「ikigai」は世界的に有名な言葉
皆様は「生きがい」を持っていますか?
そう聞くと、たいていの方は
「私はこれが生きがい…だと思います」
というものを答える、と思います。
これはもう、人それぞれ。
日本では「生きがい」という言葉が
普通に使われます。
それがゆえに、世界の中で
「ikigai」という言葉・概念が今、
どう響いているのか、わかりにくい。
実は、日本発のこの言葉、
「ikigai」と表現されて、
そのまま使われています。
めっちゃ、いま、
世界で研究されているんですよ。
あの有名な脳科学者、茂木健一郎さんも
最近「ikigai」について本を英語で書き、
瞬く間に世界でベストセラー、
日本語で逆輸入(訳本)されているほど。
「ただの『生きがい』でしょ?」
そう思われた方は試しに、
「ikigai」というキーワードで
検索をしてみて下さい。
ChatGPTで聞いてみてもいい。
Amazonの書籍など
色んなものがヒットする、と思うんです。
実は、日本以外の他の国の言語では、
ikigaiにぴったりと合う
ニュアンスの言葉は
なかなか見つけられないそうです。
本記事は世界における「ikigai」について。
生きがいは、幸せ、とは少し違います。
幸せ=生きがい?
ちょっとニュアンスが違う気がする。
生きがいは、誤解を恐れずに書けば
「生きていてよかった」
「毎日生きていくための理由」
などと感じられること、
だと私は思います。
それは必ずしも
自分「だけ」が幸せでなくてもよい。
「他人が幸せになるのが生きがい」
「自己犠牲の上での生きがい」と
いうこともありえる。
いきがいの「かい」、
「甲斐」という言葉は、
「行動の結果としてあらわれる『しるし』」
「努力した効果」「期待できる値打ち」
などの意味があります。
自分が生きて行動することで、
どんな「結果」や「効果」が得られるのか?
自分は何のために生きているのか?
元々の「かい(かひ)」という言葉には
「交ふ(かふ)」とか
「『効』果の効ひ(かひ)」という
意味が含まれているそうです。
哲学的な意味を含むのが「生きがい」。
(余談ですが、
甲斐甲斐しいとか甲斐性とか、
「甲斐」がつく言葉は他にもあります。
武田信玄の本拠地も、甲斐の国。
一説には、かいがいしい
などの言葉がまずあり、
甲斐の国の人が働き者であったことから
この漢字が当てられたそうです)
さて、この「生きがい」という言葉が
ikigaiとして「世界的に」
有名になったのは近年のこと。
2014年頃、「ikigaiダイアグラム」と
呼ばれる図がバズりました。
すごい勢いで、拡散していきました。
起業家のMarc Winn氏が
図とともに発信した。
皆様も見たことがあるかもしれません。
下の図は、それを
日本語にして簡略化して加工したもの。
簡単に言えば、
「好き」「得意」「需要」「収入」
これらを全部含めて重なるのがikigai。
…ただですね、これが
本当に「生きがい」なのだろうか?
好きや得意、が生きがいにつながるのは
わかります。しかし、
「需要」や「収入」が「必ず」絡まないと
ikigaiとは言えないのでしょうか?
ちょっと違うような気がします。
いや、全否定ではなくて、
「そういう側面もあるけれども
精神的なものもあるのでは?」
とツッコミを入れたくなる。
例えば、子育ては生きがい、という人から、
子育てで収入を得ているとか需要があるとか、
そういう人ばかりではないのでは…?と
聞かれた時、どう説明するのか?
というわけで、ikigaiの概念がない他国では、
日本とは違ったニュアンスで
ikigaiが広まっている可能性がある。
本場の日本から出していく
「生きがい」の説明としては
まだ改善の余地があるように思われます。
そこで、Nicholas Kemp氏が作った
別の四つの円の図も、合わせて紹介します。
出されたのは、2020年頃。
それをあえて日本語に訳して
簡略化したものが右の図です。
この図では
◆「価値(があると感ずるもの)」
◆「趣味や興味(があるもの)」
◆「役割や関係性」
◆「存在(実存)」
この四つが重なるところがikigai。
また、ikigai=Daily Livingと
表記されており、より「日常」に近いものが
生きがい、とされる。
さて、読者の皆様におかれましては、
「ikigai」の説明としては、
左図と右図、どちらがしっくりきますか?
…私は、個人的には、
右図のほうがしっくりくる。
生きがいとは主観的なもので、
個々人で決めればいいものだと思うから。
ただ、左図が間違っているとか、
これはikigaiじゃないとまでは言えない。
「生きる」ためには「お金」が必要。また、
「社会に求められている」もののほうが
生きがいを感じやすい、とも思うから。
この二つの図、あるいは
「全く新しい図」を仮に自分で設定し、
左右に「反復横跳び」をしながら、
必要ならば上下にも視点を変えながら、
「自分なりの生きがいとは何なのか」を
考えていくのがいいのではないでしょうか?
最後に、まとめていきましょう。
本記事で、この二つの図を
あえて対比して提示して書いたのは、
ということを書きたかったからです。
また、書いて投稿することにより、
読者の皆様の考えを促しつつ、
自分の考えをまとめたかったからです。
では、私自身のikigaiは何か?
…うーん、難しい。
日々、変わっていきます。
「これさえあればいい!」
というところまでは煮詰め切れていない。
「地理と歴史」は、好きです。
でも左図的な「収入」や「需要」の
面から言えばちょっとあやふや。
「書くこと」は、好きです。
ですが右図的な「役割や関連性」などまで
結びついているかというと難しい。
読者の皆様はいかがでしょうか?
皆様の「ikigai」は、何ですか?