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組織には、代表者がいる。
ナンバー1である。

それに次ぐ者がいる。
ナンバー2である。

このナンバー2には
「2種類」ある
、ということを、
複数の組織に何らかの形でかかわった
経験がある方は知っているのではないか。

すなわち

①代表に代替可能のナンバー2
②代表の代替を狙わないナンバー2

の2種類である。

堺屋太一さんの『歴史からの発想』では、
①を「皇太子」、②を「女房役」
表現している。
以下に引用したい。

『日本にも組織ナンバー2はいる。だがその多くは「次期ナンバー1」、つまり「皇太子」であって「女房役」ではない。「女房役」は、あくまでも主人を補佐し、主人の業績を高めるためのものであり、いつの日か自らトップに立つ者ではない。ナンバー2が、次期トップを目指すならば、次の時代での栄進を求める人々が周囲に参集し、早晩現トップとの対立を生むからだ』

この2つを、しっかり区別しておきたい。

…さて、読者の皆さんの組織には
「2種類」のナンバー2は、いますか?

リーダー(ナンバー1)の
①皇太子、②女房役は
それぞれいるでしょうか?

歴史の例を挙げよう。
豊臣秀吉の場合であれば、
①豊臣秀次(甥)、豊臣秀頼(子)
②豊臣秀長(弟)、石田三成(家臣)

となるかと思う。

豊臣家が滅亡してしまったのも、
優れた女房役であった②秀長が死に、
関白に据えた①秀次を失い、
腹心の②三成が関ケ原の戦いで敗れ、
最後に①秀頼が大坂の陣で滅んだから、
だと思われる。

再び、堺屋太一さんの
『歴史からの発想』によると、
専制国家の中国王朝と
権力を下部に移譲する日本とでは、
①と②の出来具合が異なる、という。

すなわち、
中国王朝には「皇帝」という
絶対的な君主がいるので、
②女房役はいるが
①代替の効く皇太子的な人は生まれにくい。

一方、日本では
「建前はそのままにして
実質を司るサブシステム」
があるため
②女房役が①皇太子的な位置に
つきやすい、というのである。

…確かに、現代の組織でも、
社長はお飾りで、実権は専務がにぎっていて
そのうち専務が名実ともに社長になる、
なんて事例は多いですよね。
権威の会長、権力の社長、という
二重体制を敷いている会社も多いです。

「天皇がいるのに『院政』が行われる」
「律令体制はそのまま幕府が成立する」
「将軍がいるのに執権政治が行われる」
「内閣があるのに『軍部』が力を持つ」

こういう歴史を持ってきた日本なので、
代替の効く実力者が
育ちやすいのかもしれない。

そんなことを踏まえて、
自分の属する組織を考えてみると、
興味深いように思う。

また、自分自身の組織を作る時
意識してこの2種類のナンバー2を
うまく配置しておけば
いざ何か自分自身の身に起こった時に
滅亡することを防げるように思う。

もう一度、聞きます。

読者の皆さんの組織には
「2種類」のナンバー2は、いますか?

※『歴史からの発想』

とても参考になりますので、
ぜひどうぞ!

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