商い=あきない の語源は、なんでしょうか?
「飽きないことが商売には大事、だから?」
「実りの秋に、余剰作物を売られたから?」
「あがなう(購う)に漢字を当てはめた?」
諸説、あるようですよね。
言葉というものは「共有のツール」ですから、
共有する人たちが多ければ多いほど
だんだんと使われるようになってきます
(ほら、特定の年齢層や趣味層の人たちが
新語を開発したりするじゃないですか。
使われなくなった言葉を
「死語」と言ったりもしますよね)。
その意味で、言葉というツールは生き物。
生まれたり、死んだりします。
なかなかに、とらえにくいものです。
…ただ、現在「秋なう」なぞと言いますと、
なんか違う意味に捉えられますよね。
『秋、なう』
うん、いま、秋なんだね!
「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺だな」…。
などという、一種、季節の余韻を帯びた
表現になるところが、また面白いものです。
他の言語では、どうでしょうか。
例えば英語、ビジネス=business。
これは、ビジー(busy)、つまり
「忙しい」が語源ですよ!とドヤ顔で
おっしゃる方がいますが(私も言ってました)
それは、実は正確ではない。
もともとは、古代英語で使われた
「bisignisse」が直接の語源だそうです。
この語の意味は、「care(ケア)」とか
「anxiety(心配事)」です。
つまり、「ケアしなきゃ!」
「ああ、心配だなあ」とよく使っていた
bisignisseを持つ人たちが、
この言葉を「自分という存在の
日常を埋めている物事」と
徐々に解釈していき、
bisignisse=仕事=businessという
現代の「ビジネス」という言葉が
生まれていった、そうです↓
「秋、なう」という、季語的な余韻。
「存在の日常を埋める」という哲学。
その「あきない」と「ビジネス」が、
同じような仕事、商売という意味で
ごった煮で使われているのが現代日本。
なかなかに、面白いとは思いませんか。
もちろん、他の言語であれば、
他の様々な語源、由来があると
思われます。
さて、読者の皆様、あなたの「仕事」
「商い」「ビジネス」の由来は何ですか?
◆飽きないからやっているんですか?
◆秋祭り的な賑やかさが好きだから?
◆ただの余剰取引、死ぬまでの暇つぶし?
◆秋しか働きたくない?
◆生きるため? 忙しい? 心配だから?
◆誰かをケアしたい?
◆自分の日常の存在を埋めるもの?
◆自分の生きた証を、証明していきたい?
…一つに決められなくても、いいです。
商いやビジネスの語源に諸説あるように、
「商売」「仕事」の由来もまた
色々あって、たとえ混ざり合っていても
良いのではないか、と思います。
「これはこうだからこう!」という
1つの由来だけしかないのは
面白くないじゃないですか。
私は中年世代の複業クリエイターですが、
それぞれの仕事には、
それぞれ混ざり合った想いを持っています。
本記事を書いた勢いで考えてみましたが、
…うん、それぞれ、違いますね。
秋になると新しい作品を作りたくなるなど、
季節的なノリも、違うような気がします。
さて、今(本記事執筆時)は
1月、「冬、なう」です
(やきいもが美味しい季節ですね…!)。
読者の皆様は、この冬には、
どんな「商い」「ビジネス」「仕事」を
進めていきますか?