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狙いうち。サウスポー。ルパン!

このあたりが定番の
甲子園大会での野球の応援ですが、
各校様々、はやりすたりはあるものでして、

本記事は様々な野球の応援、
特にブラバンに着目して
書いてみたい
と思います。

「狙いうち」は1973年にリリースされた、
山本リンダさんの楽曲です。
タイトルや歌詞がまさにジャストミート、
野球の打撃に対する応援にはぴったり、
なのでしょう。

「サウスポー」は1978年リリース、
ピンク・レディーの楽曲です。
サウスポーとは左ききの意味ですが
右投手相手でもふつうに使われます。
投手のことを「すごいやつ」と
表現していますので、
投げてくる相手をリスペクトしつつも
打ってやるぞ!という気合いが入る。

「ルパン」は1977年に
モンキー・パンチ原作のアニメ
『ルパン三世』の主題曲として発表。
ジャズピアニストで作曲家の
大野雄二さんが作曲したものです。
まさに「男の美学」を感じる楽曲ですよね!

…お気づきになりますか?

この三曲はいずれも
70年代にリリースされた楽曲です。
約50年も前のこと。
それらの曲が、いまだに使われている。
凄いことだと思いませんか?

野球の応援は、その時々の
吹奏楽部、ブラバンの担当者が
演奏するわけですけれども、
毎年、顔触れが変わっていく。

そのため、できるだけ「定番」の曲のほうが
演奏しやすい
、というのはあると思います。
「狙いうち」「サウスポー」「ルパン」だと
「これ野球の応援で聞いたことがある!」
となるので、継承しやすいわけですね。
他にも例えば「紅」や「RUNNER」など、
大ヒットした楽曲だと、耳になじんでいる。

さて、これらのどの学校でも
演奏する定番に比べて、
「ある高校がよく使う特定の曲」もあります。

一番メジャーなのは
智辯和歌山などが演奏する魔曲こと
『ジョックロック』でしょうか?

原曲はヤマハのキーボードなどに
装備されていたサンプル音源です。
この曲が流れるとなぜか
チャンス、押せ押せムードになりまして、
ビッグイニングになる…。
なので「魔曲」と呼ばれるようになった。

智辯和歌山の吹奏楽部顧問の先生が、
毎年甲子園に出場する
同校野球部のための応援曲を
作り続けて、ついにネタ切れしてしまい、
たまたま聞いたこの曲に目をつけて、
原曲よりもアップテンポなアレンジを
したのが始まり、だとか。

沖縄代表の高校の応援では、
『島唄』『ダイナミック琉球』や
『ハイサイおじさん』
などが
指笛とともによく使われたりします。
いわゆるご当地ソング、ですよね。

特に『ダイナミック琉球』は
応援席の誰かがソロで独唱し、
やがて全員で合唱する、という
応援パターンが、色々な高校で
使われるようになっています。

…考えてみれば応援席にいる野球部員は、
「ベンチに入れなかった部員」。
高1、高2ならまだチャンスはありますが、
高3となると、負けたら高校野球引退です。
球場内に立てなかった自分たちの分まで…と
全力で応援するのです。

おっと、学校独自の応援曲に話を戻せば、
龍谷大平安高の『怪しいボレロ』
かなり有名です(そのままのタイトルです)。

文字通りこの曲が流れると
球場全体が何となく
怪しい雰囲気に包まれます…。
ずっとこの曲が続くと、
守備する側は怪しい気持ちになる。

と、このように各学校の吹奏楽部では
「代々受け継がれている曲」が
あったりします。
『〇〇サンバ』などのように、
学校名を冠した曲があったりする。

ただですね、その受け継がれ方も、
妙な感じで受け継がれていく
こともありまして…。

そのうちのエピソードの一つに、
北海道の大会で使われた
(今でもあるんでしょうか?)
「おこめけん」というものがあります。

これは他の地域では
「SEE OFF」(シーオフ)として
知られている楽曲です。

1995年に結成されたBRAHMAN(ブラフマン)
というロックバンドの歌が原曲。
これを茨城県の日立一高の
当時チアガール部だった女子学生が
BRAHMANのファン、歌詞の『to the end』が
『甲子園』に聞こえる…ということで
『SEE OFF』の応援歌を作ったそうなんですが、

その対戦校である日立一高の
『SEE OFF』を聞き、いいね!と思って
自分たちの応援に常総学院が取り入れた。
しかもその常総学院が
2003年夏大会で優勝したために
『SEE OFF』は全国に広まった…。

…ただですね、有名になる前には、
元の楽曲がなかなかわからないわけです。

「ねえ、あの曲、何の曲? かっこいいし、
自分たちも演奏したいんだけど…!」と
各校の吹奏楽部が必死に調べた。
しかし、今とは異なって、
まだネット検索や
AI検索ができない時代だった。

そんな時に、何となく
曲調が似ているCMがTVから流れてくる。
「ねえ、この曲じゃない?」と喜ぶ。
そこで応援団が演奏する時に
掲げるボードに書かれ、演奏される。
そのCMが、お米券のCMだったために
「おこめけん」とボードに書かれた…
というエピソードです。
おこめけん=SEEOFFだ、と思われたお話。
(ただし、今だと容易に検索できるので、
すでに変わっているかもしれませんが)

このように、他校が使っている楽曲が
どんどん広がっていく、というケースは
よくあります。

懐かしい『タッチ』や『必殺仕事人』から、
『アフリカンシンフォニー』
のような壮大な曲、
『アゲアゲホイホイ』などの
皆で踊れるノリの良い曲(応援)まで…。

ちなみに徐々に定番曲になりつつある
『モンキーターン』は、ロッテの応援曲に
使われたものが高校の応援曲にも
使われ始めたものだそうです。
(それを言えば、ヒットを打った時の定番の、
「ファンファーレ」も、最初は
天理高校が始めたものですからね…)

このように、応援席が盛り上がり、
かつ、球場全体の雰囲気も左右するような
野球のブラバンの応援曲!
『美爆音』と呼ばれる習志野高校や、
『演奏会』と呼ばれる大阪桐蔭高校など、
聞き惚れるような演奏をする高校も、
たくさん出てきております。

最後にまとめます。

本記事では、高校野球の応援にまつわる
色々なことを書いてみました。
おそらく、ここで書けなかった楽曲、
応援の仕方もたくさんある、と思います。

読者の皆様におかれましても、
この曲は知ってる!
この曲を聴くと甲子園って感じ!
この曲は忘れられない!という
応援曲がおありではないでしょうか。

いよいよ各地域で甲子園に出場する
代表校が決まりつつあります。

ぜひ、この夏は軽快なメロディとともに
高校球児の皆さんを応援してみては
いかがでしょう?

読者の皆様が忘れられない、
耳に残っている曲は、なんですか?

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