようとしているところ…。

そんな世界の中、日本はどうか?

1991年のバブル崩壊から三十年余り。
「年功序列」「終身雇用」「一社専従」の
岩盤、氷壁が溶け出して
「自分なり」の強みを模索していく人が
増えてきています。
「君たちはどう生きるか?」という感じで。

…百年前の1924年は、まだ大正時代。

「モボ(モダン・ボーイ)」
「モガ(モダン・ガール)」と呼ばれる
新しい生き方をする若者が
ようやく世に出てきた頃です。
「大正デモクラシー」の影響も
あったのかもしれません。

それから、百年。

欧米式個人主義、個の尊重や自立が
日本に馴染んだのか?
新たなモボやモガが主流になったのか?
と言えば、いや、まだまだ。
「理不尽なこと」「個人の尊厳の軽視」は
多くのシーンで見かけますよね。

個人よりも組織を優先させる。
台風でも出社しろと言われる。
個の自立、多様性を認める社会へは
道半ば、といったところです。

ただ、光明はあります。

情報の爆発的な増加、SNSの普及で、
閉ざされていた情報が世の中に
一気に出回りやすくなった。


「フェイクニュース」「炎上」
「誹謗中傷」など副作用もありますが、
「そうだったのか!」という新知識を
どんどん手に入れられる時代です。
2023年は、つくられた「偶像」や
「アイドル」が壊される
ことも
たくさんあった年でした。

ルイ・アームストロングの演奏を
外国でリアルタイムに聴くのは
夢のまた夢でしたが、
その百年後、今では、個人が世界中に
LIVEを発信することも
可能になってきている。

ただ、百年経って技術は進歩しても、
それを使うのは、あまり
本質的には変わらない人間たちです。

世界大戦中には多くの技術が発達して、
戦いのために転用されました。
爆撃機や戦車や毒ガス。
現在でも、そうですよね。
例えばドローンは荷物の運搬、
農業や建設業などで大活躍する一方、
軍事用としてもおおいに使われています。
AIドローンなども開発されています。

SNSや情報発信も同じ。
それ自体に、善悪はない。

人々を豊かにするために使うのか、
誰かの利益のためだけに使うのか、
誰かを爆撃するために使うのか。

それはひとえに、使い手にかかってくる。

もし個人の利益のために使うとしても、
他者を傷つけるのではなく尊重し、
共存共栄ができるように
使っていきたい
ですね!

最後に、まとめます。

本記事では百年前、1924年を踏まえて
百年の過去/現在を書いてみました。

次の百年後の2124年には
(私も読者の皆様も、もういませんが…)
今では考えられもしない新技術が
世の中に出回っていることでしょう。
「阪神甲子園球場」も、超未来的な球場に
変貌しているのかもしれない…。

その変化の「萌芽」は、すでに
この世界に現れているかもしれません。


歴史と地理、
「ヒス」と「ジオ」を踏まえて、
私もまた考え、行動し、
発信をしてみたいと思います。

知ること、伝えることにより、
選択肢は増えていきます。

引き続き、どうぞ宜しく
お願い申し上げます。

※「甲子園100周年」の記念サイトはこちら↓

「貴族院の怪物」と呼ばれた
水野直(みずのなおし)についてはこちら↓

第一次世界大戦前の大英帝国、
「パックス・ブリタニカ」の外交政策
についてはこちらを↓

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